首都圏の狭小戸建のシェアは5年で約2.7倍に、東京23区の平均価格は7,000万円台
首都圏の新築「狭小戸建」掲載戸数・シェアをLIFULL HOME'Sが調査
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下LIFULL)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、首都圏で物件価格が上昇するなかLIFULL HOME'Sで掲載した首都圏の新築一戸建てにおいて、専有敷地面積が60㎡未満のいわゆる「狭小戸建」の供給戸数とシェアについて調査し、発表します。

東京都内や都内へのアクセスがいい街で新築一戸建てを購入する選択肢は?
近年、首都圏において新築・中古を問わずマンション価格の上昇が続くなか、それでも子育て世代には「都心に近い立地」で「家を持ちたい」というニーズが存在しています。希望を叶える方法として限られた土地を最大限に活用し、延床面積を工夫して設計する「狭小戸建」への注目が高まっています。
今回の調査では、2020年から2025年にかけてLIFULL HOME'Sで掲載した首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の敷地面積60㎡以下の新築一戸建てについて、価格や㎡単価の推移を中心に分析を行いました。併せて、延床面積や敷地面積、平均階数、駅徒歩分などの関連データとともに狭小住宅市場の変化と今後の傾向を明らかにしています。
住まい選びにおいて「立地」「予算」「暮らしやすさ」のバランスに悩む方にとって、本調査が新たな選択肢を検討する一助となれば幸いです。
本調査での延床面積は建物各階の合計の床面積で2階建て住宅の場合、1階の床面積と2階の床面積の合計を指します。敷地面積は土地の広さ、坪単価は物件価格を延床面積で割った値です。
掲載割合:首都圏の狭小戸建のシェアは2020年から5年で約2.7倍に

首都圏における新築一戸建てのうち敷地面積が60㎡未満を「狭小戸建」、60㎡以上を「一般戸建」とし、掲載戸数を調べたところ、2020年の1,011戸から2025年(5月時点)には2,053件と戸数が2倍に、掲載割合は1.2%から3.2%と約2.7倍と狭小戸建の数や割合はまだ僅かですが、少しずつ増加しています。
街別の総戸数TOP10:狭小戸建が多いエリアは都内へアクセスしやすく坪単価が100万円台

2020年から2025年5月までの狭小戸建の掲載件数が最多となったのは川口市(埼玉県)でした。TOP10には大田区、足立区、葛飾区と東京都内の区が続きます。首都圏3県の狭小戸建は、市川市(千葉県)や川崎市幸区(神奈川県)、さいたま市南区(埼玉県)などの、より東京方面に近接した立地で都心へアクセスしやすく、平均価格が4,000万円~5,000万円台で平均坪単価が100万円台のエリアにあることが分かります。
掲載価格:狭小戸建は東京都内や隣接したエリアでのほぼ特有の居住形態、東京23区の狭小戸建は7,000万円超に

平均掲載価格についてみると東京都では、狭小戸建よりも一般戸建が上回っています。なかでも東京23区は2022年以降、狭小戸建は7,000万円台で推移していますが、一般戸建は上昇し続け2025年には1億円台を突破し、価格の差が広がっています。これには東京都内は土地の価格が高いため、敷地面積が広いと物件価格も上がるためです。狭小戸建では、敷地面積が抑えることで土地代を下げ、希望の予算内でも物件が見つかる可能性があります。
また、神奈川県では一般戸建の価格が概ね上回り、狭小・一般戸建ともに4,000万円半ばで推移しています。埼玉県と千葉県では狭小戸建が一般戸建を上回っています。千葉県の狭小戸建は4,000万円台で、市川市などの「より東京方面に近接した立地」で供給がみられます。このことからも狭小戸建は、東京都内もしくは隣接したエリアにほぼ特有の居住形態であることが分かります。
東京23区:“狭さ”を活かす狭小戸建が駅近・予算重視の新しい選択肢へ

2020年以降、物件価格が上昇している東京23区において狭小戸建の敷地面積は平均55㎡前後で安定して推移する一方、延床面積は90㎡前後を維持しています。これは高さを重視して(平均階数2.9階)、居住スペースを確保できているためです。これに対して、一般戸建の敷地面積は70〜75㎡台、延床面積は約100㎡前後で推移し、階数は2.6〜2.7階と狭小戸建よりもやや低めです。
狭小戸建は、一般戸建よりも土地取得コストを抑えながら、3階建てを活用することで延床面積の確保が可能です。都市部で「駅近・利便性重視」「予算を抑えたい」といったニーズを持つ生活者にとって現実的な住まいの選択肢の一つです。
LIFULL HOME'S総研 副所長/チーフアナリスト中山登志朗(なかやま としあき)考察コメント
狭小戸建は敷地がやや狭いだけで延床面積はしっかり確保、コスパに優れタイパ&スぺパも良好

利便性や資産性の高さから都心周辺の新築マンションの価格上昇が止まりません。資材価格と人件費が高騰し、地価も安定上昇していることもあり、2022年以降続く東京23区平均の新築マンション価格が1億円を突破する状況(※)には当面大きな変化はなく、むしろまだ価格が上昇する可能性が高いと考えられます。
このような状況下では都心周辺でファミリー向け住宅を購入することは、極めてハードルが高いと言わざるを得ず、近年では中古マンションも新築マンションに連動して価格が上昇していることから、“第三極”として築年の進んだ物件を一棟フルリノベーションしたマンションも注目されています。同様に、これまでニーズが限定的とされてきた狭小戸建にも都心近郊エリアでは年々注目が集まっており、データの通り首都圏での供給シェアが2025年には3%を突破するまでに拡大しています。
狭小戸建には特に定義はなく、一般に50㎡前後の土地に建築される住宅を指しますが、今回は敷地面積が60㎡未満の新築戸建住宅を対象に、その供給戸数および価格推移などを調査したところ、コロナ明けの2022年以降は居住エリアの郊外化および新築マンションの供給減によって戸建住宅の販売が増加しており、都内では大田区、足立区、葛飾区など、近郊では川口市や川崎市幸区、横浜市港北区など東京都隣接エリアでの狭小戸建分譲が活性化しています。
また、狭小戸建の価格は新築マンション価格が高騰するなかでも上昇が比較的緩やかで、2025年の東京都平均で6,454万円、東京23区平均では7,454万円と比較的手の届きやすい価格帯で販売されています。
狭小戸建は、敷地の容積率・建蔽率を最大限活用し3階建てにするケースがほとんどです。延床面積は概ね90㎡を超えており、敷地は狭くても豊富な収納も得られ、工夫次第で家族のプライバシーを保ちながら快適に生活できるため、コスパだけでなくスぺパにも優れた住宅と言えます。さらに、狭小戸建の駅徒歩所要時間は、東京都平均(2025年)で9.3分なのに対し一般戸建は11.4分ですから駅まで2分以上近く、タイパも良好です。
敷地が狭い=狭小戸建ですが、固定資産税なども軽減でき、上下階への移動を伴うものの実際には新築マンション(2025年東京23区で66.67㎡)よりも広く、住宅のスペックに優れていることが明らかです。
※各年1~5月東京23区新築マンション平均価格&平均専有面積(LIFULL HOME'S総研調べ)
2022年:1億568万円 70.01㎡
2023年:1億943万円 67.83㎡
2024年:1億1,862万円 65.53㎡
2025年:1億4,402万円 66.67㎡
調査概要
・集計対象:LIFULL HOME'Sで掲載された首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で分譲された新築一戸建て
・集計期間:2020年~2025年5月
LIFULL HOME'S について(URL:https://www.homes.co.jp/)

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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