日本のIT人材、給与重視度64%で“世界よりハングリー”な一方、「安定」や「社会的評価」も重視 ランスタッド調査で明らかになった離職リスク
ランスタッドはIT人材のエンプロイヤーブランド調査を実施。企業は市場連動型の報酬体系や最新技術に触れる環境など、ITプロを惹きつける企業価値の再構築を求められています。
総合人材サービスを提供するランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役会長兼CEO 道上 淳之介、代表取締役社長 猿谷 哲)は、世界のIT労働市場の実態を調査した「ランスタッド エンプロイヤーブランドリサーチ 2026 (IT)」の調査結果を本日公開いたします。日本のITプロフェッショナルは、グローバル水準の極めてハングリーな成長志向を持つ一方で、日本型雇用の「安定」も求めざるを得ない二面性に揺れていることが明らかになりました。彼らが求めるEVP(従業員価値提案)は、もはや従来の「日本的職場」の枠組みを超えて最新テクノロジーを「自身の市場価値を守るための福利厚生」と定義し、快適な職場の雰囲気よりも「生存」を優先しており、IT人材を確保したい企業は根本的に人材戦略を構築する必要があります。
世界一ハングリー?世界を凌駕する日本のITプロの「給与へのこだわり」
日本のITプロフェッショナルの給与重視度(63.9%)は、グローバルIT層(54.1%)を10ポイント近く上回り、さらには日本平均(59.2%)さえも凌駕しています。日本のIT人材にとって、報酬は単なる生活の糧ではなく、自身の市場価値(マーケットバリュー)を測定する最も客観的なスコアボードです。「ITスキル=資産」という意識が急速に高まる中、グローバル水準の報酬体系を提示できない企業は、彼らの選択肢から外れてしまう可能性があります。IT人材のこのハングリー精神こそが、停滞する日本市場を突き動かす新たなエネルギーとなっています。
世界は「キャリア成長」、日本は「雇用の安定」 優先順位のねじれが見せる静かなる葛藤
日本平均では2位となっている「職場の雰囲気(49.4%)」を、ITプロは5位(45.9%)まで後回しにしています。彼らは「仲の良い職場」という日本的コンフォートゾーンを自ら脱ぎ捨て、専門性という武器を磨く場所を求めています。一方で、日本と世界を比較すると、同じIT職種でも「優先順位のねじれ」が見られます。グローバルIT層が2位に「キャリア成長(51.3%)」を求める中、日本のITプロは2位に「雇用の安定(49.2%)」を据えています。最先端の成長を志向しながらも、足元の安定を重視せざるを得ないこの「静かなる葛藤」は、未だスキルベースの評価制度が未成熟な日本社会における、プロフェッショナル層の切実な防衛本能を象徴しています。
最新テクノロジーは「絶対的福利厚生」
ITプロフェッショナルにとって、最新テクノロジーの導入・活用(29.5%)への関心は、日本平均(10.8%)の約2.7倍となっています。彼らにとって、先端技術に触れられる環境は、自身のキャリアを守るための絶対必要条件です。技術の陳腐化が自身の「市場価値の死」を意味するエンジニアにとって、開発環境のアップデートは不可欠です。また、優れた企業の評価(31.1%)が日本平均(22.9%)を大きく上回っている点も、彼らが「社会にインパクトを与える、より先進的なプロジェクト」を生存の場として選別している事実を裏付けています。
■ランスタッド株式会社 デジタルタレントソリューション事業本部 プロフェッショナル事業部 アソシエイトディレクター リチャードソン・アレクサンダーのコメント
日本のIT人材市場における「成長志向と安定志向の二面性」を打破し、優秀なエンジニアを惹きつけ続けるためには、従来の雇用慣行を超えた「次世代EVP(従業員価値提案)」の構築が不可欠です。まず取り組むべきは、曖昧な人事評価制度を排した「市場連動型」報酬体系への転換です。個人のスキルとグローバルな市場価値を直結させる透明性が、トップ層の離職を防ぐ第一の防波堤となります。同時に、開発環境そのものを「最強のリテンションツール」と再定義し、最新技術への投資を加速させるべきです。エンジニアが「自らの市場価値が磨かれる場所」と確信できる環境こそが、報酬以上の引力となります。最終的には、組織への依存を強いる終身雇用モデルから、個人のエンプロイアビリティを軸とした「スキルベースの安定」へとシフトすることが求められます。「いつでも他社へ行ける実力を備えながら、あえてこの組織を選ぶ」という自律的な納得感こそが、これからのプロフェッショナル層と組織を結ぶ、最も強固な絆となるのです。


■ 優秀なIT人材を惹きつけ、定着させるための企業への5つの戦略的提言
報酬の競争力の強化: 給与やインセンティブの戦略が労働市場の実態から乖離しないよう常に整合性を保つ。
キャリアパスの可視化: IT人材の「成長への期待」に応えるため、明確な成長ステップや昇進の機会を提示する。
ワークライフバランスの実務への組み込み: 柔軟な働き方、適切な業務量管理、日々の職場ウェルビーイングのサポートを実運用として確立する。
