【25年7月】住宅購入者と購入検討者に『住宅ローンに関する意識調査』をLIFULL HOME'Sが実施

購入者・検討者ともに前回(25年1月)調査よりも「固定金利」利用が増加。購入者の7割が「払いきれるか不安」も、4割は金利上昇対策をしていない。対策を取らない理由の最多は「特にない/考えたことがない」

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、10年以内に住宅を購入し、住宅ローンを利用中(以降、購入者)の826名と5年以内に住宅を購入し、住宅ローンを利用予定(以降、購入検討者)の1,099名を対象に『住宅ローンに関する意識調査』を実施しました。

住宅ローン利用者と利用予定者は今後の金利動向をどう予測?銀行選びの決め手は?

今日までは「変動金利」を選んだ人の方が、結果的に低金利の恩恵を受けてきましたが、マイナス金利が解除され、金利の上昇圧力が高まりつつあります。

そのような中、住宅ローン利用者・利用予定者は今後の見通しをどのように予測しているのか、また住宅ローン利用予定者はどのような観点で銀行を選ぶのか、購入者・購入検討者双方の意識を調査し、LIFULL HOME'S総研チーフアナリストの中山登志朗(なかやまとしあき)による考察と共に発表します。

調査結果サマリー

  • 住宅ローンの種類:

    購入者・検討者ともに前回(25年1月)調査よりも「固定金利」が増加

  • 住宅ローンの世帯年収倍率:

    購入検討者の「4倍未満」の選択率が過半数に達する

  • (購入者)世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合:

    「3割以上」の割合が前回調査よりも増加。3割以上になると「もっと借入額を減らせばよかった」が「適切だった」を超える

  • (購入検討者)住宅購入に対する意向:

    「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」は前回調査より減少し、「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」が大きく増加

  • 今後1年間の住宅ローンの見通し:

    「上昇」の予測は購入者49.0%に対し、購入検討者69.7%、前回調査よりも乖離広がる

  • 住宅ローンを払いきれるかの不安について:

    不安を抱いているのは購入者69.9%に対し、検討者93.2%。前回調査よりも乖離広がる

  • 金利の上昇対策:

    何かしらの対策をしているのは6割。対策を取らない理由の最多は「特にない/考えたことがない」

  • (購入検討者)銀行の選び方:

    「金利の低さ」「保障付き」「借入可能期間」は年配層、「ペア団信」は若年層が支持

【住宅ローンの種類について】購入者・検討者ともに前回(25年1月)調査よりも「固定金利」が増加

購入者には現在組んでいる住宅ローンの種類、購入検討者には検討している住宅ローンの種類について聞いたところ、共に「変動金利」が最多となった一方で、その割合は購入者が64.1%(25年1月調査(以下「前回調査」):69.7%)、購入検討者が56.0%(前回調査:57.3%)と前回よりも選択割合が低くなりました。

購入検討者の金利上昇への懸念は依然として強く、購入者でも同様の不安から一部固定金利への借り換えが発生している状況がうかがえます。

【住宅ローンの世帯年収倍率】購入検討者の「4倍未満」の選択率が過半数に達する

住宅購入者には住宅ローンを世帯年収の何倍で借り入れているか、検討者には何倍で借り入れる予定かを聞いたところ、購入者は「4倍以上5倍未満」が最多になったのに対し、購入検討者は「3倍以上4倍未満」が最多と、前回調査と同様の結果になりました。両者を見比べると、「4倍未満」までは購入検討者の方が回答割合が多く、「4倍以上」になると(「6倍以上7倍未満」を除き)購入者の回答割合が上回るのも前回調査と同じ傾向です。

一方で、前回調査では購入検討者の2位は「4倍以上5倍未満」(前回調査:20.0%、今回調査:18.3%)だったのに対し、今回調査は「2倍以上3倍未満」(前回調査:17.2%、今回調査:19.5%)となりました。購入検討者は「4倍未満」の選択率が半数を超え(前回調査:49.1%、今回調査:52.5%)、多額を借り入れることへの不安が増大していることが推察されます。

