アストラゼネカの子宮体がん患者調査、診断前に経験した自覚症状のトップは不正出血
不正出血が子宮体がんの症状として認識されておらず、自覚症状があっても1カ月以上、受診を先延ばしにしていた患者さんが半数を超えた
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は子宮体がんと診断されたことのある190名を対象に確定診断に至るまでの過程や治療状況、日常生活への影響と子宮体がんに関する知識の実態について調べるインターネット調査(以下、本調査)を実施しました。本調査から、患者さんの多くが不正出血を自覚症状として経験しているにもかかわらず、子宮体がんに対する知識不足があり医療機関の受診遅れにつながっている可能性が示唆されました。
子宮体がんは日本においては、女性のがんで6番目に罹患数が多いがんです。2022年には18,300人以上が診断されており、子宮体がんの罹患数は近年増加傾向にあると言われています(1,2)。早期に発見されることが多いがんであり、ステージが早期の5年生存率は約80~90%となっていますが、進行期においては5年生存率が20%未満に低下することから、早期受診と治療が重要です(3-5)。
≪調査結果サマリー≫
1. 子宮体がんの診断前、医療機関を受診したきっかけは、「気になる症状があったから」が76%と最も多かった。
2. 気になる症状があったと回答した患者さんにおいて、受診のきっかけとなった具体的な症状として、93%が「不正出血」と回答した。
3. 異常が見つかったもしくは症状を感じて婦人科を受診した患者さんの51%が、受診するまでに1カ月以上かかっていた。
4. 異常が見つかったもしくは症状を感じてから婦人科を受診するまでに半月以上時間がかかった理由としては、「不正出血などの症状が子宮体がんと結びつかなかったため受診の必要性を感じなかった」の割合が55%で最も高かった。
5. 診断前に知っていたら良かったと思う知識は「子宮体がんの初期症状」が62%と最も多く、61%の患者さんが診断前により多くの知識を持っていたとしたら、「もっと早い受診につながる」と回答した。
① 子宮体がんの診断前、医療機関を受診したきっかけは「気になる症状があったから」が76%と最も多かった。
子宮体がん診断前の医療機関の受診のきっかけについて伺ったところ、「気になる症状があったから」と回答した患者さんが76%と最も多く、次いで「婦人科がんの検査で異常が見つかった」(10%)、「婦人科系疾患の経過観察中に異常が見つかった」(8%)でした。子宮体がんの特徴として、早期から症状がみられることが多く、自覚しやすい症状であることから、約8割がステージⅠ~Ⅱの早期ステージで診断されています(6)。
② 気になる症状があったと回答した患者さんにおいて、受診のきっかけとなった具体的な症状として、93%が「不正出血」と回答した。
医療機関の受診のきっかけとして、「気になる症状があったから」と回答した患者さんに具体的な症状を伺ったところ、93%が「不正出血」を経験していたことが示されました。不正出血は、子宮体がんの代表的な初期症状であり、帯下(おりもの)に少量の血が混じり褐色に見えるだけの場合もあります。月経時以外で出血を繰り返す場合には、少量であっても放置せずに早めに医療機関を受診することが重要です(7)。
③ 異常が見つかったもしくは症状を感じて婦人科を受診した患者さんの51%が、受診するまでに1カ月以上かかっていた。
異常が見つかったもしくは症状を感じて婦人科を受診した患者さんにおいて、受診までにかかった期間は、「0~2週間後」(37%)が最も多い結果となりました。その一方で、51%が受診するまでに1カ月以上経過したと回答しており、初期から不正出血などの自覚症状が現れることが多い子宮体がんにおいても、診断が先延ばしにされている可能性が示されました。
④ 異常が見つかったもしくは、症状を感じてから婦人科に受診するまでに半月以上時間がかかった理由としては、「不正出血などの症状が子宮体がんと結びつかなかったため受診の必要性を感じなかった」の割合が55%で最も高かった。
異常が見つかったもしくは、症状を感じてから婦人科に受診するまでに半月以上時間がかかった患者さんに、その理由を聞いたところ、「不正出血などの症状が子宮体がんと結びつかなかったため受診の必要性を感じなかった」と回答した割合が55%で最も高く、次いで「忙しくて時間が取れなかった」の26%でした。不正出血は子宮体がんの代表的な初期症状でありながら、その症状が子宮体がんによるものと理解されていないことで早期受診の機会を逸している患者さんがいることが示されました。特に、閉経前は月経周期が乱れやすいものですが、不正出血が続く場合は放置せず受診することが重要です(8,9)。
⑤ 診断前に知っていたら良かったと思う知識は「子宮体がんの初期症状」が62%と最も多く、61%の患者さんが診断前により多くの知識を持っていたとしたら、「もっと早い受診につながる」と回答した。
診断前に知っていたら良かったと思う知識では、「子宮体がんの初期症状」が62%と最も多く、次いで「子宮体がんの発症リスク」の44%でした。子宮体がんの初期症状として最も多くあらわれるのが不正出血であり、さらに病状が進行すると、下腹部の痛みや腰痛、下肢のむくみなども症状として出ることがあります(10)。また、発症リスクとしては、出産経験がないことや、閉経が遅い、肥満がありますが、糖尿病や遺伝性の腫瘍であるリンチ症候群などでも子宮体がんのリスクが高くなることが分かっています(11)。診断前から疾患に関する知識をより多く持っていたとしたら、61%の患者さんが「もっと早い受診につながる」と回答しており、子宮体がんの認知の低さが診断遅れにつながっている可能性が示されました。
調査概要:子宮体がん患者さんにおける、受診前から受診~確定診断~治療の様子、日常生活への影響と子宮体がんに関する知識の実態を把握するためのインターネット調査
調査期間:2024年9月3日~9月15日
調査対象:子宮体がんと診断されたことのある方190名
調査方法:インターネット調査(調査委託先:株式会社メディリード)
調査監修:株式会社リサ・サーナ
調査結果の詳細は、こちらのURLよりご確認ください
https://www.astrazeneca.co.jp/content/dam/az-jp/press-releases/pdf/202502_ec.pdf
以上
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子宮体がんについて
子宮体がんは、子宮の内膜組織から発生する極めて不均一な疾患であり、日本では50~60歳の女性に多くみられます(4,12-14)。
子宮体がん患者さんの大部分は、がんが子宮に限局している早期段階で診断されます(3)。これらの患者さんは、概して手術および/または放射線療法による治療を受け、高い5 年生存率(約80~90%)を示しています(4)。進行した病期(III~IV 期)の患者さんは、通常予後はより不良で、5 年生存率は20%未満に低下します(5)。化学療法と併用した免疫療法は、進行子宮体がんの中でも全患者さんの約20~30%を占めるミスマッチ修復機能欠損を有する(dMMR)患者さんに対する新たな標準治療として浮上しています(15-19)。また、子宮体がん患者さんの70~80%を占めるミスマッチ修復機能が正常(pMMR)な患者さんの新たな治療選択肢には、高いニーズがあります(20,21)。
アストラゼネカの子宮体がん患者さん向け情報サイト
