「高速伝送対応高多層基板材料の開発と実用化」で市村産業賞 功績賞を受賞

パナソニックグループ

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パナソニック株式会社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は「高速伝送対応高多層基板材料の開発と実用化」の功績に対し、公益財団法人新技術開発財団より、第46回市村産業賞の功績賞を受賞し、2014年4月18日に贈呈式が行われました。

【受賞内容】
名 称:市村産業賞 功績賞
テーマ:「高速伝送対応高多層基板材料の開発と実用化」
受賞者:
パナソニック株式会社
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部
井上 博晴(技術開発センター)
古森 清孝(電子基材ディビジョン)
藤原 弘明(技術開発センター)

[商品情報]
▼MEGTRON6(PDF:830KB)
http://www3.panasonic.biz/em/pcbm/ja/newproduct/pdf/2013-06/R-5775.pdf
▼MEGTRON4(PDF:771KB)
http://www3.panasonic.biz/em/pcbm/ja/newproduct/pdf/2013-06/R-5725.pdf
▼Halogen-free MEGTRON2(PDF:750KB)
http://www3.panasonic.biz/em/pcbm/ja/newproduct/pdf/2013-06/R-1577.pdf

■開発内容
近年、スマートフォン、タブレットPCといった情報端末やSNS、動画サイトなどの普及により大容量のデータをより高速に処理するニーズが高まっており、高性能なサーバやルータなどの開発が進んでいます。その機器の中枢を担う電子回路基板材料において、パナソニックは大容量、高速伝送に対応し、高多層化が可能な多層基板材料を開発しました。本材料が、データを高速に処理する大型超高速サーバの実用化や、スーパーコンピュータの性能向上に貢献しています。

■パナソニックの取り組み
パナソニックはこの高速伝送対応多層基板材料を「MEGTRON(メグロトン)シリーズ」として、1996年より製造・販売を開始しました。現在は、このMEGTRONシリーズにおいて、比誘電率、誘電正接、耐熱性など特性の異なるMEGTRON6、 MEGTRON4、 Halogen-free MEGTRON2などをラインアップしています。今後、さらなる誘電特性を備えた次期材料の開発を進め、グローバルに販売を強化していきます。

■開発の背景
2000年以降、ブロードバンド回線の普及とインターネットに接続される端末の爆発的増加により、データトラフィック量が激増しました。これに伴いデータセンターでは設置するサーバ数が増加、設置スペースの確保や消費電力増大が新たな課題となり、大容量のデータを高速に処理、伝送が可能な大型サーバの要望が高まり、その実現には高速伝送に対応し高多層化が可能な電子回路基板が不可欠でした。電子回路基板を形成する樹脂材料には次の2点の主要特性を兼ね備えていることが要求されました。
【1】データ伝送速度の高速化に対応できる低誘電正接、低誘電率
【2】配線数の増加や高多層化に対応可能な多層成型性、高ガラス転移温度、低熱膨張率
しかしながら従来材料では誘電特性と多層化や基板サイズの大型化を同時に満足することができませんでした。

■開発技術の概要
受賞者らは、高速伝送に対応し高多層化が可能な電子回路基板の材料を次の要素技術により新規に開発しました。
【1】新規ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂技術
誘電特性の優れたポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂を変性することにより、低誘電性を維持したまま熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂に改質することに成功
【2】ポリマーアロイ技術
上記【1】の変性PPE樹脂と低分子量の多官能架橋剤をアロイ化する技術により低誘電特性と多層成型性、高耐熱性を高次元で兼ね備えることに成功

■開発技術の特長と効果
本技術により、従来材料と比較して伝送損失は50%以上低減でき、また、鉛フリーはんだに対応する高耐熱性を有することにより、60層を超える高多層の電子回路基板の作製が可能となりました。本技術を用いた電子回路基板は、爆発的に増大したインターネットのデータを高速に処理する大型超高速サーバの実用化を可能とし、多くのデータセンターで直面していた設置スペースの確保や消費電力増大の課題を解決し、環境負荷低減にも大きく貢献しました。さらにスーパーコンピュータの性能向上にも貢献し、医療やエネルギー等の幅広い分野の発展にも貢献が期待されます。

■MEGTRON(メグトロン)シリーズ
サーバ、ルータ、スーパーコンピュータなどICTインフラ機器の大容量・高速伝送に対応する低誘電率・低誘電正接・高耐熱多層基板材料です。
 
●MEGTRON6
1.低伝送損失
2.低誘電率・低誘電正接 
比誘電率(Dk)=3.7、誘電正接(Df)=0.002 (1GHz)
3.高耐熱性 
ガラス転移温度(Tg) 185℃、熱分解温度 410℃  
4.低熱膨張 
厚さ方向 45ppm/℃
5.厳しい使用環境化において、高い絶縁信頼性、スルーホール接続信頼性を確保
6.鉛フリーはんだ対応
カタログURL:(PDF:830KB)
http://www3.panasonic.biz/em/pcbm/ja/newproduct/pdf/2013-06/R-5775.pdf

●MEGTRON 4
1.低誘電率・低誘電正接
比誘電率(Dk)=3.8、誘電正接(Df)=0.005 (1GHz)  
2.低熱膨張 
厚さ方向 35ppm/℃
3.高耐熱性 
ガラス転移温度(Tg) 176℃、熱分解温度 360℃
4.厳しい使用環境化において、高い絶縁信頼性、スルーホール接続信頼性を確保
5.鉛フリーはんだ対応
カタログURL:(PDF:771KB)
http://www3.panasonic.biz/em/pcbm/ja/newproduct/pdf/2013-06/R-5725.pdf

●Halogen-free MEGTRON2
1.低誘電率・低誘電正接
比誘電率(Dk)=4.1、誘電正接(Df)=0.01 (1GHz)  
2.低熱膨張 
厚さ方向 34ppm/℃
3.高耐熱性 
ガラス転移温度(Tg) 170℃、熱分解温度 380℃
4.厳しい使用環境化において、高い絶縁信頼性、スルーホール接続信頼性を確保
5.鉛フリーはんだ対応
6.ハロゲンフリー、アンチモンフリーでUL94V-0取得済み
カタログURL:(PDF:750KB)
http://www3.panasonic.biz/em/pcbm/ja/newproduct/pdf/2013-06/R-1577.pdf


市村産業賞について
[表彰の趣旨]
リコー三愛グループ各社を統轄した創業者、故市村清氏の昭和38年4月29日紺綬褒章受賞を記念して、市村賞を創設し、科学技術の普及啓発に資するとともに科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
本表彰は科学技術の進歩、産業の発展、文化の向上、その他国民の福祉・安全に関し、科学技術上貢献し、優秀な国産技術の開発に功績のあった技術開発者に対して行います。
(公益財団法人 新技術開発財団の第46回 市村産業賞推薦要綱に掲載された表彰の趣旨を引用しています)

[プレスリリース]
▼「高速伝送対応高多層基板材料の開発と実用化」で市村産業賞 功績賞を受賞(2014年4月21日)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/04/jn140421-3/jn140421-3.html

<お問い合わせ先>
●報道関係お問合せ先
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 広報グループ
TEL:06-6904-4732 
●商品に関するお問合せ先
http://panasonic.co.jp/ais/contact/
●パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 ホームページ
http://panasonic.co.jp/ais/

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業種
製造業
本社所在地
大阪府門真市大字門真1006番地
電話番号
06-6908-1121
代表者名
楠見 雄規
上場
東証プライム
資本金
2590億円
設立
1935年12月