YKK APの総合力を訴求した初の単独展示会「YKK APフェア2024」 における資源循環の取り組み報告

約460点の展示物、展示資材等をリユース・リサイクル

YKK AP株式会社

 YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、東京ビッグサイトにて9月25日から27日の3日間に渡って開催した「YKK APフェア2024」において、“環境との調和”を考え、展示品やブース資材のリデュース・リユース・リサイクルなど環境に配慮した取り組みを行いました。リサイクル・リユース処理が完了しましたので結果を報告します。

■環境負荷低減の取り組み

本フェアは、その規模の大きさから展示物量が多く、実際のシーンをリアルにイメージしていただけるようにビルファサードの実物展示や二階建てや平屋住宅などの大型展示も行ったため、利用資材や搬入・搬出時のトラック利用も多くなる計画でした。

そこで、演出と環境配慮のバランスを取りながら、リユース・リサイクル率の向上に努めました。具体的には、再利用可能な資材の活用、廃棄になる資材削減などによる廃棄物を最小限にする設計の工夫、展示方法や輸送用梱包の最適化などを行いました。また、専門事業者とも意見交換を行いながら、搬入・搬出時の輸送の効率化、リサイクル・リユースなどにも取り組み、環境負荷を可能な限り低減して実施しました。

■取り組み概要

1.紙カタログ・チラシなど、紙資料の使用抑制

紙カタログやチラシは最低限の設置を基本方針とし、商品詳細についてはWEBカタログをご案内し、会場案内として配布した資料は「見どころMAP」として簡潔にまとめることで、紙・印刷塗料の削減を目指しました。運営スタッフが持つマニュアル等の紙資料は、電子化したデータを手元の端末で確認できる運用にしたほか、必要最低限の部数で印刷した資料(234kg/来場者1人あたり約11g)については、会期後に専門事業者にて100%リサイクル処理を行いました。また、来場者に配布した入場用のパスは全て回収し、紙とプラスチックに分類してリサイクル原料にしました。

2.展示商品のリユース
商品の再活用を意識し、可能な限り他の展示会で使用した商品を活用したほか、新規造作物についてはフェア終了後に部署別の展示会やショールーム展示に活用するなどのリユースに向けた運用を計画。展示商品約460点中140点のリユースを実施しました。また、黒部事業所の一部で一般に開放している「丸屋根展示館2号館」で使用していた展示パネルは、今回のフェアで使用後、今後は海外のショールームで活用するなどの積極的なリユースを実施しています。

3.展示造作物の環境負荷低減、展示方法の最適化

床面パンチカーペットの使用を一部のブースでの使用にとどめたほか、壁面印刷出力を抑制してインク使用量を削減しました。各展示ブースは、トラスやシステムパネルなどの再利用可能資材で基礎部分を構築、強度の安定を行い、木材の使用量も最低限に抑えることで排出量を抑えた設計を行いました。
また、壁面造作の有効活用やレイアウト最適化による資源の有効活用や、補強資材や出力経師(造作物の装飾資材)の抑制に努めました。
さらに、適切な量の建材・設備設計や展示会資材の搬入・搬出時の輸送を効率化することで、トラック使用数は計画当初から10tトラック約10台分を削減。輸送時に排出されるCO2の削減につなげました。
演出面ではフェイクグリーンではなく、植栽を積極的に取り入れ、植物の彩りで華やかさと自然との調和を演出しながらも、すべて再利用される方法を検討・実施しました。

4. リサイクルに向けた廃棄物処理の最適化

展示物をリユース・リサイクル・廃棄(エミッションが確定している2商品のみ)の3分類に分けて、リサイクル資材については専門事業者へ処理委託しました。
撤収時に大まかに資材分類を行い、専門事業者の確認や分類が簡単にできるように努めました。また、素材別の分別配置や解体確認を行うことで、収集・分類分けにかかる作業時間を短縮し、燃料使用量の削減や輸送の最適化を実施しました。
処理場では、展示物の素材細分化、リサイクル可否による分類処理のほか、リサイクルできたモノ・できなかったモノとその理由を専門事業者に共有していただきました。

■リサイクル結果
使用した紙資源、展示物資源(展示商品と展示什器などの造作に使用した資材)はリサイクル処理を行いました。紙資源はマテリアルリサイクル(廃棄物を原料として再利用)100%、展示物資源はマテリアルリサイクルが14%、サーマルリサイクル(廃棄物を燃やして熱エネルギーとして回収)が78%、エミッション(埋立など)が8%となりました。

本物の家の様な戸建て2階建展示と植栽の様子
資材を種類別に分けている様子

■今後に向けて

可能な限り再利用可能な資材を使用し、廃棄になる資材削減を行いましたが、結果としては当初の想定よりもサーマルリサイクル率の比重が高くなりました。原因として、大型で異なる2種類の素材を組み合わせた複合材は、解体が難しく、現時点ではサーマルリサイクルまたはエミッション処理を行わないとリサイクル過程の燃料や輸送での環境負荷が高くなってしまう場合があること、木工資材については経師の紙残り、釘やタッカーのステープルなどが付着している場合や木工ボードの加工、使用素材によりチップなどへの再生原料にすることができなかったことなどが分かりました。

当社では、これらの結果や得られた知見を今後の展示会の開催に活かすとともに、資源再利用の取り組みを強化し、さらなる環境負荷の低減を目指していきます。

<参考情報>

「YKK APフェア」概要

YKK APの商品力、技術力を紹介する単独開催の展示会として、住宅、エクステリア、ビル用、産業製品、海外事業といった各事業、各国で展開している商品を約460点展示。未来に向けた価値創造の取り組みを紹介するほか、会場内に高さ約7mのビルファサードを再現した建築実物展示、二階建ての住宅など、理想をかなえるヒントがつまった多数のシーン提案のほか、地球環境への貢献、新たな顧客価値の提供に向けた技術をご紹介しました。様々な専門家や大学教員による業界トレンドやビジネスシーンに役立つ情報紹介セミナー14講演や、施工実演なども実施し、3日間で約21,000名の方々にご来場いただきました。

来場者からは、「YKK APの商品と技術を一度に見る事ができた」や「実物を見ながら説明を聞くことで理解を深めることができた」といった感想や、「施工の容易性・安全性を上げる商品や技術をもっと開発してほしい」「今後一層デザイン性と機能性を両立した商品を開発してほしい」といったご意見をお寄せいただきました。

本フェアで技術に裏付けられた商品や社会課題を解決する技術などをご覧いただくことで、皆さまと共に安全・安心で快適な社会の実現に貢献していけたらと考えています。

YKK APフェアの様子(動画):https://eqm.page.link/3UbS

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会社概要

YKK AP株式会社

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URL
https://www.ykkapglobal.com/ja/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区神田和泉町1番地
電話番号
03-3864-2200
代表者名
魚津彰
上場
未上場
資本金
140億円
設立
1957年07月