ニトリの「人と生成AIの協働によるコンタクトセンター改革」、プロジェクト成果を発表
~約30人分の業務工数を削減し、高付加価値の接客業務へ再配置を実現。ニトリネットで扱う16万点以上の商品問合せに対応できるお客様向けの生成AI回答を提供~

株式会社ギブリー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井手 高志、以下ギブリー)は、株式会社ニトリ(本社:北海道札幌市、代表取締役会長兼社長:似鳥 昭雄、以下ニトリ)と共に、2024年5月より生成AIを活用した「コンタクトセンター改革プロジェクト *1 」を推進しています。
このたび、本プロジェクトの一連の取り組みの成果として、約30人分の業務工数の削減と、捻出されたリソースを遠隔接客などの高付加価値業務へ再配置することで、お客様の利便性向上と業務生産性向上の両立を実現しましたのでお知らせいたします。
*1 2024年11月28日『ギブリー、ニトリと共に生成AIを活用した「コンタクトセンター」プロジェクトを推進。』
(https://givery.co.jp/news/20241128_1/ )
■ ニトリのコンタクトセンター改革プロジェクトとは
ニトリでは、人とシステムの役割を再構築し、顧客対応の満足度を最大化することを目的に、ギブリーと共同で2024年より「コンタクトセンター改革プロジェクト *1 」を推進しています。
コンタクトセンターにて生成AI技術と次世代ナレッジベースを活用することで、お客様の問い合わせに対して、24時間・365日(有人対応できない時間帯でも)解決できる未来型のカスタマーサービス構築を目指すプロジェクトで、ギブリーは、本プロジェクトにおいて構想設計から基盤構築・業務オペレーションの設計を担当しています。
■ ニトリの「お客様向け生成AIチャットボット」の設計
ギブリーは、社外(お客様)向けのFAQ・チャットボット・ビジュアルIVR*2・メール・問合せフォームの回答の参照データとなるQ&Aや商品データベースと、社内(従業員)向けのQ&A・業務ルールを一元管理する「ナレッジベース」を構築しました。これにより、従来分散していたナレッジを整理・統合し、一度の更新で複数チャネルの回答が変更できるようになりました。
また、整備したナレッジを基に、FAQサイトおよびニトリネットの各商品ページ上で、お客様からの問合せに生成AIが回答するチャットボットを構築しました。回答精度を高めるため、参照ナレッジのフォルダ階層化やタグ付けを行い、RAGで使用されるナレッジを適切に制御しています。
さらに、AIが質問内容を「事前に振り分け」して、生成AIで対応する問合せと有人対応が必要な問合せを判別することで、適切な窓口への案内やエスカレーションを実現しています。
現在、生成AIチャットボットは、「ニトリネット(購入・サービス)」および「会員・ログイン関連」の問い合わせを対象としており、「①ロングテール問合せ*3」「②商品問合せ」の2つの領域に対応しています。
これらの取り組みにより、ナレッジの整備・改善を継続的に進めながら、お客様の自己解決率向上と顧客対応業務の効率化を推進しています。
【①「ロングテール問い合わせ」への対応】
<課題>
ロングテール問合せは、問合せ頻度が多くないものの、コールセンター全体では無視できない件数があり、回答に必要な情報の検索や管理者への確認に時間を要することが課題でした。
<課題へのアプローチ>
-
生成AIチャットボットの設置
-
回答できなかった質問の抽出とナレッジの改善・拡充
お客様は電話やメールで質問しづらい内容でも、チャットボットであれば、気軽に質問できます。
そのため、お客様のちょっとした疑問や不明点が明確になります。ニトリ側はその疑問点に対する
ナレッジ(Q&Aや業務ルール)を一度整備するだけで、今後はチャットボットが生成AI回答することで、大幅な時間が短縮されました。
<チャットボットの設計>
-
定型質問:ルールベースの選択式でよくある質問の回答(Q&A)を準備。
お客様の入力の手間を取らせず、頻出する質問に回答。
-
ロングテール質問:お客様が「生成AIに質問する」か、「有人オペレーターに問い合せる」かを
選択。有人オペレーターの対応は時間帯によっては回答を待つことがあるが、
生成AIでは、待つ必要がなく、24時間365日回答。
-
生成AI回答
⚪︎RAG対象テキストの制御:ナレッジ参照フォルダを限定することで、
ハルシネーション*4 リスクを抑制。⚪︎AIによる事前振り分け:クレーム対応や商品提案など、生成AIによる回答が適切ではない
問い合わせについては、AIが事前に判別し、適切な窓口へ誘導。
-
回答ログの解析:問合せ経路毎の自己解決率を分析することで、改善すべき経路が明確化。
お客様の質問から不明点を洗い出し、ナレッジの改善だけでなく、ニトリネット上の
UI/UXの改善にも活用。
【②「商品問合せ」への対応】
<課題>
ニトリネットは16万点以上の商品を取り扱っており、商品に対する問合せが数多く寄せられています。一方で、商品の入れ替わりも頻繁に発生するため、すべての商品ごとに個別のQ&Aやナレッジを整備することは現実的ではなく、有人オペレーターでしか対応できない問合せが大半でした。
<課題へのアプローチ>
