コロナ禍とテレワークによる雇用・労働への影響について、総合的な調査結果を発表 テレワーク時の生産性は出社時の84.1%。組織風土・マネジメント次第で生産性向上

副業・兼業したい思いが強くなった人は28.3%。テレワーク頻度が高いと副業意向も高い

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渋谷和久)は、新型コロナ感染拡大が雇用・労働にもたらした影響・実態を定量的に把握することを目的に、テレワーク時の生産性や、副業・兼業、転職などの意向、個人年収の変化、企業の採用計画、失業者・休業者の実態などに関する調査を実施し、結果をまとめましたのでお知らせいたします。

 本調査は、第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(そのうちテレワーク実施率に関する結果は2020年12月16日付ニュースリリース<https://rc.persol-group.co.jp/news/202012160001.html>で公表済み)の「総合分析偏」として発表するものとなります。
  • 調査結果
①     テレワークの生産性

 職場に出勤したときの仕事の生産性を100%としたとき、テレワークしたときの生産性がどのくらいになるかを聞いたところ、全体平均で84.1%となり、職場への出勤時と比べてテレワークでは生産性低下を実感している結果となった。
 また、コロナ対策がきっかけで初めてテレワークを行ったという回答者の生産性は82.2%となったのに対して、以前からテレワークを行っていた回答者の生産性は89.4%と差がある。

                     図表1.テレワークの生産性


②     コロナ禍によるキャリア・就業意識の変化

 コロナ禍により「副業・兼業を行いたい」思いが強まった人は28.3%。テレワーク頻度が高くなるほど、副業・兼業の意向も高くなる傾向がみられる(図表3)。「テレワークできる会社・職種に転職したい」思いが強まった人は17.6%。

 勤務先の都道府県別に、移住意向の思いが強まった割合をみると、最も高いのは神奈川県で16.8%、2位は東京都で16.2%、3位は埼玉県で16.0%、4位は千葉県で15.6%、5位は大阪府で13.9%だった。

 「専門性が高いスキルを身につけたい」思いが強まった人は30.9%と最も高く、「学び直しをしたい」も27.7%おり、コロナ禍によって仕事に対する不安や仕事以外の時間が増したことで、スキル向上や学習意欲向上の契機となったことが伺える。

             図表2.コロナ禍によるキャリア・就業意識の変化


              図表3.就業形態・テレワーク頻度別の副業・兼業意向


➂   業界別の個人年収の変化

 コロナ禍により「宿泊業、飲食サービス業」の個人年収は28.5万円減少と、すべての業界の中で最も下がる見通しとなった。コロナ禍の打撃が最も大きい業界であることが影響している。

                  図表4.業界別の個人年収の変化


④   今後の採用計画

 企業における今後(来年度・再来年度)の中途・新卒採用の計画をみると、いずれも「減らす」が「増やす」を上回っている一方、5割程度の企業は今まで通りとなった。

                   図表5.今後の採用計画


➄    人員の過不足感

 企業における人員の過不足感をみると、従業員全体では「過剰」が9.1%、「不足」が52.5%と不足が大きく上回っている。しかし、中高年(40歳以上)の従業員については、「過剰」な人員になっているとの認識の割合が27.7%となり、「不足」の23.8%を上回った。職種別にみると、事務系が「過剰」な人員になっているとの認識の割合は13.8%となり、他職種よりも顕著に多い。

                   図表6.人員の過不足感


⑥    失業者の不安

 コロナ禍の影響による失業者に「これから仕事が見つかるか不安」かどうかを聞いたところ、約8割が不安を抱えていた。

                図表7.これから仕事が見つかるか不安



➆     休業者への会社からの補償

 休業者に会社からの補償について聞いたところ、何も支払われていない人が14.7%いることが明らかとなった。賃金の全額が補償されている人は20.5%と5分の1にとどまる。

                 図表8.休業者への会社からの補償

 
  • 分析コメント~企業としては生産性向上に努めながら、働き方の選択肢として今後もテレワークを認めるべきだ~(上席主任研究員・小林 祐児)

 今回の調査結果では、テレワーク時における主観的な生産性は出社時に比べて低下していたが、企業の組織風土やマネジメント次第では生産性を高めることができる。テレワーク時の生産性を高める組織の特徴としては、業務プロセスや上司のマインドの柔軟性が高く、結果を重視する志向性を持っていることが挙げられる。逆に生産性を低めていたのは、集団・対面志向が強く、年功的な秩序の組織であった(その他の要素については、図表9参照)。
 コロナ収束後もテレワークを継続したいという正社員の割合は78.6%にも及んでおり(2020年12月16日付ニュースリリースのテレワーク継続希望率より)、企業は働き方の選択肢としてテレワークを定着させるとともに、生産性を上げる工夫を同時に模索していくことが求められる。

 「テレワークで副業が増えた」という情報も耳にするが、今回調査ではコロナ禍により「副業・兼業を行いたい」思いが強まった人は28.3%いるということも裏付けられた。

 コロナ禍による失業者はこれからの仕事探しに大きな不安を感じ、ストレスが高い状況におかれている。今後も、効率的なマッチングや情報提供などの手厚い支援が継続的に求められる。休業者への補償も不十分であり、生活者支援のための各種セーフティネットが継続的に必要な状況が伺える。

                 図表9.テレワークの生産性に影響する要素


※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と明記してください。
 
  • 調査概要


■「パーソル総合研究所」について<https://rc.persol-group.co.jp/>
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

■「PERSOL(パーソル)」について<https://www.persol-group.co.jp/>
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」をはじめ、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも取り組んでおり、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、ITイベント情報サイトおよびイベント&コミュニティスペース「TECH PLAY」、オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」、クラウド型モバイルPOSシステム「POS+ (ポスタス)」などのサービスも展開しています。
 
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