廃校の教室で学ぶ"使い終えた太陽光パネル"の未来。中南米6カ国のJICA研修員が「じりじりリユース発電所」を視察

2030年代に迫る太陽光パネル大量廃棄問題、日本のリユースモデルに海外から注目

株式会社UPDATER

ビジネスで社会課題解決を目指す、株式会社UPDATER(所在地:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)が運営する再エネ100%の小売電力サービス「みんな電力」は、2026年7月13日(月)、独立行政法人国際協力機構〈JICA〉の課題別研修「エネルギーの高効率利用と省エネの推進(A)」の一環として、中南米6カ国(エクアドル・グアテマラ・パナマ・ドミニカ共和国・ホンジュラス・パラグアイ)から来日した7名の研修員を、「じりじりリユース発電所」(東京都世田谷区)に受け入れ、現地視察・座学・国際ディスカッションを実施しました。

廃校跡地の屋上にリユース太陽光パネルを用いて作られた発電所を見学した後、研修員らは当時の黒板・学習机がそのまま残る教室に場を移し、座学・質疑応答に臨みました。

"使い終わったものを再活用する"というリユースの思想が、発電所と会場の双方から感じ取れる視察となりました。

視察の背景 ― 迫る「太陽光パネル大量廃棄時代」

今回の視察が実現した背景には、日本と中南米それぞれが直面するエネルギー問題、そして両者が近い将来共有することになる課題があります。

ひとつは、中南米のエネルギー事情です。中南米各国の電力は、これまで豊富な河川を活かした水力発電が中心でした(※1)。しかし近年、気候変動による干ばつが深刻化し、2024年には観測史上最低水位を記録するアマゾン川流域の歴史的渇水が発生(※2)。太陽光・風力への転換が各国の国家戦略となっています(※3)。

もうひとつは、太陽光パネルの廃棄問題です。日本における太陽光発電の累積導入量は、2015年から2024年の10年間で2倍以上に拡大し、7,730万KW(77.3GW)に達しています(※4)。2012年に開始した固定価格買取制度(FIT)により急速に普及したパネルは耐用年数が25〜30年とされており、2030年代後半以降に廃棄排出量が顕著に増加し、、年間50万トンもの廃棄が見込まれています(※5)。これは産業廃棄物の最終処分量全体の約6%に相当します。現状ではリサイクル費用が埋立処分の4〜6倍と割高なうえ、リサイクル材の取引市場も十分に整備されていないことから、適切なリサイクルが進みにくい状況です。その結果、不法投棄や不適切な海外輸出への懸念も高まっています。中南米各国でも今後10〜20年の間に同様の問題が顕在化することが予測されます。リユース・リサイクルの仕組みを早期に確立できるかが、再エネ普及の持続可能性を左右する重要なテーマとなっています。

こうした2つの課題意識を背景に、JICA課題別研修の視察先として選ばれたのが「じりじりリユース発電所」です。利用可能な中古の太陽光パネルを「資源」として活用し、廃校跡地で発電するという国内でも貴重な取り組みが、再エネの新しいモデルケースとして各国から注目されています。

※1 IEA(国際エネルギー機関)|Climate Impacts on Latin American Hydropower|2021年|https://www.iea.org/reports/climate-impacts-on-latin-american-hydropower/introduction

※2 NASA Earth Observatory|Intense, Widespread Drought Grips South America|2024年10月|https://earthobservatory.nasa.gov/images/153447/intense-widespread-drought-grips-south-america

※3 IEA(国際エネルギー機関)|Latin America Energy Outlook 2023|2023年11月|https://www.iea.org/reports/latin-america-energy-outlook-2023/executive-summary

※4 自然エネルギー財団|太陽光発電の動向|2026年1月|https://www.renewable-ei.org/pdfdownload/activities/REI_SolarIP_202601.pdf

※5 環境省|再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルに係る現状及び課題について|2026年4月|https://www.env.go.jp/content/000390689.pdf

視察の様子

視察ツアーで研修員らは、まず屋上の「じりじりリユース発電所」にて、整然と並ぶ使用済み太陽光パネルを前に、UPDATER 気候テック事業本部 みんなパワー事業部 部長 上村康裕から発電所の概要や運営の仕組みについて説明を受けました。実際に稼働するパネルを間近で確認しながら、リユース太陽光パネルを利用し、都市部での地産地消型の再生可能エネルギー供給へと結びつける取り組みについて、熱心に耳を傾ける姿が見られました。

