リスクや対策どうしてる? 飲食店の防災調査2025

株式会社シンクロ・フード

飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、飲食店ドットコム会員を対象に、飲食店の防災に関するアンケート調査を実施いたしました。

本調査について

調査概要

調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)

回答数:293

調査期間:2025年8月6日~2025年8月11日

調査方法:インターネット調査

回答者について

本調査にご協力いただいた回答者のうち、69.6%が1店舗運営となっており、店舗の業態は、居酒屋・ダイニングバーを筆頭に多彩に分散しています。また、東京にある飲食店の割合は51.9%(首都圏の飲食店の割合は66.2%)となっています。これらの背景が結果に影響していると推測されます。

調査結果について

飲食店の約68%が自然災害の発生に「不安を感じている」と回答

まず、飲食店運営に関して、自然災害の発生に不安を感じているか聞いたところ、「非常に不安を感じている」(18.8%)、「やや不安を感じている」(48.8%)と67.6%が不安に感じているという結果になりました。一方で、「あまり不安を感じていない」(25.9%)、「全く不安を感じていない」(4.1%)と回答した方は30%に留まっています。

飲食店が抱える「自然災害」への不安

さらに、前の質問で、自然災害発生に「不安を感じている」と回答した方に、具体的にどのような不安を感じているか聞いたところ、様々な意見が寄せられました。

<建物の老朽化・倒壊リスク>

・築年数が古いので、倒壊の危険性 (福井県/洋食/1店舗)

・建物が古く少しずつ傾いていたり穴が空いていたりと色々な箇所でガタが出ているので建物が壊れてしまう可能性がある (東京都/専門料理/1店舗)

・入居しているビルが古く、耐震工事もなされていないため、何かあった時お客様と従業員を安全に避難させられるか心配 (愛知県/カフェ/1店舗)

<自然災害(地震・津波・台風・豪雨)への不安>

・南海トラフ大地震 (愛知県/専門料理/3~5店舗)

・海抜が低いので地震の津波 (福井県/洋食/1店舗)

・川が近いのでゲリラ豪雨の際の浸水 (東京都/その他/1店舗)

<営業継続・売上への影響>

・災害によって休業しなくてはならない状況になった時 (埼玉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・ 売上の減少、客足が遠のく (福岡県/イタリア料理/2店舗)

・停電が長期化すると冷凍・冷蔵庫内の在庫肉が全滅し、数百万円単位の損失が発生する (東京都/焼肉/3~5店舗)

<従業員・顧客の安全確保>

・営業時に発生した際の、お客様の誘導。建物設備が壊れた際の金銭面の不安 (愛知県/カフェ/1店舗)

・従業員とお客様の人的被害と店舗の破損 (神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)

・地震の際に火の元や、避難経路に無事辿り着けるかどうか、お客様を無事誘導できるか等がとても心配 (神奈川県/カフェ/1店舗)

飲食店の約53%が人的災害の発生に「不安を感じている」

次に、飲食店運営に関して、人的災害の発生に不安を感じているか聞いたところ、「非常に不安を感じている」(13.3%)、「やや不安を感じている」(39.9%)と53.2%が不安に感じているという結果になりました。一方で、「あまり不安を感じていない」(41.3%)、「全く不安を感じていない」(3.1%)という回答も。自然災害に比べてやや少ないものの、飲食店運営において人的災害への不安を抱えていることがわかります。

飲食店が抱える「人的災害」への“不安”の詳細

前問で人的災害発生に「不安を感じている」と回答した方に、具体的な不安事項を聞いたところ、下記のような回答がありました。

<火災・ガス事故>

・「らーめん屋なので火災が怖いです。実際火を消し忘れて寸胴を焦がしたことがあります」(東京都/ラーメン/1店舗)

・「厨房火災・油火災の発生。高温のグリルやフライヤーを扱うため、少しの油漏れや清掃不備が大規模火災につながる恐れ」(東京都/焼肉/3~5店舗)

・「ガス漏れからの火事など」(愛知県/専門料理/3~5店舗)

<衛生事故・人的ミス>

・「食中毒や火災」(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・「疲労によるヒューマンエラーをゼロにするのは困難だが、確率を下げる管理をしている」(東京都/フランス料理/1店舗)

・「従業員のガス点検漏れ、悪質なイタズラや犯罪行為」(茨城県/ラーメン/2店舗)

<犯罪・治安リスク>

・「商店街内は深夜でも営業している店もあり、自身が店にいない時間帯は不安が多い」(東京都/フランス料理/1店舗)

・「災害の際の略奪など」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・「特に放火が怖い。全く起こらないとは言えないので不安」(神奈川県/和食/1店舗)

<従業員・顧客の安全>

・「お客様、従業員の被災」(茨城県/和食/2店舗)

・「自分やスタッフ、お客様を守り切ることができるのか、不安です」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

