“香り”で伝える平尾台の魅力。日本三大カルスト台地のひとつ平尾台をイメージしたルームフレグランスが誕生
平尾台魅力発信プロジェクト「羊礁香景」― 五感で楽しむモニターツアーを開催 ―

本リリースは、平尾台魅力発信プロジェクト「羊礁香景(ようしょうこうけい)」による発表です。
北九州市小倉南区役所と、平尾台を愛する有志による「平尾台魅力発信プロジェクト『羊礁香景』」は、平尾台の新たな魅力の創出と発信を目的に、地域とクリエイターが協働する取り組みを進めています。
この度、平尾台の風景とそこに流れる悠久の時間を“香り”として表現した2種類のルームフレグランスを制作し、そのお披露目を兼ねたモニターツアーを2025年11月2日に開催しました。
本リリースでは、香りに込めた思いと、当日の様子をご紹介します。

■ プロジェクト概要 ― 風景を“香り”という新たな方法で届ける試み
平尾台は、約三億年前の海の記憶を宿す日本有数のカルスト台地。
石灰岩が羊の群れのように点在する“羊群原(ようぐんばる)”は、訪れる人の心に静かな高揚感と深い安らぎをもたらします。
「羊礁香景」は、
平尾台の風景を、心にそっと立ち上がる“香りの体験”として届けたい
という願いから生まれました。
フレグランスを纏わせた石灰岩が香るたびに、
雄大な景色やそこに流れる時間がふとよみがえる——
その瞬間を大切にするプロジェクトです。
■ フレグランスについて
ルームフレグランスを調香したのは、北九州市出身のParfum HM(パルファン アッシュエム)代表の・氷室美里氏。パリで審査会のある香りのコンテストで最優秀賞を受賞した経歴を持つ調香師です。
クリエイションにあたってのコメントを引用します。
福岡県北九州市小倉南区に広がる平尾台は日本有数のカルスト台地です。
約三億年前の海の記憶を宿す石灰岩が、まるで羊の群れが憩うように点在し、四季折々の草花とともに訪れる人の心を解きほぐしてくれます。
私自身、このプロジェクトに携わる中で強く意識したのは、「香りと記憶の関係」です。
フランスの小説家マルセル・プルーストの著書『失われた時を求めて』には、主人公がマドレーヌを紅茶に浸して口に運ぼうとした瞬間、幼い頃の家族の思い出とともにそのときの感情までもが一気に思い起こされたという一節が登場します。
香りは、単に過去の出来事を思い出させるだけでなく、そのときの胸の高鳴りや安らぎといった
「感情」を呼び起こしてくれるスイッチのようでもあります。
今回のルームフレグランスのデザインでは、平尾台を訪れた方がここで過ごした時間を「感情の写真」として、心に残していただくためのプロダクトでありたいと考えました。カルスト台地の圧倒的なスケールを前にしたときの胸の高鳴り、風に揺れる草原を眺めながら感じた解放感や深呼吸したときの安堵感。湧き出てきた感情を、香りを通して日常の中にもう一度立ち上がらせることができたら——
そんな思いが、開発の出発点になっています。
具体的な香りづくりでは、草原を渡る風の爽やかさと、地層の奥に眠る古い海の気配という、「今ここにある時間」と「悠久の時間」の両方を表現することをテーマに据えました。昨夏、今春と、現地のフィールドワークで感じた季節ごとの光の色や温度、湿度と、私自身が幼少期に訪れた平尾台の記憶として残る感覚を確かめながら、香りの方向性を少しずつ絞り込んでいきました。
こうして生まれたのが、「Piece of Earth(地球のかけら)」と「Earth Records(地球の記憶)」という二つのルームフレグランスです。それぞれが、平尾台という美しい風景の断片とそこで生まれた感情の写真を、小さなボトルの中にそっと閉じ込められたらと願っています。
創作背景から生まれた二つの香りをご紹介します。
◆2種の香り
1|Piece of Earth(地球のかけら)
平尾台のはるか向こうまで広がる草原とそこを吹き抜けるやわらかな風をイメージした香りです。朝の光をたっぷりと浴びた若草のような、思わず深呼吸したくなる清々しさを目指しました。
トップノート:グレープフルーツ・薄荷
ミドルノート:ラベンダー・スミレの葉
ラストノート:ベチバー
白い石灰岩が点在する平尾台の風景は、一つひとつが地球の長い時間の“かけら”です。そのイメージになぞらえ、香りもまた、日々の暮らしのなかでそっと寄り添い、心を整える小さな「地球のかけら」となれるよう心を込めて仕上げました。

2|Earth Records(地球の記憶)
平尾台の地層の奥に眠る“古い海”から着想を得た香りです。 軽やかなマリンノートをベースに、岩肌を伝う水や鉱物を思わせるミネラル感のあるアクセントを加えることで、海辺の潮風とは少し違う、どこか内省的で静かな空気感を表現しました。
トップノート:キャロン・レモン
ミドルノート:マグノリア・ローズ
ラストノート:ムスク
時間の経過とともに、澄んだ水面から地層の奥へと意識が沈み込んでいくような香りの変化を楽しんでいただける構成にしました。
約三億年前のサンゴ礁や貝殻が、長い時間をかけて石灰岩となり、いま私たちの目の前に立ち現れている——そのスケールの大きな時間の流れに思いを馳せながら調香した一本です。