屋上の発電所でリユース太陽光パネルを見学する研修員ら
事業担当者から説明を受ける様子

続いて、場を旧教室へ移し、座学・質疑応答が行われました。当時の黒板や学習机がそのまま残された空間に、中南米6カ国の研修員が着席する光景は、国境を越えて学びを共有する象徴的なシーンとなりました。座学では、リユース太陽光発電所の事業背景や経済性、使用済みパネルの調達から検査・再整備に至る過程、地域との連携について上村が説明を行い、続く質疑応答では、各国のエネルギー事情を踏まえた具体的な質問が次々と寄せられました。

教室での座学・質疑応答の様子①
教室での座学・質疑応答の様子②

特に、中古パネルの再利用フローや採算性、廃校跡地という立地を選んだ経緯、地域住民との合意形成プロセスなどに関心が集まりました。研修員からは「自国でも応用できる可能性がある」「日本のリユースの考え方は政策にも参考になる」といった声が上がり、各国のエネルギー事情を踏まえた率直な意見交換が行われました。

JICA研修員のコメント

【ホンジュラスから参加の方】

「自国では太陽光発電の導入が急速に進んでいるが、廃棄パネルの問題はまだ議論が始まったばかりです。日本で使い終わったパネルを"廃棄物"ではなく"資源"として捉え直す現場を実際に見ることができ、大きな示唆を得ました。」

【ドミニカ共和国から参加の方】

「都市の中で資源を循環させ、地域で発電・消費するという発想は、私たちの国の都市政策にも応用できる可能性を感じました。技術だけでなく、その思想を持ち帰りたいです。」

【エクアドルから参加の方】

この取り組みを知って、非常に良い印象を受けました。太陽光パネルを再利用して地域社会にクリーンエネルギーを供給することは、資源を有効活用し、環境への影響を軽減し、より持続可能なエネルギー転換を促進する賢明な方法だと思います。これは、エクアドルをはじめとする他の国々にとっても参考となる、刺激的な取り組みだと感じています。

【エクアドルから参加の方】

UPDATERが行っている、環境保護の推進と地域社会と調和した再生可能エネルギーによる発電などの取り組みには、感銘を受けました。

【グアテマラから参加の方】

UPDATERが地方自治体と共同で進めているプロジェクトは、限られたスペースを活用して再生可能電力を生み出す明確な好例です。これは非常に革新的なプロジェクトであり、近隣の地域社会を支援するために他の場所でも応用できるでしょう。

【パナマから参加の方】

UPDATERの太陽光発電所を見学して、とても良い印象を受けました。使われなくなったスペースを活用して太陽光パネルを設置するのは、素晴らしいアイデアだと思います。このプロジェクトは地域社会に貢献し、再生可能エネルギーの利用促進にもつながるものだと思います。近隣地域を支援するために、他の場所でも同様の取り組みが広まっていくことを願っています。

【パラグアイから参加の方】

UPDATERの太陽光発電所プロジェクトは、東京の都心部にある旧校舎の屋上の空きスペースを活用し、地域社会に再生可能エネルギーによる電力供給をもたらすという点で、極めて重要であると考えています。

じりじりリユース発電所が解決する課題

今回の視察を通じて、中南米各国のエネルギー政策担当者が強い関心を示したのが、「廃棄物を資源に変える」というじりじりリユース発電所の発想です。この取り組みは、日本国内においても喫緊の課題となっている複数の社会問題に同時に向き合うモデルでもあります。

