【KOSEN】 <<国立高専×産業界>> 教育機関主導で半導体人材の“質保証”に挑む
~企業が求める「即戦力」を定量化する、新時代の産学連携検定モデル~

半導体産業の人材ニーズが加速する中、教育機関が主導する画期的な人財育成の仕組みが誕生します。
独立行政法人 国立高等専門学校機構(東京都八王子市 理事長:谷口 功 以下、「高専機構」)は、熊本高等専門学校(熊本県八代市・合志市 校長:髙松 洋 以下、「熊本高専」)を中心に、学生の半導体スキルを産業界が求める水準で評価・認証する検定制度「高専半導体スキル検定(SSKC:Semiconductor Skills for Kosen Certification)」を株式会社サートプロ(東京都渋谷区 代表取締役CEO:近森 満)と共同開発し、令和6年に基礎レベル(Fundamental 0)の初年度実証試験を完了し、今年度より、応用レベル(Fundamental 1)の実証試験を開始します。
本制度の最大の特徴は、教育カリキュラムと産業界のニーズを連動させた点です。既存の資格試験が実務者のスキル評価を目的とするのに対し、SSKCは教育現場に根ざした「質保証システム」として、学生の学びの成果を産業界が求める基準で評価します。
SSKCは、基礎レベルのFundamental 0と応用レベルのFundamental 1の二つのレベルにより構成され、半導体産業に関連する、機械、材料、電気・電子、情報、化学の専門分野を学ぶ学生の履修内容に対応して出題します。これにより、企業は採用時の技術レベルの判断が容易になり、学生は自身の市場価値を明確に把握できます。
全国51校、約5万人の学生を擁する高専のネットワークを活用した、教育と産業の新しい連携モデルです。
なぜ今、SSKCが必要なのか?
■「即戦力」の定義が曖昧だった現実
・企業は「実力のある学生が欲しい」と言うが、その基準は企業ごとに異なる
・学生は「実力がある」と自負しても、それを客観的に証明する手段がない
・採用のミスマッチが、人材不足をさらに深刻化させている現状がある
■教育成果の「見えない壁」を打破
・高専は15歳から5年間の実践的教育で、大学卒業と同程度以上の技術力を養成
・しかしながら、教育内容や到達レベルが外部から見えにくく、企業からの正当な評価が得られにくかった
・「本当にできるのか?」という企業の不安を解消するため、学生の到達レベルを定義する高専と企業の共通言語が求められていた
■2030年には3.5万人の半導体人材が不足する
・TSMC熊本工場をはじめ、国内半導体産業への大型投資が続々
・技術者不足は待ったなしの状況だが、育成には時間がかかる
・教育の質を担保しながら、スピード感を持って人財を育成する仕組みが不可欠
<既存の検討制度との違い>

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項目 |
高専半導体スキル検定(SSKC) |
既存の資格・検定 |
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主体 |
教育機関(全国高専のネットワーク) |
業界団体・国 |
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目的 |
教育成果の質保証と可視化 |
実務能力の認定 |
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対象 |
高専生(在学中の評価) |
主に社会人技術者 |
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教育連携 |
カリキュラムと直結し、PDCAサイクルにより継続的に改善 |
試験のみ |
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特徴 |
産学共創による基準設定 |
既存の業界基準 |
→教育段階から産業界の求める基準を組み込み、卒業時に「企業が求める即戦力」として証明できる、新しい人財育成モデルです。
「学修成果」と「職務能力」をつなぐ指標へ
国立高専では、高専教育によって育成する人財の質を保証するため、技術者に共通して求められる基礎的能力や分野横断的能力を「モデルコアカリキュラム(MCC)※1」として定めています。
SSKCにおいては、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)や一般社団法人 日本半導体製造装置協会(SEAJ)などの半導体関連団体の協力のもと、MCCに含まれる各項目について、現場での重要度や実務との関連性を精査しました。その結果をSSKCの試験問題の設計や出題範囲に反映させています。
この産学連携プロセスを経て設計されたSSKCは、国立高専での学修成果、実務での職務能力の橋渡しの指標となることを目指します。
※1 https://www.kosen-k.go.jp/nationwide/main_super_kosen

“本制度が目指す未来”