<設備トラブル・外部要因>

・「付近の古い店舗が漏電等で頻繁に小火を出すのでもらい火事」(東京都/その他/1店舗)

・「近隣工事・ガス工事での事故波及。周辺の建設現場トラブルが店舗設備に波及し、断水・停電・ガス遮断が生じるリスク」(東京都/焼肉/3~5店舗)

・「木造モルタル造りなので火が出たら一気に回ってしまいそう」(東京都/専門料理/1店舗)

約67%の飲食店が災害に対する「備えをしている」と回答

次に、運営している飲食店において、災害に対する備えをしているか聞いたところ、「検討の上、十分に備えを行っている」(5.1%)、「不足があるかもしれないが、ある程度は検討・備えをしている」(61.4%)とある程度は災害に対する備えを行なっていることがわかりました。

一方で、「防災については全く検討できていない」という回答が33.4%あり、対応ができていない飲食店が存在することも明らかになりました。

災害に対する備えを行っている/行っていない理由・具体的な内容

さらに、前問でそのように回答した理由および、対策をしている方に具体的な対策事項を聞いたところ、下記のような意見が寄せられました。

<「備えをしている」と回答した方> 

設備・機器・什器固定による防災対策

・自動消火装置付きのコンロを使用している。ガス漏れが起きた際にはアラームが鳴るよう警報機を備えている。 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・防災器具の設置。ガス漏れ装置の設置 (神奈川県/ラーメン/2店舗)

・什器備品が、地震の揺れに対しても耐えられる位置や固定方法に工夫をしている。 (富山県/その他/3~5店舗)

備蓄・非常用物資

・飲み水の確保。非常用食料の確保。カセットコンロ用ガスの備蓄 (東京都/バー/1店舗)

・避難時用の水と食料・災害バッグを準備 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)

・水は2階に30L分備蓄しています。 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

避難・訓練・マニュアル

・お客様の誘導等を日々訓練しています (愛知県/テイクアウト/31~50店舗)

・マニュアルを作成している (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・消化器の使い方のレクチャーをしている。避難経路と、場所の周知をしている。 (京都府/専門料理/1店舗)

保険・補償の整備

・地震保険への加入 (愛知県/専門料理/3~5店舗)

・店舗総合保険加入 (東京都/フランス料理/1店舗)

・保険の拡張など (東京都/専門料理/1店舗)

<「備えをしていない」と回答した方> 

何をすべきか分からない

・何を準備したら良いか分からない (神奈川県/カフェ/1店舗)

・具体的に何をすればいいかわからない (埼玉県/その他/1店舗)

・対策がわからない。普段の生活レベルでは注意はしている。 (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

時間・人員の余裕がない

・日々の運営で精一杯で余裕がない (東京都/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

・人手不足。いつも後回しにしてしまう (東京都/その他/1店舗)

・先延ばしにしてるのが現状です (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

費用・スペース等の制約

・準備だけで費用や場所の負担等が大きいため (東京都/カフェ/2店舗)

・そういうものを置いておくスペースがない。 (東京都/ラーメン/1店舗)

・金がない (東京都/カフェ/1店舗)

必要性を特に感じていない

・特に必要性を感じない (奈良県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

・地域的に今まで災害のない所です (兵庫県/和食/1店舗)

・楽観視しているのが現状 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

半数以上の飲食店が防災対策として保険加入・見直しを実施

続いて、防災対策として飲食店で行っていることを聞いたところ、最も多かった回答は「保険加入・見直し」(53.2%)、半数以上が資金的な備えを実施していることがわかりました。一方で、「ハザードマップ・避難経路の確認」(25.6%)、「従業員との連絡体制構築」(23.5%)、「食材などの備蓄」(19.8%)など、実際の災害時に必要な対策は比較的低い結果となりました。

備蓄で最も多いのは水、4割が「備蓄なし」

また、前の防災対策の選択肢の一つにあった「食材などの備蓄」について、備蓄物資を聞いたところ、最も多かったものは「水」(44.7%)、次いで「食品(従業員用)」「救急用品」(共に27.6%)という結果に。一方で、「備蓄しているものはない」(42.0%)と、約4割の飲食店が備蓄をしていないことが明らかになりました。

63%が災害後の営業継続に向けた準備なし

次に、災害後の営業継続について準備をしているか聞いたところ、「何も準備していない」という回答が63.1%にのぼりました。

「食材・備品在庫」(19.1%)、「従業員の連絡体制」(17.1%)など基本的な対策を講じている飲食店も一定数見られるものの、災害前の防災対策と比較すると、備えが限られている状況であることがわかります。

防災についての工夫や課題

防災について、工夫していることや課題に感じていることを聞いたところ、さまざまな声が上がりました。

<工夫していること>

防災グッズ、設備の準備

・蓄電器とソーラーパネル発電を行えるようにしている。(和歌山県/カフェ/1店舗)

