系統用蓄電池事業への本格参入について
東京ガスグループは、中期経営計画「Compass Transformation 23-25」[*3]において、様々な分散型リソースのアグリゲーション・最適な需給運用の推進を目指しており、お客さまの敷地内に設置される蓄電池を最適制御する取り組みと並行して、系統用蓄電池事業も推進していきます。今回の2案件を系統用蓄電池事業への本格参入の第一歩と位置づけ、再生可能エネルギーの出力抑制が頻繁に起きている九州エリアから、これまで培ってきた電力市場取引の知見を活かし、系統の安定化および再生可能エネルギーの普及拡大に貢献していきます。
1.大分県角子原蓄電所について
大分県角子原蓄電所は、一般社団法人環境共創イニシアチブが公募する「令和5年度系統用蓄電池等導入・配電網合理化等再生可能エネルギー導入加速化事業費補助金(系統用蓄電池等導入支援事業)」[*4]の採択を受け、ニジオが開発します。2026年度内の商業運転開始を目指しており、東京ガスが日本卸電力取引所や需給調整市場での市場取引を実施します。
【設備概要】
名称 | 大分県角子原蓄電所 |
設置場所 | 大分県大分市角子原 |
蓄電池出力/蓄電池容量 | 2.5万kW/5万kWh |
開発・保守 | ニジオ |
運用 | 東京ガス |
工事開始 | 2024年5月 |
商業運転開始 | 2026年度内(予定) |
完成予想図
作成:千代田化工建設株式会社(Google Mapおよび国土地理院の地図データを使用)
起工式の様子①
起工式の様子②
2.広原蓄電所に関するオフテイク契約の締結について
東京ガスは今回のオフテイク契約により、広原蓄電所の100%の運用権を20年間にわたり所有します。なお、広原蓄電所は、株式会社三菱UFJ銀行(取締役頭取執行役員:半沢 淳一、以下「三菱UFJ銀行」)による、同行として国内の蓄電所では初めてとなるプロジェクトファイナンス[*5]の組成を受け、日本蓄電が開発を進めています。
【設備概要】
名称 | 広原蓄電所 |
設置場所 | 宮崎県宮崎市大字広原 |
蓄電池出力/蓄電池容量 | 3万kW/12万kWh |
開発・保守 | 日本蓄電 |
運用 | 東京ガス |
商業運転開始 | 2026年7月(予定) |
【広原蓄電所における開発・運用のスキーム】
【日本蓄電について】
日本蓄電は、2022年10月にマッコーリーのグリーン・インベストメント・グループから分社化して設立された英Eku Energyの日本法人で、蓄電所の開発、建設、管理運営を手掛けています。資金調達、開発、システム設計、電力市場、ソフトウェア最適化において高い技術力を有しています。
【本件に関する各社プレスリリース】
日本蓄電のプレスリリース https://www.ekuenergy.com/ja/news/hirohara_240424
三菱UFJ銀行のプレスリリース https://www.bk.mufg.jp/info/pdf/hiroharachikuden_project_finance_conclusion.pdf
東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で「価値共創のエコシステム[*6]構築」ならびに「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げています。一人ひとりの暮らしから地域社会にいたるまでの多様な課題を解決するさまざまなサービスを創出・提供し、お客さまとともに「脱炭素社会の実現」に貢献していきます。
*1:電力系統(発電所から送配電まで、電力に関するシステム全体)につないだ系統用蓄電池を運用し、系統の電力が余る(市場価格が下がる)時に電力を購入して充電を行い、電力が不足する(市場価格が上がる)時に放電し売電する事業。電力系統の安定化に寄与することで再生可能エネルギー導入量の拡大にも貢献する。
*2:供給者と購入者の間の、供給者が提供する予定の商品やサービスの全部または一部を購入または販売するための取り決め(経済産業省「GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス 【抜粋版】需要創出 ~LOIやオフテイク契約の締結~」https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/gx_startup/gx_guidance_demand.pdfより抜粋)。本件では東京ガスが20年間にわたり利用対価(固定金額)を支払い、系統用蓄電池の運用権を得る。なお締結先は広原蓄電合同会社(業務執行社員 日本蓄電株式会社)。
*3:詳細はこちら https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20230222-05.pdf
*4:詳細はこちら https://sii.or.jp/chikudenchi05/
*5:特定のプロジェクト(事業)に対するファイナンスであり、そのファイナンスの返済原資を「当該プロジェクトが産み出すキャッシュフロー/収益」ならびに「当該プロジェクト資産」に限定した金融手法
*6:多くの企業が、それぞれ強みを持つ領域の技術・ノウハウ・知見を持ち寄り新たな価値を創出していく事業生態系
以上
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