この循環により、高専機構は日本の半導体産業に必要な人財を、社会に輩出し続けます。
SSKC実証事業の成果
令和6年度(2024年度)
・基礎レベル(Fundamental 0)の実証試験開始
実施規模: 熊本高専、佐世保高専ほか
対象: 電気・電子、情報、材料、機械、化学系の学生
実施時期: 令和7年2~3月
実施方法: オンライン形式(択一式)
令和7年度(2025年度)
・応用レベル(Fundamental 1)の実証試験開始
実施規模:COMPASS5.0半導体分野の拠点校・実践校に拡大(※2)
対象:電気・電子、情報、材料、機械、化学系の学生
実施時期:令和8年2~3月
実施方法:オンライン形式(択一式)
令和8年度(2026年度)以降のビジョン
・全国51の国立高専で本格運用開始
・半導体教育の全国標準として確立
・企業との連携を深化させ、検定保有者の優遇採用制度の構築を推進
・カリキュラム改善のPDCAサイクルを回し、高専教育の質を継続的に向上
※2 COMPASS 5.0 半導体分野プロジェクトとは
高専機構は令和2年度より、高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業を推進。COMPASS 5.0半導体分野では、令和4年度より本格的に取り組みを開始し、金属シリコンから最終製品まで半導体産業の全体像を統一的に理解、設計できる人財育成を目指しています。
育成する人財像
・トップ人財:最先端技術の研究開発をリードできる人財
・中核人財: 半導体設計・製造の実務を高度に遂行できる人財
プロジェクトの特徴
・産学官連携による最新カリキュラムの共同開発
・地域企業・自治体との実践的な協働教育
・小中学生へのすそ野拡大活動による長期的人財育成モデル構築
URL:https://kumamoto-nct.ac.jp/k-semicon/

■独立行政法人国立高等専門学校機構 理事 梶山 正司 コメント
国立高等専門学校は、60年以上にわたり、日本のものづくりを支える実践的技術者を育成・輩出してきました。その教育を体系化したモデルコアカリキュラムに基づき、基礎力と実践力を兼ね備えた技術者の育成に取り組んでいます。
SSKCは、この高専での学科を横断した半導体の学修成果を、産業界と共有可能な形で示す新たな指標です。設計にあたっては、JEITAやSEAJなどの半導体関連団体と連携し、現場で求められる能力の重要度を踏まえた評価の在り方を検討してきました。
本検定が、教育と産業をつなぐ共通の指標として、半導体人財育成の基盤の一つとなり、学生と半導体産業の橋渡しになることを目指します。
■報道関係者の皆さまへ
本検定制度は、教育と産業の新しい連携モデルとして、日本の半導体産業発展の重要な一手です。以下のような切り口での取材をお待ちしています。
注目の取材テーマ
・教育機関が主導する質保証システムの意義
・TSMC熊本工場など地域産業との連携の実態
・企業の採用現場で何が変わるのか
・全国高専ネットワークによる人財供給の可能性
・半導体人材不足解消への現実的な道筋
取材対応可能な内容
・学生・教員・連携企業へのインタビュー
・検定問題サンプルや評価基準の詳細説明
・カリキュラムと検定の連動事例
・各地域の高専における具体的な取組紹介
【連携機関】
株式会社サートプロ
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする企業です。IoT、DX、生成AI、組込み、クラウドなど、デジタル産業の中核分野において、研修・eラーニング・検定制度の企画運営を一体で提供しています。IoT検定、+DX認定、E検定、超知性ASI検定など、スキルを可視化し証明する仕組みづくりに強みを持ち、企業・教育機関・自治体のDX推進を実践的に支援しています。人と組織の成長を通じて、社会課題の解決と持続可能な産業発展に貢献することを使命としています。
・〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-55-2 大和ビル5F
・代表取締役CEO 近森 満
・URL:https://www.certpro.jp/
【学校概要】
■熊本高等専門学校
ICT技術を共通基盤とし、電子情報系と融合・複合工学系分野を特徴とする高等教育機関。国際的に通用する実践的・創造的技術者の育成と科学技術による地域社会への貢献を使命とし、高専機構の半導体人財育成では佐世保高専とともに拠点校を務める。


・所在地:〒861-1102 熊本県合志市須屋2659-2(熊本キャンパス)
〒866-8501 熊本県八代市平山新町2627(八代キャンパス)
・校長:髙松 洋
・URL:https://kumamoto-nct.ac.jp
■独立行政法人国立高等専門学校機構
全国51の国立高等専門学校を設置・運営。中学卒業生を受け入れ、5年間一貫の技術者教育を実施。実験・実習を重視した専門教育により、20歳の卒業時には大学と同程度以上の知識・技術を習得。卒業生は日本の産業と社会の発展を担う中心的な役割で、約60年にわたり、ものづくり大国である日本を支えている。

・所在地:〒193-0834 東京都八王子市東浅川町701-2
・理事長:谷口 功
・URL:https://www.kosen-k.go.jp/
■高専半導体スキル検定に関する問い合わせ先
独立行政法人国立高等専門学校機構 熊本高等専門学校
総務課 研究・社会連携係(半導体事業担当)
〒861-1102 熊本県合志市須屋2659-2
TEL:096-242-3747
E-mail:semicon@kumamoto-nct.ac.jp
URL:https://kumamoto-nct.ac.jp/
■半導体分野全体に関する問い合わせ先
独立行政法人国立高等専門学校機構
本部事務局 学務課教務係
〒193-0834 東京都八王子市東浅川町701-2
TEL:042-662-3154
E-mail:kyoiku@kosen-k.go.jp
URL:https://www.kosen-k.go.jp/
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