・防災グッズを準備している (埼玉県/バー/1店舗)

・地震の時に鍋が倒れないように点灯防止の器具をつけた (東京都/ラーメン/1店舗)

情報発信・啓発

・阪神淡路大震災被災者で今年が30年の節目なので、神戸市にロゴ使用許可を取り啓発ポスターを掲載しています。(東京都/フランス料理/1店舗)

近隣店舗や行政との連携

・近隣店舗との連携を心がけている (神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・自治体の防災情報を小まめにチェック (福井県/洋食/1店舗)

・行政との連絡強化、行政側と協力し、避難施設としての解放や行政側の備蓄倉庫の使用の解放も契約書を準備中。(東京都/洋食/1店舗)

<課題に感じていること>

何を備えればよいか不明

・そもそもどのような備えをすればよいのか、どうすれば安心できるのかがわからない。(大阪府/和食/51~100店舗)

・実際どのような備えが必要なのかわからないのが課題。(東京都/その他/1店舗)

コスト・スペースの制約

・個人商店くらいの超小規模の事業者では、物資の備蓄場所や防災手段の充実には予算的にも物理的にも難しい部分がある。(東京都/フランス料理/1店舗)

・非常用電源・給水設備のコスト負担。ポータブル発電機や飲料水タンクの導入を検討していますが、初期投資が大きく決裁が進みません。(東京都/焼肉/3~5店舗)

その他

・通信手段が脆弱 (千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・交通インフラが麻痺した場合の従業員が家まで帰れない場合の対応に課題を感じている。(神奈川県/カフェ/6~10店舗)

・災害時の対応について責任者同士で検討したことがあったが、明文化されておらず、災害時にその通り対応できるおか不安。また、メンバーや環境の変化により見直しながら対策を考えないといけないが、つい忘れてしまう。 (東京都/カフェ/2店舗)

行政に対して期待すること

最後に、防災について、行政に期待する支援を聞いたところ、大きく3項目に意見が分かれました。

 <金銭的支援>

・防災対策費用の援助 (東京都/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

・災害発生後の金銭的サポート (埼玉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・復興支援、営業再開の資金と当面の運転資金の支援 (埼玉県/バー/1店舗)

<インフラ整備・情報提供>

・災害時に迅速かつ正確な情報提供や、避難所の整備・運営体制の強化を行政に期待しています。(東京都/フランス料理/1店舗)

・ライフラインの確保。万が一の際、早急に使えるような体制を整えて欲しい。 (愛知県/カフェ/1店舗)

・迅速、正確な情報発信 (京都府/バー/1店舗)

<マニュアルやガイドラインの制定>

・今までの流れでチェックシートなど準備するものなどつくってもらいたい (神奈川県/和食/1店舗)

・飲食店用のガイドラインが欲しい (神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)

・定期的にハザードマップ、備えのマニュアル。起きた場合のアクションなどをマニュアルとして配ってほしい。 (大阪府/和食/51~100店舗)

調査結果の引用時のお願い

・クレジットに「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。

・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」

https://www.inshokuten.com/research/company/)のリンク付与をお願いいたします。

株式会社シンクロ・フードについて

当社は、”多様な飲食体験から生まれるしあわせを、日本中に、そして世界へと広げる”というビジョンのもと、飲食店経営・運営を支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営しています。テクノロジーを最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・情報・サービス」など多様な選択肢をシンプル・スピーディに提供していくことで、飲食業界の発展・関わる人のしあわせに貢献してまいります。

 【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン3階

【代表者】 代表取締役 藤代 真一

【上場市場】 東京証券取引所プライム市場

【URL】 http://www.synchro-food.co.jp/

【運営サイト】 

▼飲食店開業・運営支援のサービス

・飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店ドットコム(https://www.inshokuten.com/home/ )

・飲食業界専門の求人サイト「求人飲食店ドットコム」(https://job.inshokuten.com/ )

・飲食業界に精通した税理士事務所とのマッチング「飲食店ドットコム 税理士探し」(https://www.inshokuten.com/food-accounting/

・SNSショート動画アルバイト求人サイト「グルメバイトちゃん」(https://gourmet-baito-chan.com/ )

▼飲食業界を超えて広がるサービス

・店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/ )

・キッチンカーシェア・マッチングサイト「モビマル」(https://mobimaru.com/ )

・インテリア業界や建築業界特化型の求人情報サイト「求人@インテリアデザイン」(https://job.tenpodesign.com/ )

・農業の求人情報サイト「農業ジョブ」(https://agrijob.jp/ )

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

株式会社シンクロ・フード 広報 今西・大木

Mail:public-relations@synchro-food.co.jp

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会社概要

株式会社シンクロ・フード

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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿南1-7-8 恵比寿サウスワン
電話番号
03-5768-9522
代表者名
藤代真一
上場
東証プライム
資本金
5億1051万円
設立
2003年04月