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商品ページごとに、生成AIチャットボットの設置
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ニトリネット及び商品データベースとのデータ連携開発
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回答できなかった質問の抽出とナレッジの改善、拡充
<チャットボットの設計>
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商品特定:ニトリネットで表示している商品の商品コードを自動取得
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定型質問:ルールベースの選択式でよくある質問の回答(Q&A)を準備
(回答は商品マスタから提示 / 例:送料・組み立て有無 など)
-
生成AI回答:
⚪︎RAG対象テキストの制御:商品マスタ→カテゴリナレッジ→共通ナレッジの順にナレッジを
参照することで、特定商品、特定カテゴリ、一般的な問合せまでを幅広くカバーしつつ、
ハルシネーションリスクを抑制。
⚪︎AIによる事前振り分け:商品提案など、生成AIによる回答が適切ではない問い合わせについては、AIが事前に判別し、適切な窓口へ誘導。
⚪︎回答ログの解析:お客様の質問から不明点を洗い出し、不足している情報や説明内容を特定。
その内容をニトリネットの商品説明欄に反映するとともに、店舗従業員が参照するナレッジにも
追記することで、店舗での問い合わせ時の回答にも活用。
*2 ビジュアルIVR:Webサイト上で問合せ内容に応じた選択肢を表示し、適切な情報や問合せ窓口へ案内する仕組み
*3 ロングテール問合せ:発生頻度は低いものの、FAQでは対応しきれない多様な問い合わせ
*4 ハルシネーション:生成AIが事実に基づかない不正確な回答を生成する現象
■ プロジェクトの成果
この取り組みにより、コンタクトセンターでは以下の成果を上げています。
-
電話・メール・有人チャットの有人化対応件数を前年比10%削減
-
生成AIチャットボットによる24時間365日の問合せ対応を実現し、
夜間を含めお客様が自己解決できる状態へ
-
約30人分の業務工数削減を実現し、創出されたリソースを遠隔接客などの
高付加価値の接客業務へ再配置
-
お客様から寄せられる自由入力の質問を基に、ニトリネットのUI・UXを改善
■ 今後の展望
ギブリーとニトリは今後も、生成AIを活用した無人対応と有人対応の最適な連携を進化させ、
「より便利に、より安心して」利用できる仕組みを追求してまいります。
また、AIエージェントを活用したナレッジ資産の活用により、社外(お客様)だけでなく、
社内(従業員)向けのDX・AXを推進し、従業員がより付加価値の高い接客に集中できるよう、
さらなる機能拡充・運用改善を進めていきます。
■ プロジェクト担当者より
株式会社ニトリ 札幌コールセンターマネジャー 岩谷 博通
ニトリはお客様に『お、ねだん以上。』の価値を提供するため、24時間365日対応できる体制に
また一歩近づくことができました。検索エンジンのAI要約などにより、お客様に誤認させてしまう
リスクもあるので、生成AI回答には自ら取り組む必要があると考えていました。調べて回答すると
いった簡単な問合せはシステムで回答できるようになった反面、人間は高付加価値を提供する仕事の
割合が増えてきました。次のステップでは、人間が対応すべき業務を効率化するための仕組みづくりに支援をいただきたいです。
株式会社ギブリー 取締役CMO 兼 マーケティングDX部門COO 吉田 将輝
「ギブリーは、生成AIとナレッジマネジメントを組み合わせることで、従業員の生産性向上と
顧客満足度向上を両立し、人とAIがそれぞれの強みを活かせる顧客対応を実現できると考えています。今後もニトリ様と共に、デジタル技術を最大限に活用した新しい顧客体験の創出を進めてまいります。」
企業概要
【株式会社ニトリについて】
会 社 名:株式会社ニトリ
代 表 者:代表取締役会長兼社長 似鳥 昭雄
本社所在地:札幌本社 〒001-0907 札幌市北区新琴似七条一丁目2番39号
設 立:1972年3月
事業内容 :
・家具・インテリア用品(ホームファニシング商品)の企画・開発・販売事業、
法人向け事業、リフォーム事業など
URL : https://www.nitori.co.jp/
【株式会社ギブリーについて】
会 社 名:株式会社ギブリー
代 表 者:代表取締役社長 井手 高志
本社所在地:〒150-0036 東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル8F
設 立:2009年4月28日
資 本 金:50,000,000円
事業内容 :
・コンサルティング/システム開発事業
・AX(AIトランスフォーメーション)事業
・マーケティングDX事業
・人的資本インテリジェンス事業
・サイバーセキュリティ事業
URL :https://givery.co.jp/
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