日本の女性写真家を取り上げた大規模な国際プロジェクトが発足し、国際版書籍刊行と国際巡回展を実施。京都芸術大学の竹内万里子教授が書籍へ寄稿、および共同キュレーターとして展覧会を企画します。
プロジェクト名:I’m So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now
書籍は、英語版がアパチャー財団から、フランス語版がテクスチュエルから刊行されます(正式な刊行は9月予定)。
展覧会は、今年7月1日に開幕するフランスのアルル写真祭を皮切りに、約4年間世界各地を巡回する予定です。
京都芸術大学の竹内万里子教授が書籍に寄稿すると同時に展覧会の共同キュレーターとしてかかわっており、大学院・美術工芸学科の多和田有希先生の作品が掲載・展示されます。
竹内万里子教授からのコメント
日本には女性の素晴らしい写真家がたくさんいるにも関わらず、ジェンダーバイアスに基づく様々な困難ゆえに、国内外で「日本写真」といえば、紋切り型のように男性の写真家ばかりが長い間取り上げられてきました。その不当な状況に一石を投じるために、国際チームで長い年月をかけてこのプロジェクトを準備してきました。その成果をこのような書籍と国際巡回展という形でようやく発表できる時が来たことを、本当に嬉しく思っています。困難な状況の中で自由を求め、孤独と戦い、創造性を決して諦めることのなかった彼らの素晴らしい作品は、男女を問わずすべての方々に多くの勇気と力とインスピレーションを与えてくれるものと信じています。
竹内万里子 プロフィール
写真批評家。早稲田大学政治経済学部卒業(政治学)、早稲田大学大学院修了(芸術学)。2008年フルブライト奨学金を受け渡米。「パリフォト」日本特集ゲストキュレーター (2008年)、「ドバイフォトエキシビジョン」日本担当キュレーター(2016年)など、数多くの写真展を企画制作。国内外の新聞雑誌、作品集、図録への寄稿、共著書多数。訳書に『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(ジョナサン・トーゴヴニク、赤々舎、2010年)、その続編『あれから−ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(日英対訳、赤々舎、2020年)など。単著『沈黙とイメージ 写真をめぐるエッセイ』(日英対訳、赤々舎、2018年)など。
書籍詳細
英語版
タイトル:I'm So Happy You Are Here : Japanese Women Photographers from the 1950s to Now
出版社:Aperture
フランス語版
タイトル:FEMMES PHOTOGRAPHES JAPONAISES - Des années 1950 à nos jours
出版社:Textuel
編集:Pauline Vermare , Lesley A. Martin
寄稿:Takeuchi Mariko, Carrie Cushman, Kelly Midori McCormick, Marc Feustel, Russet Lederman
写真:Hara Mikiko, Ishikawa Mao, Ishiuchi Miyako, Katayama Mari, Kawauchi Rinko, Komatsu Hiroko, Kon Michiko, Nagashima Yurie, Narahashi Asako, Ninagawa Mika, Nishimura Tamiko, Noguchi Rika, Nomura Sakiko, Okabe Momo, Okanoue Toshiko, Onodera Yuki, Sawada Tomoko, Shiga Lieko, Sugiura Kunié, Tawada Yuki, Tokiwa Toyoko, Ushioda Tokuko, Watanabe Hitomi, Yamazawa Eiko, Yanagi Miwa
展覧会プレミエ:アルル写真フェスティバル (Les Rencontres de la Photographie, Arles) 内
I’M SO HAPPY YOU ARE HERE : JAPANESE WOMEN PHOTOGRAPHERS FROM THE 1950S TO NOW
期間:2024年7月1日(月)~ 9月29日(日)午前10時 - 午後7時30分
会場:パレ・ド・ラルシヴェシュ(35 Pl. de la République, 13200 Arles, フランス)
詳細:https://www.rencontres-arles.com/en/expositions/view/1543/i-m-so-happy-you-are-here
京都芸術大学 https://www.kyoto-art.ac.jp/
京都芸術大学は、10学科24コースからなる国内最大規模の総合芸術大学です。芸術を通して社会で必要な力を育成しています。 芸術を学んだ学生が社会を変える「藝術立国」を教育目標に掲げ、通学課程では特に “社会と芸術”の関わりを重視した芸術教育を推進。企業や自治体などが抱える課題を、学生たちがアート・デザインの力で解決する「社会実装プロジェクト」が年間100件以上あります。学科を超えたグループワークや実際の仕事を通して、社会性を備えた表現者を育成しています。
住所:〒606-8271 京都府京都市左京区北白川瓜生山町2-116
学科編成:10学科24コース(美術工芸学科、キャラクターデザイン学科、情報デザイン学科、プロダクトデザイン学科、空間演出デザイン学科、環境デザイン学科、映画学科、舞台芸術学科、文芸表現学科、こども芸術学科)
在籍者数:4,114名(芸術学部 正科生、2024年5月現在)
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