アストラゼネカでは、「子宮体がん.jp」https://www.az-gynecologic-cancer.jp/shikyutaigan/を通じて、子宮体がん早期発見のための検査、子宮体がんの疾患情報・治療についての分かりやすい説明、患者さんのお悩みや疑問点に関するQ&Aといった、患者さんに寄り添った情報を提供しています。婦人科がんに関しては、卵巣がん(「卵巣がん.jp」https://www.az-gynecologic-cancer.jp/ransogan/)、子宮頸がん(「子宮頸がん.jp」https://www.az-gynecologic-cancer.jp/shikyukeigan/)の患者さん向け情報サイトもあります。これら以外にも、さまざまながんの情報サイトを運営しています。がん全般(「がんになっても」https://www.az-oncology.jp/)、肺がん(「肺がんとともに生きる」https://www.haigan-tomoni.jp/)、乳がん(「乳がん.jp」https://www.nyugan.jp)、慢性リンパ性白血病(「CLLライフ」https://www.cll-life.jp/)、肝臓がん(「肝臓がんと『自分らしく』」https://www.az-oncology.jp/kanzogan/)、前立腺がん(「What‘s? 前立腺がん」https://www.zenritsusen.jp/)、胆道がん(「教えて、胆道がん」https://www.az-oncology.jp/tandogan/)。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界で多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebook、Instagram、 YouTubeもフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organization. IARC. Absolute numbers, Incidence, Females, in 2022. Japan.Accessed January 2025.
2. World Health Organization. IARC. Estimated numbers from 2022 to 2050, Females, age [0-85+]. Japan. Accessed January 2025.
3. National Cancer Institute: Surveillance, Epidemiology, and End Results Program. Cancer stat facts: Uterine cancer. Accessed January 2025.
4. Oakin A, et al. Endometrial cancer: ESMO clinical practice guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Annals of Oncology. 2022;33(9):860-877.
5. Cao SY, et al. Recurrence and survival of patients with stage III endometrial cancer after radical surgery followed by adjuvant chemo- or chemoradiotherapy: A systematic review and meta-analysis. BMC Cancer. 2023;23(1):31.
6. 日産婦誌 2023; 75: 1559
7. 公益社団法人日本産科婦人科学会 異常子宮出血と不正性器出血(2025年1月アクセス時)
8. 公益社団法人日本産科婦人科学会 子宮体がん(2025年1月アクセス時)
9. 一般社団法人日本女性心身医学会 月経異常(2025年1月アクセス時)
10. 国立がん研究センター がん情報サービス 「子宮体がん(子宮内膜がん)」(2025年1月アクセス時)
11. 国立がん研究センター がん情報サービス 「子宮体がん(子宮内膜がん) 予防・検診」(2025年1月アクセス時)
12. Dork T, et al. Genetic susceptibility to endometrial cancer: Risk factors and clinical management. Cancers.2020;12(9):2407.
13. American Cancer Society. What is endometrial cancer? Accessed January 2025.
14. 国立がん研究センター がん情報サービス 子宮体部(2025年1月アクセス時)
15. Corr B, et al. Endometrial cancer: Molecular classification and future treatments. BMJ Medicine. 2022;1(1):e000152.
16. US Food & Drug Administration. FDA approves durvalumab with chemotherapy for mismatch repair deficient primary advanced or recurrent endometrial cancer. Accessed January 2025.
17. European Medicines Agency. Imfinzi. Accessed January 2025.
18. US Food & Drug Administration. FDA approves pembrolizumab with chemotherapy for primary advanced or recurrent endometrial carcinoma. Accessed January 2025.
19. Gov.uk. MHRA authorises monoclonal antibody treatment, Jemperli, to be used with chemotherapy for endometrial cancer. Accessed January 2025.
20. Kelkar SS, et al. Treatment patterns and real-world clinical outcomes in patients with advanced endometrial cancer that are non-microsatellite instability high (Non-MSI-high) or mismatch repair proficient (pMMR) in the United States. Gynecologic Oncology Reports. 2022;42:101026.
21. Yang Y, et al. Molecular subtypes of endometrial cancer: Implications for adjuvant treatment strategies. International Journal of Gynecology & Obstetrics. 2024;164:436-459.
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