1. 増え続ける廃校の利活用

少子化によって全国で廃校が増えています。使われなくなった学校やプールを、地域の発電・交流拠点として再生します。

2. 都市部における再エネ用地の不足

土地が限られる都市部では、新たな太陽光発電所をつくる場所の確保が困難です。既存施設の屋上や使われていない空間を活用することで、都市の中に発電所をつくります。

3. リユースパネルの活用

まだ発電できるにもかかわらず、発電所の更新などで撤去される太陽光パネルがあります。検査を経て再利用することで、廃棄を減らし、パネルの寿命を延ばします。

4. 地域の環境教育拠点

実際に発電する設備を見ながら、再生可能エネルギー、資源循環、地域防災について学べます。子どもから大人まで、環境問題を自分事として考える場所になります。

今後の展開について

じりじりリユース発電所のモデルは、廃校跡地をはじめ、未活用の屋上・空き地を発電拠点として再生し、地域に再エネを供給する都市型の地産地消モデルです。特に、全国で増加する廃校のうち約26%が未活用のまま残されている現状を踏まえ、自治体・不動産事業者・施設オーナーとの連携のもと、同様のモデルの横展開を進めていく予定です。

また、じりじりリユース発電所で生み出した再エネ100%電力は、「みんな電力」を通じて個人向けに供給しています。「みんな電力」は、生産者の顔やストーリーを開示した「顔の見える電力」として全国約1,100カ所の発電所から電力を直接調達しており、現在約1,200社・約5,000拠点の企業に活用いただいています。脱炭素経営・RE100対応・サプライチェーン排出量削減に取り組む企業のみなさまに広くご活用いただけます。

さらに、使用済み太陽光パネルのリユースにとどまらず、リユース後のパネルをリサイクルへとつなぐ循環の流れを確立することも重要な課題と捉えています。現在、家電リサイクルで世界的なシェアを持つ日本企業との連携によるリサイクル体制の構築や、タンザニアのコーヒー農園への海外展開など、リユースパネルの活用範囲を広げる取り組みも進めています。

「じりじりリユース発電所」について

「じりじりリユース発電所」は、UPDATERが推進する地域・自然と共生する再エネプロジェクトの一環として誕生した、都市型の地産地消モデル発電所です。使用済みの太陽光パネルを再利用し、廃校跡地を発電拠点として整備。新規パネルを製造せずに再エネを生み出すことで、製造・廃棄の両面からCO2排出を削減します。廃校の活用・リユースパネルの全量使用・地産地消型クラウド発電提供を組み合わせた事例は日本初です。

また、同発電所は以下のような複数の社会課題にも同時に向き合っています。森林の伐採や大規模な造成を行わず既存施設を活用することで、自然環境や景観への影響を最小限に抑えた地域共生型の発電を実現しています。地域内に発電設備を持つことで、災害や停電時の電力確保にもつながり、地域のレジリエンス向上にも貢献します。また、集合住宅に住むなど自宅に太陽光パネルを設置できない方でも、地域の発電所を通じて再エネに参加できる仕組みを提供しています。さらに、建物への荷重や防水層への影響を抑えた施工方法を採用することで、既存建物を傷めにくく、撤去時の原状復帰も容易な発電所として設計されています。

■株式会社UPDATERについて

2021年10月1日にみんな電力株式会社から社名変更。法人・個人向けにトレーサビリティや透明性を軸にしたサービスを提供し、社会課題解決に取り組む。世界で初めて電力トレーサビリティを商用化した脱炭素事業「みんな電力」、労働市場をウェルビーイングで変革する「みんなワークス」、ブランドのエシカル度を評価・公表する「Shift C」、商品の背景やストーリーをもとに購買できるEC「TADORi」、人・社会・環境に配慮した商品を扱う「みんな商店」、土壌再生に向けた社会全体の行動変容を促す「みんな大地」などを展開。第4回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞、日本で3社のみのCDP認定再エネプロバイダー、エナジープロバイダーとしてB Corp認証を受けるなど受賞・認証多数。

株式会社UPDATER会社概要

所在地: 東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル8F

代表取締役: 大石 英司

設立: 2011年5月25日

資本金: 1億円(資本準備金 1億9,773万9,500円)※2025年12月19日現在

事業内容: 脱炭素事業「みんな電力」ほかウェルビーイング、生物多様性等のSXサービスを展開

コーポレートサイト:  https://www.updater.co.jp/

■本件のお問い合わせ先 

<報道関係>

株式会社UPDATER 戦略広報部 邉見・豊島

TEL:03-6805-2228(受付時間 平日 11:00~15:00) 

E-mail:pr@minden.co.jp

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株式会社UPDATER

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https://www.updater.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル8F
電話番号
03-6805-2228
代表者名
大石英司
上場
未上場
資本金
1億5382万円
設立
2011年05月