パルシステム「水産産地交流会」を石川・富山で開催 能登の復興から、日本の水産業の未来を共創する。
全国15産地が「持続可能な海」へ協議
パルシステム生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、理事長:渋澤温之)は、2025年10月15日(水)と16日(木)、石川県および富山県で「第6回水産産地交流会」を開催しました。水産分野の産直提携産地15団体と関係者が集まり、能登半島地震からの復興の現状と課題を共有するとともに、気候変動による不漁や担い手不足といった共通課題の解決に向け話し合いました。

交流会は、10月15日(水)に産直提携産地の石川県漁業協同組合(JFいしかわ、本部:金沢市、中田亨・代表理事組合長)、16日(木)は魚津漁業協同組合(JF魚津、本部:富山県魚津市、濱住博之・代表理事組合長)を会場に開催し、産直提携産地やパルシステム連合会役職員など52人が出席しました。海外産直産地として、インドネシアから「エコシュリンプ」を供給するオルター・トレード・ジャパン(ATJ、本社:東京都新宿区、山下万里子・代表取締役社長)が初めて参加しました。
能登の海から、未来へつなぐ「食べて応援」の輪
2024年1月の能登半島地震以降、パルシステムでは「能登半島地震緊急支援募金」をはじめ、被災した産地の水産物を使用した「産地応援!」商品の開発・利用を通じて、生産者の事業継続を応援してきました。交流会では、全国から集まった産地関係者が、石川県漁協の復興状況について説明を受け、今なお残る課題や、それでも未来へ向かう決意を共有しました。
JFいしかわ業務部冷凍課長兼流通課長酒井祐介氏:
「義援金など一時的な支援に止まらず『食べて応援』といち早く行動してくれたパルシステムと取り組めたことは、漁業者にとって非常に心強いと考えています。復興への道のりはまだまだ遠く、できることは限られますが、応援にこたえられるよう頑張ります」
産地の知恵と技術を結集し、日本の水産業の課題に挑む
2日目は、石川県漁協の復興を支える魚津漁協の加工施設(富山フーズネットワーク)を視察しました。鮮度を保つ「ワンフローズン」を実現する最新の冷凍技術や、国際的な食品安全規格「FSSC22000」を取得した高い衛生管理体制を学びました。特に、冷凍したぶりを1分間に最大35パック処理できる「回転式パック詰め装置」は、鮮度保持と作業効率の向上を両立する技術として注目を集めました。

気候変動による漁獲魚種の変化や担い手不足といった課題は、被災地に限らず全国の産地が直面する喫緊の課題です。沖縄でサンゴ礁の保全に取り組む恩納村漁協、自社船団で漁獲から加工まで一貫して行うシーボーン昭徳など、現状や課題を各産地で意見交換しました。
【参加者の声】
魚津漁業協同組合 代表理事組合長 濱住博之氏:
「漁協を中心とした地域共同体を支える『幹』は、販売事業です。今後も漁業者に寄り添い、加工業者・流通業者と連携して『幹』を育てていきます」

恩納村漁業協同組合 代表理事組合長 金城治樹氏:
「今回は輪島などまだ復興が進んでいない現場を訪れることができず残念でした。一刻も早い復興のため、同じ水産業に携わる者同士連携し、自分たちにできることをしていきます」

大隅地区養まん漁業協同組合 販売部部長 奥園久人氏:
「魚種は違えど、品質管理に徹底して安全・安心な商品を届けたいという気持ちは同じなので、工場での良い取り組みは持ち帰って今後に活かします」
「お魚食べよう!」アクションで、生産者と消費者がともにつくる未来

日本の漁業・養殖業の生産量は、この約30年で6割以上も減少しています。パルシステムではこの危機的状況に対し、「お魚食べよう」を合言葉に、日本の豊かな魚食文化や海の環境、地域経済を守るためのアクションを展開しています。
今回の交流会は、改めて生産現場の厳しい現状と、それでも未来をあきらめない生産者の情熱を共有する貴重な機会となりました。パルシステムはこれからも、産地と食卓をつなぐ役割を担い、持続可能な水産業の実現に向けて生産者・組合員とともに歩んでいきます。
パルシステムでは2026年2月に、「第2回海の産直サミット」を都内で開催予定です。水産産直提携産地・加工メーカーとパルシステム役職員、利用者が参加し、水産の未来について本音で語り合い、交流を行います。第1回は水産方針策定10年目の節目である2019年9月に開催。水産方針が本年10月、水産業をめぐる環境変化に応じて初の改定を行ったことを受け第2回は、水産資源の有効活用と積極的な消費、資源回復による持続可能な漁業の維持発展を目指して開催いたします。
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パルシステム生活協同組合連合会について
パルシステムは、首都圏を中心とした1都12県の組合員が利用する生活協同組合です。産直を基本に、人と人が助け合う「協同」の力で、食の安全保障、環境問題、子育て支援、福祉、平和など、様々な社会課題の解決に取り組んでいます。「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を理念に、生産者と消費者が協力しあう「顔の見える関係」を大切にしています。

パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 、理事長:渋澤温之
13会員・統一事業システム利用会員総事業高2,604.2億円/組合員総数176.2万人(2025年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/

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