【(購入者)世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合】「3割以上」の割合が前回調査よりも増加。3割以上になると「もっと借入額を減らせばよかった」が「適切だった」を超える

住宅購入者に対し、世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合を聞いたところ、前回調査と同様に最も多かったのが「2割以上3割未満」(37.8%)、その後に「1割以上2割未満」(32.8%)となり、「1割以上3割未満」が約7割を占めました。

一方で、「3割以上」の選択割合が前回調査:18.1%に対し、今回調査:21.7%と増加しており、金利上昇の影響を受けて生活費が圧迫されている様子がうかがえます。

続いて、世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合別に借入額に対する意識を調査しました。世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合が「1割以上2割未満」では「もっと減らせばよかった」の割合は17.7%だったのに対し、「2割以上3割未満」になると24.5%、「3割以上」になると39.1%にまで増加しました。

前回調査と比べると住宅ローン返済額の割合が1割以上を占める方々の「もっと借入額を減らせばよかった」の割合が増加しています。

【(購入検討者)住宅購入に対する意向】「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」は前回調査より減少し、「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」が大きく増加

購入検討者に対し、住宅購入に対する意向を聞いたところ、「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」と「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」(41.9%)が同率トップとなりました。

前回調査と比べると「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」は-6.0ptと下がった一方で、「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」は+8.3ptと大幅に増加しています。また、「住宅価格の高騰が収まってから買いたい」の割合も前回調査から4.6pt増加しており、住宅ローン金利の上昇は規定路線とし、住宅ローン控除や住宅価格へ意識を切り替えている人が一定数いることがうかがえます。

【今後1年間の住宅ローンの見通し】「上昇」の予測は購入者49.0%に対し、購入検討者69.7%、前回調査よりも乖離広がる

購入者・購入検討者双方に対し、今後1年間の住宅ローン金利の見通しについて聞きました。「上昇」(「何かをきっかけに大きく上昇する」「ゆるやかに上昇する」計)の予測をした割合は購入者が49.0%(前回調査:48.1%)、購入検討者は69.7%(前回調査:68.3%)となりました。購入者・購入検討者ともに「上昇」予測の割合は前回調査よりも増加していますが、増加割合は購入検討者の方が大きく、乖離は一層広がりました。

【住宅ローンを払いきれるかの不安について】不安を抱いているのは購入者69.9%に対し、検討者93.2%。前回調査よりも乖離広がる

購入者・購入検討者双方に対し、住宅ローンを払いきれるかの不安があるかどうかについてたずねたところ、「大いに不安がある」と回答した購入者は24.7%(前回調査:18.7%)だったのに対し、購入検討者は57.4%(前回調査:50.2%)と過半数を占めました。前回調査と比較すると購入者+6.0pt、購入検討者+7.2ptといずれも大幅に増加しています。不安を抱いている割合(「大いに不安がある」「やや不安がある」計)は購入者が69.9%(前回調査:67.8%)に対し、購入検討者は93.2%(前回調査:90.1%)となり、前回調査よりも乖離が大きくなりました。

【金利の上昇対策】何かしらの対策をしているのは6割。対策を取らない理由の最多は「特にない/考えたことがない」

「固定金利(全期間固定型)」以外の住宅ローンを利用している購入者に対し、金利の上昇に備えて行っていることを聞いたところ、何かしら対策をしているのは60.7%となり、完済への不安はありつつも、対策を打てていない人が一定数いることがわかりました。最も多かった対策は「新NISAやiDeCo」(33.8%)、「預貯金」も3割いた一方で、「繰り上げ返済」は16.1%しかおらず、経済の不透明感が強まる中、現金を保有しておきたいという意向がうかがえました。

金利の上昇に備え、「特に対策はしていない」と回答した人に対しその理由を聞いたところ、最も多かったのが「特に理由はない/考えたことがない」(49.6%)、続いて「対策をどう取るべきか判断がつかないから」(26.8%)となりました。「そこまで金利は上がらないと思うから」(5.9%)、「金利が上がっても金銭的に余裕があるから」(4.3%)はいずれもごくわずかとなっており、金銭的な余裕がある訳でも楽観視している訳でもないものの、対策については考えられていないという状況がわかりました。

