マイナビ転職、「正社員のリスキリング実態調査(2023年)~リスキリングで賃金は上がるのか~」を発表
「リスキリングで賃金が上がる」期待3割に対し、経験者の実感は1割に留まる。リスキリングをしたいと思う月収の増額の中央値は月額1万円。
【TOPICS】
- 「リスキリングは必要だと思う」は8割で、仕事の幅が広がることや昇給を期待。
- 一方リスキリング経験者で昇給につながったのは1割で、期待と現実にギャップ【図1、2、4】
- リスキリングに興味を持ったきっかけは「自分のためになる」「知識不足を実感」「賃金アップにつながると知った」など【図5】
- リスキリングをしていない理由は「時間やお金がない」「何から始めればいいかわからない」【図7】
- リスキリングをしたいと思える月収の増額は、中央値で1万円【図8】
【調査概要】
20~50代の正社員にリスキリングの必要性について聞いたところ、79.6%が「そう思う」と感じている結果となった。リスキリングに期待することは「仕事・働き方の幅を広げること(40.1%)」が最多。次いで、「学んだ知識をいまの仕事・業務に役立てること(35.9%)」、「昇給(29.6%)」となった。【図1、2】
リスキリング経験者は全体の44.8%で、経験者が感じている効果は「資格の取得ができた」が最も多く26.8%だった。しかし、「昇給(11.2%)」「昇進・昇格(6.4%)」など、目に見える形や個人の評価につながっているケースは少数に留まり、リスキリングの期待と現実のギャップがうかがえる。【図3、4】
リスキリングに興味を持ったきっかけは「自分のためになると思ったから(57.6%)」が最も多く、次いで「仕事で知識不足・スキル不足を感じた(37.0%)」、「賃金アップにつながると知ったから(26.7%)」が挙がった。賃金アップの回答は20代女性では39.2%と4割近くに達し、賃金増への切実さを感じる結果となった。【図5、 6】
リスキリングを現在行っていない理由は、「時間がない/忙しい(39.1%)」や「何から始めればいいかわからない(20.6%)」、「勉強にお金をかける余裕がない(19.8%)」が多く、働きながら時間を確保することの難しさや、金銭的な負担が浮き彫りになった。【図7】
月収がいくら上がればリスキリングをしたいと思うかを自由回答で聞いたところ、中央値は「1万円」。次いで、「5,000円」、「5万円」となり大幅な増額を期待する声は少なかった。今後、リスキリングの経験者がより活躍できるような、体制と評価制度を整えていくことが求められる。【図8】
【総評】
『マイナビ転職』編集長
荻田泰夫
DX化やジョブ型雇用の普及など働き方が大きく変化しています。その中で、労働者が市場価値をさらに上げるためには、リスキリングが今後ますます重要になります。しかし今回の調査では、メリットを実感できていない現状が明らかになりました。特に、昇給への期待に対し、実際にリスキリング経験者が昇給を体感しているのは11.2%で、期待と現実に大きなギャップがあります。今後、企業が昇給昇格などについてどのように評価するのか、積極的に情報開示していくことが不可欠といえるでしょう。
また、リスキリングをやっていない理由として時間やコスト面も挙がりましたが「どんなスキルを身に付ければいいか分からない」という回答も一定数見られました。
企業は、リスキリング経験者の事例や仕事・領域ごとに「新しいスキルを身に付けることで、どのようにキャリアを広げていけるのか」ということを、社員にガイドすることが有用だと思います。
今後は、社員一人一人の挑戦を後押し、評価する環境を整え、身に付けたスキルを発揮できる機会・環境を提供し、好循環を促すことが企業経営に求められるようになると考えられます。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【調査概要】
マイナビ転職『正社員のリスキリング実態調査(2023年)~リスキリングで賃金は上がるのか~』
調査期間:2023年1月6日(金)~1月8日(日)
調査方法:20~59歳の正社員を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:20~59歳の各年代200名ずつ)
※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
上記のほか、リスキリングに興味を持ったきっかけ、希望する学習ツール、企業に求める支援制度なども調査しています。
※調査結果の詳細は下記「マイナビ転職 キャリアトレンド研究所」で公開しています
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/13
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