デジタル採用と対面コミュニケーションの融合: 選考の効率性と、候補者一人ひとりに対する丁寧な直接の対話を両立させる。
個々人に合わせたEVP(従業員価値提案)戦略: 全社一律ではなく、多様な世代やキャリアステージに応じた個別の価値提案を行う。
■「ランスタッド エンプロイヤーブランドリサーチ 2026(IT)」調査概要
調査対象: 日本国内の18歳から65歳までの学生・就業者・非就業者 4,464名
(うち、IT人材は61名)
実施時期: 2026年1月
実施方法: オンラインアンケート(標準回答時間14分)
レポート無料ダウンロード(業種別):https://services.randstad.co.jp/ja-jp/download/the-employer-brand-research-2026-sector-job-report

本レポートは、IT人材が雇用主に求める期待と企業評価の現実を分析し、企業が優秀な人材を惹きつけ、定着させるための戦略を提言するものです。ITのほか、物流、財務・会計、ライフサイエンス(9月初公開予定)、エンジニアリング(9月初公開予定)のレポートも用意しており、業界比較をして頂くことも可能です。
■ ランスタッドの会社概要
[社 名] ランスタッド・エヌ・ヴィー
[設 立] 1960年10月
[代 表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス
[所 在 地] オランダ
[従業員数] 38,480人
[売 上] 4兆2,537億円(230億7,700万ユーロ) 2025年度実績(12月決算)
(人材サービス業として世界最大※¹)
[資 本 金] 7,376億8,866万円(40億200万ユーロ) 2025年12月末時点
[事 業 所] 世界39の国と地域
[事業内容] 総合人材サービス
[URL] https://www.randstad.com/
(1ユーロ184.33円換算/ 2025年12月末時点)
※¹ Staffing Industry Analysts 2025、人材サービス企業売上ランキングより
■ ランスタッドについて
ランスタッドは、世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げる人材業界のグローバルリーダーです。人材およびクライアント企業に選ばれるパートナーとして 、労働市場の深い理解と4つの専門分野(オペレーショナル/ プロフェッショナル/ デジタル/ エンタープライズ)を通じ、クライアント企業が成功するために必要な、高品質で多様性に富んだ柔軟な労働力の実現を支援します。私たちは、あらゆるバックグラウンドを持つ人々に公平な機会を提供し、急速に変化する働く世界において人々が価値ある存在であり続けられるよう支援することに注力しています。ランスタッドが創造する価値を通じて、誰もにとってより良い働く世界の実現に貢献します。
オランダに本社を置くランスタッドは、39の国と地域(市場)で事業を展開しており、約38,000人の社員が働いています。2025年には、15万社近いクライアント企業と170万人以上の働く人々を支援し、231億ユーロの収益を上げています。ランスタッドN.V.はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。詳細は、ウェブサイトをご参照ください。 www.randstad.com
■ Award/表彰ほか
・LGBTQI+に関する取組み評価指数「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を5年連続受賞
・ランスタッドNVとしてダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI)
プロフェッショナルサービス部門 11年連続選出(人材サービス企業として唯一)
・「がんアライアワード2024」でブロンズを初受賞 (2024年12月)
・「D&Iアワード2025」より最高評価のベストワークプレイスに4年連続認定 (2025年12月)
■ ランスタッドのホワイトペーパーとコンテンツ
1)ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ2026 (下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/ja-jp/download/form/the-employer-brand-research-2026-report
2) ランスタッドワークモニターレポート2026(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/form/the-workmonitor-2026-report
3) ランスタッド法人向けブログ「WorkforceBiz」
https://services.randstad.co.jp/blog
4)ランスタッド個人向けコンテンツサイト「キャリアHUB」
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