精神・発達障がい者の職場定着に7割が課題を実感、理由は“指示の伝え方”などコミュニケーションの難しさ

大・中小企業別に見る精神・発達障がい者雇用における実態調査(定着編)

レバレジーズ株式会社

レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」( https://worklear.jp/)は、障がい者雇用の担当者対象に、近年増加傾向にある精神・発達障がい者の雇用について、入社後の定着についての課題や具体的な取り組みに関する実態調査を実施しました。

■本調査における企業規模の定義

中小企業:従業員数~999人以下の企業を指す

大企業:従業員数1000人以上の企業を指す

<調査サマリ>

  1. 精神・発達障がい者の職場定着に壁、7割の企業担当者が課題を実感

  2. 精神・発達障がい者の早期離職防止の取り組み、大企業では6割止まり

  3. 精神・発達障がい者の就労、企業の最大の壁は「合理的配慮」と「社内理解」

1.精神・発達障がい者の職場定着に壁、7割の企業担当者が課題を実感

 障がい者雇用を実施している企業の担当者に、「精神・発達障がい者の定着に関して課題を感じるか」と聞くと、約7割の採用担当者が「非常に感じている(23.1%)」と「どちらかというと感じている(45.5%)」と回答しました。

課題を感じる理由として、1位は「コミュニケーションが難しいから(44.9%)」、次いで、「体調変動に応じた業務量や勤務時間の調整が難しいから(41.1%)」「既存社員の障がいへの理解が不足しているから(39.3%)」と続きました。

精神・発達障がいは、外見から特性や必要な配慮が見えにくいため、柔軟な業務の調整に加えて、職場でのコミュニケーションや周囲の理解不足が課題となっていることが分かります。

企業規模別に見ると、中小企業では大企業に比べて「職場環境の整備が不十分」や「適切な評価制度の構築ができていない」「相談体制が不足している」といった、物理的・制度的な基盤に関する課題が、より多く挙げられました。

大企業では「体調に応じた業務量や勤務時間の調整が難しい」、「障がい特性に合わせた教育・研修制度が不足している」といった理由が挙げられました。雇用する障がい者の数が多い分、一人ひとりの障がい特性に合わせた配慮が行き届いていない現状がうかがえます。

2.精神・発達障がい者の早期離職防止の取り組み、大企業では6割止まり

 精神・発達障がい者の早期離職を防ぐための取り組みについて「取り組んでいる」と回答した企業は、中小企業で53.5%、大企業では63.3%に留まりました。

精神障がい者の入社後1年以内の定着率は49.3%と他の障害種別と比較して低い※1一方、約半数の企業は精神・発達障がいがある従業員の定着に取り組めていないことがわかります。

※1 2017年4月,独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究(3貢)」( https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/p8ocur0000000nub-att/houkoku137.pdf )

具体的な取り組みは、企業規模に関わらず「定期的な面談の実施」や「採用前の配属先上司や既存社員との面談」が上位を占めました。

特に、中小企業では「採用前の配属先社員との面談の実施」や「必要な合理的配慮の確認」などの入社前の施策に、大企業では、「定期的な面談の実施」や「オンボーディングの実施」といった、採用後の取り組みに力を入れていることが分かります。

3.精神・発達障がい者の就労、企業の最大の壁は「合理的配慮」と「社内理解」

 「障がい者が働くうえで不足していると感じるもの」について聞いたところ、1位は「障がい特性に合わせた合理的な配慮(40.4%)」、次いで「業務内容の適性を見極めること(38.5%)」「社内の理解(35.9%)」と続きます。

一人ひとりに合わせた配慮やフォローが求められる中で、企業側が具体的な対応策や判断基準に迷うケースが多く、現状の施策が適切であるという確信を持てていないことが伺えます。

企業規模別で比較すると、中小企業は「社内の理解」「相談しやすいサポート体制」「キャリア形成の制度・機会」を大企業よりも不足していると感じています。

大企業では、中小企業よりも相対的に「業務内容の適性を見極めること」や「柔軟な出勤体制を構築すること」が足りないと感じているようです。

<ワークリア事業部責任者・津留有希子氏からの一言>

 今回の調査を通じて、企業の規模や組織体制によって、精神・発達障がい者の定着支援における課題や優先される取り組みは異なることが明らかになりました。

中小企業では、職場環境の整備や相談体制の構築といった制度の基盤づくりが課題として挙げられます。一方で、大企業では、障がい特性や体調の変動に応じた柔軟な個別配慮が主な課題です。

また、精神・発達障がいの特性は外見からは分かりづらく、配慮の必要性が周囲に伝わりにくいという難しさも共通して見受けられます。社内の理解不足も依然として大きな壁となっているようです。

特に、正解が見えにくいとされる「合理的配慮」については、担当者が判断に迷う場面も少なくありません。有効な手段として、他社の成功事例を参考にしたり、同じような課題に取り組む企業間で情報交換を行ったりすることが挙げられます。

福祉業界は、地域や行政、支援機関といった社会資源が比較的充実しており、障がいのある方を多角的に支援できる体制が整っています。このネットワークを活用することで、企業や担当者だけで課題を抱えこむことなく、障がい者雇用をよりスムーズに進めていくことが期待できるでしょう。

◆津留有希子氏・プロフィール

中途採用事業本部 ワークリア事業責任者

立教大学コミュニティ福祉学部(社会福祉士取得)卒業後、2020年レバレジーズ新卒入社。

若年層領域に特化したハタラクティブの法人営業に従事し、2年目には名古屋支店の拠点長を歴任。同年に全社のベストセールス賞を受賞。

2023年よりワークリア事業部サービス責任者に。就任後2年間で組織を180%拡大、従業員定着率90.7%を達成。

<調査概要>

調査対象:精神・発達障がいをお持ちの従業員を採用している担当者156名

調査年月:2025年4月25日~30日

調査方法:インターネット調査

回答者数:156人

調査主体:レバレジーズ株式会社

実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社


ワークリア( https://worklear.jp/


ワークリアは、世の中の障がい者、障がい者雇用を活性化することを目指して、未経験・就業経験の少ない方を雇用し、育成するサービスです。人材紹介サービスによるキャリア支援を中心に、企業における障がい者雇用のコンサルティング、交流機会の提供を行っております。

Leverages Group( https://leverages.jp/ 

本社所在地 :東京都渋谷区渋谷二丁目24-12 渋谷スクランブルスクエア24F/25F

代表取締役: 岩槻 知秀

資本金  : 5,000万円

設立   : 2005年4月

事業内容 : 自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業、システムコンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、DX事業、メディカル関連事業、教育関連事業

社会の課題を解決し関係者全員の幸福を追求し続けることをミッションに、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&A・不動産の領域で国や業界をまたいだ問題解決を行なっています。2005年の創業以来、黒字経営を継続し、2023年度は年商1149億を突破しました。各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指します。


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会社概要

レバレジーズ株式会社

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URL
http://leverages.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号  渋谷スクランブルスクエア24F/25F
電話番号
03-5774-1632
代表者名
岩槻 知秀
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2005年04月