リサイクルアルミ使用比率100%のアルミ建材「Re・AL」受注開始

住宅やビル建築の環境価値向上と製造時のCO₂排出量削減に貢献

YKK AP株式会社

 YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、リサイクルアルミを100%使用したアルミ建材「Re・AL(リ・アル)」を使った物件対応を開始します。

 「Re・AL」は、市中リサイクル材と社内の製造過程で生じる端材(社内リターン材)を使用した、リサイクル使用比率100%の窓やカーテンウォールなどに使用されるアルミ形材です。ビルの建築時にリサイクルアルミを使って製造した「Re・AL」を採用いただくことで、建材の環境への影響を定量的に示すことが可能になり、建物の環境価値向上と製造時のCO₂排出量削減に貢献します。

     「Re・AL」対象商品イメージ

 世界的に脱炭素へ向けた取り組みが加速する今日、建築業界では低炭素建材の需要が急速に高まっています。また、エネルギーの運用時(オペレーショナルカーボン)のCO₂排出削減だけでなく、建材の製造、建物の建築、解体・廃棄など、製品や建物の全生涯(ライフサイクル)を通じた全てのCO₂排出(ライフサイクルカーボン)を把握し、削減する取り組みが不可欠になっています。YKK APではリサイクルアルミの使用比率向上を目指しており、既存の住宅用・ビル用全商品のリサイクルアルミ使用比率は2025年度推定値が平均で60%になっています。

 そしてこの度、新地金を使用せず100%リサイクルアルミを使用することで、新地金を製錬する際のエネルギー消費を抑えた「Re・AL」を使った物件対応を開始します。「Re・AL」は第三者検証の環境製品宣言「SuMPO EPD」を取得(※)しており、既存の弊社商品に比べて原材料調達・輸送・製造に至るまでのライフサイクルを通したCO₂排出量を73%削減することが可能です。建築物の環境価値の向上に優先的に取り組む建材や自社商材を中心に、非木造建築向けビル用商品(窓、カーテンウォール)の受注生産対応からスタートしていきます。

 自社物件では既に、2024年10月に竣工した「YKK AP30ビル」および同年11月に竣工した「YKK AP技術館」でリサイクルアルミ100%の窓、カーテンウォールを採用しました。また、三井不動産レジデンシャル株式会社の新築マンション(2027年2月28日竣工予定)において「Re・AL」が採用されることが決まっているほか、既に多数のお客様から問合せをいただいております。

■「Re・AL」について

「Re・AL」は、市中リサイクル材と社内リターン材から製造された製品ですが、新地金を使用した製品と同等の品質・機能を有しています。品質・機能を維持するためには合金成分の管理が重要です。特に市中リサイクル材に関しては、アルミとは異なる異種金属や異物、同じアルミでも合金成分が異なる合金種を選別・除去し、成分が特定できる材料を厳選して使用しています。

市中リサイクル材や社内リターン材の溶解は、新地金と比較して酸化による減耗ロスや溶解時間延長などの製造ロスが生じます。そこで2023年9月に四国製造所にリサイクル専用炉を導入し、製造ロス低減に向けた技術開発を進めています。また、市場での市中リサイクル材の使用増加に伴い、成分が特定できる材料だけでは生産量を賄えない状況です。そこで、「合金中の不純物を取り除くためのアップグレードリサイクル技術の創成」、「市中リサイクル材の分別による市中リサイクル材の製造プロセス確立」などの技術開発を大学や他企業と共同で進めています。

■環境負荷低減効果

軽量でさびにくい性質をもつ「アルミニウム」は、ボーキサイトと呼ばれる鉱石から製錬される段階で大量のエネルギーを使用します。一方で、リサイクル材を使用した場合はエネルギーが少なくて済むため、ボーキサイトから新しくアルミ地金(新地金)をつくる場合に比べ原材料ベースでCO₂排出量を97%削減できます。これにより、「Re・AL」は新地金も使用する弊社の既存のアルミ建材と比べ、原材料調達・輸送・製造に至るまでのライフサイクルを通して排出するCO₂排出量を73%削減し、カーボンニュートラルの実現に寄与します。

■「Re・AL」採用物件

物件名:(仮称)東京都渋谷区代々木二丁目計画

竣工:2027年2月28日(予定)

施主:三井不動産レジデンシャル株式会社

構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上8階・17戸

対象商品:「EXIMA 31」、「BGE 31」

【概要】

名称

「Re・AL」

対応商品

住宅・ビル用商品全般(受注生産対応)

対応地域

全国

受注開始日

2025年10月31日

受注目標金額

2027年度:15億円

※:「SuMPO EPD(旧名称:エコリーフ)」は、一般財団法人サステナブル経営推進機構が運営するLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて製品のライフサイクル全体(原料調達から廃棄・リサイクルまで)にわたる環境負荷情報を定量的に開示する環境ラベルです。「Re・AL」はこの第三者検証を取得しています。(https://ecoleaf-label.jp/epd/2271

<参考情報> 

YKK APのアルミリサイクルの取り組み紹介

カーボンニュートラル実現に向けて

窓メーカーによるアルミリサイクル率100%への挑戦

https://www.ykkapglobal.com/ja/stories/20240206

富山大学との共同研究講座を設置

アルミニウムの資源循環とカーボンニュートラル実現に向けた研究開発を加速

https://www.ykkapglobal.com/ja/newsroom/releases/20250728

<お客様からのお問い合わせ先>

YKK AP株式会社 お客様相談室

一般のお客様 TEL:0120-20-4134

建築・設計関係者様 TEL:0120-72-4134

https://www.ykkap.co.jp

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会社概要

YKK AP株式会社

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URL
https://www.ykkapglobal.com/ja/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区神田和泉町1番地
電話番号
03-3864-2200
代表者名
魚津彰
上場
未上場
資本金
140億円
設立
1957年07月