肺がん治療を行う全国の医師に調査 「免疫チェックポイント阻害剤」 治療選択の実態

1次治療で患者へ複数の治療選択肢を提示しているのは21% より良い治療のために必要な選択・サポートとは

株式会社アンテリオ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:仁司与志矢)は2018年8月、全国の100床以上の病院で肺がん治療を行っている医師を対象に、「免疫チェックポイント阻害剤(※1)」治療に関するWEBアンケートを実施しました。
免疫チェックポイント阻害剤は、新しい効能・効果が追加され、診療ガイドラインが更新されるなど、最近大きく注目されています。その中で本調査では、医師が患者へ提示する治療の選択肢の数と、治療の決定に至る過程について確認し、ますます複雑化する治療選択時のインフォームドコンセントの実態を明らかにしました。

※1 免疫チェックポイント阻害剤:がん細胞を攻撃するT細胞の働きにブレーキをかけているタンパク質との結合を阻止。T細胞の働きを活性化し、抗腫瘍効果を発揮させる薬。
アンケートで聴取した免疫チェックポイント阻害剤は、本調査実施時点で使用可能となっていたニボルマブ・ペムブロリズマブ・アテゾリズマブの3剤。

【調査結果のポイント】
  • 免疫チェックポイント阻害剤が推奨できる患者に対し、医師が提示する治療の選択肢が複数であるケースは、1次治療で21%。2次治療では40%と、1次治療より高くなっています。
  • 医師が提示した免疫チェックポイント阻害剤が、患者やその家族の希望で処方に至らないケースは1次・2次治療において3割程度。その理由は重篤な副作用への不安や、高額な医療費など。


1次治療患者側へ複数の治療選択肢を提示している医師は21



免疫チェックポイント阻害剤が推奨できる患者に対して、「1次治療で提示する治療の選択肢が複数である」と回答した医師は21%。患者が主体的に治療を選択できる状況は少ない実態が明らかになりました。
1次治療で効果が得られなかった場合の2次治療では、複数の治療法を提示されている患者が40%と多くなります。ここから、総合的な状況を踏まえた上で、医師から治療方針が説明されている様子がうかがえます。


2.1次治療において、キイトルーダ高い効果が期待できる患者タイプには、91%の医師が提示

次に、免疫チェックポイント阻害剤の治療選択時の指標となる、「患者タイプ」別で確認しました。「キイトルーダ(ペムブロリズマブ)」の処方によって高い治療効果が期待できる、「PD-L1(※2)発現が50%以上」という患者タイプに対しては、91%とほとんどの医師が1次治療として同剤を提示していることが明らかになりました。高い効果が期待できる薬剤の使用に際しては、医師の意見がほぼ一致していると言えます。

※2 PD-L1:免疫細胞の働きを妨げる癌細胞の因子。免疫チェックポイント阻害剤はこれを妨げることで癌の治療効果を得ます。


3.医師が提示した免疫チェックポイント阻害剤が、患者側の希望で処方に至らないケースは約3割



1次・2次治療のいずれにおいても、医師が提示した免疫チェックポイント阻害剤が、患者側の希望で処方に至らなかったケースは約3割でした。その理由として「重篤な副作用が怖い」「治療効果が不安」「医療費が高額で支払いが難しい」などが挙げられています。


[考察]
 
  • 本調査を実施した2018年8月時点では、特に1次治療において、医師から患者へ提示する選択肢は限定されており、患者が主体的に治療を選択しているとは言えない状況であることが確認されました。しかし、免疫チェックポイント阻害剤と化学療法の併用など新たな治療の選択肢の承認や「肺癌診療ガイドライン」の更新など、臨床現場における治療の戦略は複雑化の一途をたどっています。そのため今後は、医師から患者に提示される選択肢が増えることが予想されます。患者にとって提示される選択肢が増えることは重要ですが、それぞれの治療のメリットやデメリットを正しく理解し、自身の希望に沿った選択ができるように、知識を身につけることも重要と言えます。
  • 医師によって提示された免疫チェックポイント阻害剤が、「重篤な副作用が怖い」「医療費が高額」などの理由により患者側の希望で処方に至らなかったケースは、約3割と少なくありませんでした。しかし今後、患者やその家族が治療を選択する機会は増えると予想されます。医療従事者や製薬企業はより一層、患者側の懸念の解消や知識習得のサポートに努め、より良い治療につなげていくことが重要となってくるのではないでしょうか。
分析担当: ファーマ・ソリューション事業部
オンコロジー専門領域グループ
武部 愛

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調査概要
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調査方法:WEBアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:医師
有効回答数:100床以上の病院に勤務している呼吸器内科/外科、腫瘍内科の医師
      計243サンプル
調査実施期間:2018年8月27日~2018年9月3日
調査主体:株式会社アンテリオ ファーマ・ソリューション事業部 オンコロジー領域専門グループ
調査内容:免疫チェックポイント阻害剤治療に関する調査


【株式会社アンテリオ】 http://www.anterio.co.jp/
株式会社アンテリオ(本社:東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 御茶ノ水ソラシティ 13階、設立年月:1994年12月、代表取締役社長:仁司与志矢)は、調査、企画、分析における高度なスキルと豊富な経験・知識をコア・コンピタンスとし、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチに精通したトップカンパニー。インテージグループの一員として健康食品から一般用・医療用医薬品、医療機器までの幅広いヘルスケア領域のあらゆる課題に対して最適な意思決定をサポートしています。
グループ企業の株式会社アスクレップと2019年4月、経営統合し、株式会社インテージヘルスケアとなります。CRO(医薬品開発業務受託機関)とヘルスケア領域のマーケティングリサーチを中核事業とし、新たな付加価値の創出を目指します。

【報道関係のお問い合わせ先】
■株式会社アンテリオ
経営企画部 林(はやし)
TEL:03-5294-8393(代)  E-mail:pr-ant@anterio.co.jp

【本調査に関するお問い合せ先】
■株式会社アンテリオ
ファーマ・ソリューション事業部 オンコロジー領域専門グループ
担当:武部(たけべ)
TEL:03-5294-8393(代)  E-mail:ant-onc@anterio.co.jp
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