◆意匠
香りだけでなく、“佇まい”そのものにも平尾台らしさを宿しました。
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石灰石ディフューザー
平尾台は悠久の歴史によって形成された自然環境によって国の天然記念物として保護の対象となっている一方、セメントの原料となる良質な石灰石の産地としても知られています。
守るべき生態系や回復すべき生物多様性(ネイチャーポジティブ)と、現代社会を維持していくために必要な開発。どちらも欠かすことのできない両者の間には、私たち人間の存在や活動に由来する葛藤が存在します。こうした背景に思いを至らせるきっかけとしていただくため、ディフューザーには石灰岩の採掘の際にこぼれ落ちる石灰石を活用しました。香りを届ける器であると同時に、資源の循環や平尾台のリアルな質感を可視化する存在としています。
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美濃焼の豆皿
石灰石をのせる器には美濃焼の豆皿を採用しました。平尾台の草原をイメージしたグリーンと太古の海をイメージしたグレーの2色を今回のプロジェクトのために特別に焼いていただいています。
豆皿に石灰石をのせてルームフレグランスを吹きかけると、香る「小さな平尾台」として卓上でお楽しみいただけます。
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パッケージ
外箱のイラストには、プロジェクトメンバーでもある小倉南区役所の担当者が一つひとつ描き下ろした羊、貝殻、山に、Parfum HMのロゴをモノグラム風にデザインしました。パッケージを開く前から、この土地の物語にそっと触れていただける仕様になっています。
◆価格
5,500円(暫定・税込み)/1セット
[セット内容]
ルームフレグランス 8ml ×1本
エタノール、香料、水 ボトル / ガラス キャップ / アルミ、プラスチック 日本製
プレート磁器(美濃焼)直径9cm×1枚
石灰石×3 個
◆販売場所・日程
販売は、数量限定となっております。
2025年12月5日(金)より販売開始予定です。
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ソラランド平尾台(北九州市小倉南区平尾台一丁目1−1)
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COCON YARD HIRAODAI(北九州市小倉南区平尾台二丁目5-33)
■ モニターツアー実施報告
◆ 開催概要
日時:2025年11月2日(日)11:00〜16:00
会場:COCON YARD HIRAODAI(小倉南区平尾台2-5-33)
参加者:市内外より18名(オンライン参加:海外含む4名)
内容:平尾台の自然散策、地産食材を使ったランチ交流会、新作フレグランス発表、海外とのオンラインセッション
目的:地域の自然や歴史、暮らしの価値を深く理解したうえで、その魅力の表現や情報発信に協力してくれる人を増やし、とりわけ市外への発信力を高めること。
※開催概要のわかるプレスリリースはこちら






◆参加者からのコメント
“自然豊かな場所とは思っていましたが、それは人の営みによって支えられていることがわかり、奥深さを感じました。”
“山も街も課題は似てるかも。どうやって知ってもらうか、来てもらうか、楽しんでもらうか、持続させるか。サステナブル。”
“平尾台は懐が広い。”
“今まで気づかなかった平尾台の魅力と関わる人々の魅力にもっと広域にアピール出来る可能性を感じました。”
■平尾台魅力発信プロジェクト「羊礁香景」メンバー

Parfum HM(パルファン アッシュエム)代表 氷室 美里
福岡県北九州市出身。フレグランスデザイナー。
医療機関やテキスタイルブランドなどの会社員を経て、山梨へ移住を機に幼少期から関心のあったフレグランスを本格的に学ぶ。
オーダーメイド香水や空間デザイン、Olfactory Training(嗅覚トレーニング)を中心に個人や企業の香りのブランディング、アップサイクルフードのプロジェクトなど展開。
「アトリエ・アローム&パルファン・パリ(AAP)グランプリ2021」最優秀賞受賞。
AAPディプロム会員。日仏フィトアロマテラピー協会賛助会員。

株式会社Cocoon(コクーン)代表取締役 壹岐尾 恵美
設計事務所・貿易会社勤務を経て2010年に設計・インテリアデザイン会社を設立。
生まれ育った小倉南区平尾台の魅力発信プロジェクトの一環として
空き屋を活用した民泊「粋邑」や「ひつじcafé」を運営。2025年9月には平尾台に会社を移転しオフィス件イベントスペース COCON YARD HIRAODAI[古今の中庭平尾台]を開設。
「循環」をテーマに様々な人々が集い語らえ行動できる場づくりを始める。

北九州市小倉南区役所
「地域に飛び込む区役所ーDive deeply & Connect closely-」を掲げ、地域住民や民間企業・団体など様々なプレーヤーと連携しながら、小倉南区の魅力発掘・磨き上げを実施中。
■協力
UBE三菱セメント(株)東谷鉱山
プロジェクトの趣旨に賛同いただくと共に、ディフューザーとなる石灰石をご提供いただきました。
サイズや質感へのこだわりに応えるため、たいへんな選別作業にご対応いただいたことに、プロジェクトチーム一同、心より御礼申し上げます。
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