日銀新総裁就任で金利はどうなる?「LIFULL HOME'S」が住宅購入検討者に『住宅ローンに関する意識調査』を緊急実施

「住宅ローンが払いきれるかどうか不安がある」人は約96%「固定金利」の利用予定者が「変動金利」を上回る結果に。

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、10年ぶりの日本銀行総裁の交代人事に際し、3年以内に住宅を購入する予定のあるユーザーを対象におこなった『住宅ローンに関する意識調査』を発表します。

2013年から10年以上にわたり日本銀行の総裁を務めた黒田東彦氏が退任し、4月から植田和男氏が新しい日本銀行総裁に就任。これにより今後の金利動向に大きな注目が集まっています。そして、住宅購入予定者にとって気になるのが住宅ローン金利です。そこでこの度、「LIFULL HOME'S」は、3年以内に住宅を購入する予定のあるユーザー656名を対象に『住宅ローンに関する意識調査』を実施。この結果を踏まえて、住宅市況の分析を行うLIFULL HOME'S総研チーフアナリストの中山登志朗の見解とあわせてまとめています。

 

 

  • 住宅購入に際し、重要なのは「住宅ローン減税」と「金利」の物件価格以外に掛かるお金の影響が1位と2位!
「住宅購入についての考え(複数回答可)」を聞いたところ、もっとも多かったのが「住宅ローン減税率が変わらないうちに買いたい」(47.7%)で、次いで「金利が上がる前に買いたい」(46.5%)となりました。この2つの回答は、ともに45%を超えており、物件価格以外で総支払額に大きな影響をあたえる「減税」と「金利」が購入の意向を左右する重要なポイントになっているようです。
 
【LIFULL HOME'S総研 中山の考察】
住宅購入、特に新築住宅の購入に手厚い現在の住宅ローン減税と、依然として超低水準で推移する住宅ローン金利、この2つの“制度”の仕様が変化すると、“お買い得感”が確実に薄れることをユーザーはよく理解・認識しています。現在の住宅購入の制度変更が実施されないうちに、住宅を購入したいという意向が強く表れたものであり、現在の住宅ローン減税と超低金利がいつまで続くかわからないといった一種の危機感が表れた結果と言えるでしょう。

 
  • 住宅購入時に、住宅ローンを利用する予定の人は約85%。そのうち、住宅ローンが払いきれるかどうか不安がある人はなんと約96%も。
「住宅を購入するとしたら住宅ローンを利用するか?」という質問では、約85%が「すると思う」と回答しました。そのうち、「住宅ローンが払いきれるかどうか不安はあるか?」という質問に、68.5%が「大いに不安がある」、28.0%が「やや不安がある」と回答し、96%もの人が多少なりとも不安を抱いていることが明らかとなりました。

 

【LIFULL HOME'S総研 中山の考察】
住宅ローンは多くが2,000万円以上、中には5,000万円を超える多額の“借金”を抱えることになるので、必然的に長期間の返済が前提となります。従って将来どうなるかわからないという不安があるのは当然のことで、これは生活を守るためにもきちんと返済を維持し続けなければいけないという責任感の表れと見ることができます。
一方で、コロナ禍で社会の仕組みや構成要素に比較的大きな変化があり、またロシアのウクライナ侵攻や円安に起因する物価高騰など、日常生活を送るうえでの不安要素も少なくないことから、「確実に住宅ローンを返済していける」と自信をもって言える人が減少していると見ることもできます。

 
 
  • 住宅ローンは、「変動金利を利用予定」の人がわずか23.3%。対する「固定金利」は67.9%
    変動金利を選ぶ実質金利の上限は「1%」が37.7%と最多。
「住宅ローンは“変動金利”と“固定金利”のどちらを選ぶか?」という質問に対し、「変動金利」と回答した人は23.3%に留まりました。一方で「固定金利」と回答した人は67.9%となりました。これまでは、異次元緩和により金利が低い水準であった変動金利が人気でしたが、ここにきて固定金利を予定している人が増加してきています。また、変動金利を選ぶ予定の人に、「実質金利が何%まで“変動金利”を選ぶか?」を聞いたところ、「1%まで」と答えた人が37.7%と最多となりました。

 

【LIFULL HOME'S総研 中山の考察】
日本を除く主要国が、サプライチェーン(※1)の逼迫によるインフレ抑止を目的に、相次いで金融引き締めを実施しました。日本でも国債金利への上昇圧力が高まり、日銀も、住宅ローンの固定金利に連動する長期金利(新発10年物国債利回り)について従来の±0.25%から±0.5%へと誘導水準を改めたため、住宅ローン金利水準の“先高観(※2)”が強まっています。
現状、住宅ローン金利の先高観が強いのは固定金利ですが、これ以上金利が上昇すると返済が厳しくなる、もしくは買えなくなると不安に思うユーザーも多いので、多少金利水準が高くても、借り入れ後の金利に変動のない固定金利で安心して借り入れたいというユーザーが増えたものと考えられます。
現状の変動金利は平均0.4%台で安定推移していますが、過半数が上昇幅を「1.5%まで」しか許容できないという意向を示したことは、それだけ返済計画をギリギリで検討されているユーザーが多いことを示しています。住宅ローンは元本の金額も相応に大きく、返済期間も長期間に渡ることが多いので、その意味でも返済額に相応の余裕が必要になります。返済計画に余裕のできた時は繰り上げ返済するのも有効な手段です。

 

(※1):サプライチェーン
商品や製品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れ。
(※2):先高観
株価や商品の値段が将来高くなる見込みであること。

<参考:35年で300万円以上の差が出る可能性も>

 
 
  • 住宅の「買い時」は実は2種類ある!
足元の住宅市況は、物件価格の上昇基調が続き、住宅ローン金利の先高観も手伝って住宅購入になかなか踏み切れない状況にありますが、それでも住宅の購入意欲には底堅いものがあります。実は住宅購入のタイミング=「買い時」には2種類あって、1つは「客観的な買い時」、つまり住宅価格が安定しているとか金利が低くて住宅ローンが組みやすいとか、住宅ローン減税の制度が充実していてお買い得感があるなどの市況全般から判断する買い時、もう1つは「主観的な買い時」、つまり頭金の準備が目標額に達したとか、住宅購入のための贈与が受けられるとか、転職のタイミングで転職前に住宅ローンを組みたいなどの個人的なタイミングの到来による買い時です。
現状では、特に新築物件の価格が高騰しており、住宅ローン金利の先高観が強まることで「客観的な買い時」が終わりに近づいているとの印象がユーザーにあり、市況の先行きに関する不透明感も手伝って、なるべく早く買わないと買えなくなるのではとの不安が拡がっていることがアンケート調査によって明らかになりました。
なお、金利の先高観が強まると住宅価格は頭打ちになります。中古物件では既にその兆しも表れていることもあって、今後の市場価格の推移にはエリアごとに一層の注意が必要な状況です。

LIFULL HOME'S総研 副所長/チーフアナリスト 中山登志朗(なかやまとしあき)

出版社を経て、1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。2014年9月にHOME'S総研副所長に就任。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。

【調査概要】
期間:2023年3月10日 ~ 2023年3月13日
調査対象者:全国/3年以内に住宅購入の予定がある人
調査方法:インターネット調査
有効回答数:656人

 

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。
賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。
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LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。
現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」をはじめ、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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会社概要

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URL
https://lifull.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月