【(購入検討者)銀行の選び方】「金利の低さ」「保障付き」「借入可能期間」は年配層、「ペア団信」は若年層が支持

購入検討者に対し、住宅ローンを選ぶ際に魅力的に感じるものを聞いたところ、年齢が高くなるほど選択率が高くなったのが「金利の低さ」(20代32.9%、30代52.0%、40代58.2%)、「保障付き(3or8大疾病・ガン保障特約団信など)」(20代36.2%、30代37.6%、40代43.4%)、「借入可能期間」(20代19.8%、30代26.2%、40代26.8%)でした。「初期費用の低さ」(20代48.3%、30代46.2%、40代47.5%)は年代関係なくニーズがあり、「ペア連生団信(どちらか一方が亡くなったりした場合などに、夫婦両方の住宅ローン残債が保険金によって免除される団信保障)」(20代41.5%、30代38.0%、40代37.3%)は若年層ほど選択率が高くなりました。

※参考:これまでの住宅ローン調査

2025年1月実施:https://lifull.com/news/40598/

2024年7月実施:https://lifull.com/news/34544/

2024年1月実施:https://lifull.com/news/30457/

2023年4月実施:https://lifull.com/news/26914/

<考察>LIFULL HOME'S総研 副所長/チーフアナリスト 中山登志朗(なかやまとしあき)

住宅ローン金利上昇を前提として借り入れを検討しつつも特段の金利上昇対策なし

年2回実施している「住宅ローンに関する意識調査」ですが、今回は特に住宅ローン金利の上昇局面に対する不安が反映される一方、対策については何もしていないケースが多くを占めることが明らかになりました。

変動金利が連動する短期プライムレートやTIBORも固定金利が連動する長期金利(新発10年物国債の金利)も2024年以降緩やかに上昇し続けており、2025年以降はその上昇傾向が顕著です。金利動向および金融政策については、今後も注意深く見ておく必要があり、状況に応じて借り換えや繰り上げ返済などの対応策を取ることをご検討いただきたいと思います。

調査結果の通り、金利水準が低い変動金利での借り入れを希望される購入検討者が依然多くを占めていますが、その割合は56.0%(前回から-1.3ポイント)と金利上昇懸念を踏まえて僅かに低下し、相対的に固定金利での借り入れを考えている購入検討者は合計44.0%(同+1.3ポイント)に増加しています。金利がまだ低いうちに固定で借り入れようという意向が強まっていることが明らかです。

また、毎月の返済額が世帯月収に占める割合も、3割以上というユーザーが前回の18.1%から21.7%へと増加しており、物件価格の高騰によって生活費に占める住宅ローン返済額が膨らみ始めている状況が浮き彫りになり始めています。

しかし、このように金利上昇局面であることを認識し、返済を継続することに「大いに不安がある」と回答した購入検討者の割合が57.4%へと拡大している状況であるにもかかわらず、前回調査同様、金利上昇対策は「特に何もしていない」との回答が最多の39.3%(同+1.5ポイント)を占めていることは衝撃的な結果と言えます。さらに、前回調査を踏まえ「対策していない理由」を尋ねたところ、最も多かったのは「特に理由はない/考えたことがない」の49.6%でした。これは物件購入前に詳細に比較検討して住宅ローンを選択し、審査を経て返済が始まると、金利上昇は考慮せず粛々と返済し続けるユーザーが少なくないということです。住宅ローン減税で10年もしくは13年間元本の0.7%が控除され、補助金制度もあって“お得感”が当面継続しますから、敢えて考えないようにしている可能性もあります

調査概要

期間:2025年7月1日 ~ 7月8日

調査対象者:

(購入者)10年以内に家を購入しており、住宅ローンを利用中の25~49歳

(購入検討者)5年以内に家を購入する予定があり、住宅ローンを利用予定の25~49歳     

調査方法:インターネット調査

有効回答数:購入者826人、購入検討者1,099人

※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が 100%にならない場合があります。

LIFULL HOME'S について(URL:https://www.homes.co.jp/

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。

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会社概要

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月