【岡山大学ヘルスイノベーション】Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)Vol.103発行

国立大学法人岡山大学

岡山大学の強みのひとつである医療系およびその関係分野のイノベーション成果を、より世界の多くの一般の方々に目にして頂くために、国際情報発信Webレター「Okayama University Medical Research Updates」Vol.103を発行しました!
2022(令和4)年 9月 10日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
 



◆閉じ込め空間を用いた新しい化学気相成長法により、原子レベルに薄い半導体材料(遷移金属ダイカルコゲナイド、TMDC:Transition Metal Dichalcogenide)の大面積・高品質合成に成功
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)は、2022年9月9日、岡山大学の強みのひとつである医療系分野の研究開発の成果について、革新的な技術に橋渡すことのできる基礎研究や臨床現場、医療イノベーションなどに結びつく成果などを英語で世界のみなさんなどに届けるWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.103を発行しました。

 本号では、学術研究院自然科学学域(工)の鈴木弘朗助教と本学大学院自然科学研究科博士前期課程2年の橋本龍季大学院生らの研究グループが成功した、閉じ込め空間を用いた新しい化学気相成長法により、原子レベルに薄い半導体材料(遷移金属ダイカルコゲナイド、TMDC:Transition Metal Dichalcogenide)の大面積・高品質合成についての成果を紹介しています。

 TMDCは原子3つ分の厚みの半導体材料で、機械的柔軟性に加え、優れた電気・光特性を持つことから、次世代のフレキシブル光電子デバイスへの応用が期待されています。この応用を実現するためには、高品質なTMDCを大面積で合成するための手法が必要不可欠です。今回の研究では大面積・高品質なTMDCを合成するユニークな手法を提案し、TMDCの成長機構の詳細を明らかにしました。

 また、合成したTMDCを使用した光電子デバイスを作製し、優れた電子デバイス特性を示すことを明らかにしました。TMDCのフレキシブルな光電子デバイスは、今後はヘルスケアのウェアラブルデバイスやIoE(Internet of Everything)の発展に大きく寄与します。
 

(a) マイクロリアクタ内部でのTMDC成長の模式図
(b) サイズの大きな単層WS2結晶の顕微鏡写真
(c) 巨大単結晶WS2が成長しシリコンウェハの写真
(d) WS2/MoS2面内ヘテロ構造の顕微鏡写真。挿入図はWS2/MoS2面内ヘテロ構造の模式図
 

異なる合成温度(上段: 820℃、下段: 900℃)で合成したWS2の顕微鏡写真と発光特性マッピング。左から発光ピーク面積、発光エネルギー、半値幅
 

(a,b) 単層WS2をチャネルに用いたFETデバイスの (a) 模式図と(b) 光学顕微鏡写真
(c) FETデバイスの伝達特性
(d) 異なるゲート電圧印可時の光応答特性

   

本号で紹介した研究成果を担当した学術研究院自然科学学域(工)の鈴木弘朗助教と橋本龍季大学院生(右)本号で紹介した研究成果を担当した学術研究院自然科学学域(工)の鈴木弘朗助教と橋本龍季大学院生(右)


◆Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)
 2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産、技術移転活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行して来ました。またAAAS(American Association for the Advancement of Science)が提供する、世界最大規模のオンラインニュースサービス「EurekAlert!」を利用し、世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者などにニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信の強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
 岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示すリサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学を構築し、「岡山から世界に新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学」となるため、強みある医療系分野やその関係する分野の国際的な情報発信を力強く推進しています。今後も本学から生み出される成果を産学官民共創のオープンイノベーションの加速や社会、医療現場やヘルスケアに活かせる革新的技術、健康維持増進により早く届けられるように研究開発を推進していきます。
  なお、本号で取り上げた鈴木弘朗助教らとの共同研究等も随時、受け付けています。ご興味ご関心のある際は、お気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。


◆OU-MRUバックナンバー(Vol.95~Vol.102)
・Vol.95:Liquid biopsies: A new avenue for detecting cancer in the blood (学術研究院医歯薬学域(医)藤原智洋助教)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10564.html
・Vol.96:Automated cell image analysis (資源植物科学研究所 長岐清孝准教授)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10772.html
・Vol.97:Artificial intelligence helps to determine cancer invasion (学術研究院医歯薬学域(医)河原祥朗教授)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10859.html
・Vol.98:Okayama University launches clinical trials of a jawbone regeneration therapy using human BMP-2 transgenic protein derived from Escherichia coli (学術研究院医歯薬学域(歯)窪木拓男教授)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10950.html
・Vol.99:A rapid flow process that can convert droplets into multilayer polymeric microcapsules (学術研究院自然科学学域(工)渡邉貴一研究准教授)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10983.html
・Vol.100:Understanding insect leg regeneration (学術研究院医歯薬学域(医)板東哲哉講師)
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id11026.html
・Vol.101:Oral tumor progression mechanism identified (学術研究院医歯薬学域(歯)河合穂高助教)
 http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id11039.html
・Vol.102:Controlled cell death by irradiation with light (学術研究院医歯薬学域(薬)須藤雄気教授)
 http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id11087.html
 


◆参 考
・岡山大学大学院自然科学研究科
 https://www.gnst.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学 工学部
 https://www.engr.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学大学院自然科学研究科 林靖彦研究室
 https://hayashi-lab.org/


◆参考情報
・「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」バックナンバー
 https://www.okayama-u.ac.jp/eng/research/ou-mru.html
・岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/
・EurekAlert!
 https://www.eurekalert.org/
 

 

岡山大学津島キャンパス(岡山市北区)岡山大学津島キャンパス(岡山市北区)



◆本件お問い合わせ先
<本研究報告に関するお問い合わせ先>
 岡山大学 学術研究院 自然科学学域 助教 鈴木弘朗
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 工学部3号館
 TEL:086-251-8133
 FAX:086-251-8133
 https://hayashi-lab.org/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年9月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000846.000072793.html

 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
 岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

 

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
電話番号
086-252-1111
代表者名
那須保友
上場
未上場
資本金
-
設立
1949年05月