【岡山大学】「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動 ヘリウム回収実証実験を開始

国立大学法人岡山大学

2025(令和7)年 9月 5日
国立大学法人岡山大学

https://www.okayama-u.ac.jp/

◆概 要

 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)は2025年7月10日と8月28日に、研究活動を支える限られた天然資源である液体ヘリウムのリサイクル促進と安定的な供給体制の構築を目的とした「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク(通称:中四国・播磨HeReNet)」の一環として、ヘリウムガス回収の実証実験を行いました。実験は、技術職員、URA、学術コーディネーター、事務職員、研究者、企業の関係者が参加し、本学津島キャンパスの自然生命科学研究支援センター極低温室で実施しました。


 液体ヘリウムは、国内生産しておらず、全量を輸入に依存しています。しかし、コロナ禍や世界的な紛争等のさまざまな要因により、年々価格が高騰しています。その結果、多くの大学・研究機関では入手困難となり、研究現場に支障を来しています。

 一方本学は、ヘリウム液化装置を所有しており、学内利用者に液体ヘリウムを供給し発生したヘリウムガスを回収して再液化するシステムを構築しています。これにより、効率的なヘリウムの利用を実現しています。


 「中四国・播磨HeReNet」では、この取り組みを学外にも広げ、大学・高専等と連携し、発生したヘリウムガスをガスバッグで回収。さらに、圧縮機でガスボンベに詰め替えて本学に運ぶ仕組みを整備することで広域リサイクルの実現を目指しています。


 先に開催した学内向け説明会・学外向け説明会に続き、リサイクルの実現にあたり連携機関の環境を再現した状況下での実証のため、7月10日にはフェーズ0セッション1として、ガスボンベからガスの回収実験を行いました。その結果、無事にガスボンベからのガス回収ができることを確認しました。

 また8月28日にはフェーズ0セッション2として、連携機関にてヘリウムガスを貯めた想定のヘリウムガス入りガスバッグを用意し、ガスバッグを圧縮機につないでガスボンベに詰め替える実験を行い、無事に詰め替えができることを確認しました。また、関係者とともに今回の実証フェーズについて意見を交換しました。


 本学のヘリウム液化装置は導入から15年以上が経過して老朽化が進んでいることから、文部科学省の支援を受けて2026年度末までに同装置および周辺設備の更新を予定しています。


 岡山大学は、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に採択されており、その取り組みの一環として「イノベーション創出の知と技のメッカとなる」ことを掲げ、研究力強化のハブとなる取り組みを推進しています。

 ヘリウム液化装置は極めて高額な中規模研究設備であり、設備運用にコストと高度な技術人材を要するため、その整備は容易ではありません。地域の中核大学、そして研究大学である本学が「中四国・播磨HeReNet」を通じて、学内のみならず近隣の大学、高等専門学校、研究機関、企業等に液体ヘリウムを供給できれば、液体ヘリウムを使った研究・開発の裾野を大いに拡げることにつながり、ひいてはわが国の研究力向上・イノベーション創出強化等につながると期待されます。引き続き、本学と参画機関の挑戦に、どうぞご期待ください。

 本情報は、2025年9月2日に岡山大学から公開されました。



○「中四国・播磨HeReNet」で計画中の実証実験
 フェーズ0:本学にて連携機関の環境を再現した実証実験
 フェーズ1:連携機関にて発生したヘリウムガスを現地でガスボンベに回収する実証実験
 フェーズ2:連携機関に少量の液体ヘリウムを運びつつ発生したヘリウムガスを回収する実証実験
 フェーズ3:連携機関にフェーズ2よりも多くの液体ヘリウムを運びつつヘリウムガスを回収する実証実験

本学で行なうフェーズ0
 セッション1:ガスボンベからのガス回収実験
 セッション2:ガスバッグからガスボンベへ圧縮したヘリウムガスの回収実験
 セッション3:研究設備から発生したヘリウムガスをガスバッグに貯めてガスボンベへ圧縮したヘリウムガスの回収実験

 段階を分けて実験を行い、着実な取り組みが実現できるように計画しています。

フェーズ0セッション1:ガスボンベからガス回収の準備をする参加者

フェーズ0セッション2:連携機関にてヘリウムガスを貯めた想定のヘリウムガス入りガスバッグ(手前青色部分)を用意

フェーズ0セッション2:ガスバッグを圧縮機につないでガスボンベに詰め替える実験

中四国・播磨HeReNet概要

◆参 考

・岡山大学研究・イノベーション共創機構

 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

・岡山大学総合技術部

 https://techall.okayama-u.ac.jp/

・岡山大学地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)

 https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/

・岡山大学コアファシリティポータルサイト(CFPOU)

 https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/

◆参考情報

・【岡山大学】「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向けた学外説明会を実施

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003329.000072793.html

・【岡山大学】「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向け学内説明会を実施

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003254.000072793.html

・【岡山大学】液体ヘリウムの利用促進・安定供給に向けて、文部科学省科学技術・学術政策局長らと意見交換の場を開催~「ヘリウム供給拠点構想」実現に向けた具体的な制度設計について大学、研究機関、高等専門学校とも意見交換を実施~

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002564.000072793.html

・【岡山大学】わが国の研究力の基盤を支える液体ヘリウムの利用促進・安定供給に向けて11大学・高専等と意見交換を実施

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002451.000072793.html

・【岡山大学】文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html

・【岡山大学】“人機一体”の研究基盤を強化推進するために「研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(チーム共用)」が始動!

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003103.000072793.html

岡山大学津島キャンパス(岡山市北区)


◆本件お問い合わせ先

 岡山大学研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(チーム共用) 機関連携部門
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス

 TEL:086-251-8705

 E-mail:herenetoffice◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※◎を@に置き換えてください

 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id14545.html

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(略称:チーム共用)
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8705
 FAX:086-251-7114
 E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>

 岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部

 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい

 https://venture.okayama-u.ac.jp/


 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html

 岡山大学オリジナルグッズ Online Shop:https://okadaigoods.official.ec/
 岡山大学統合報告書2024:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002801.000072793.html

 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw

 岡山大学地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS):https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/

 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2025年7月期共創活動パートナー募集中:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003222.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください

  • 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html

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国立大学法人岡山大学

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
電話番号
086-252-1111
代表者名
那須保友
上場
未上場
資本金
-
設立
1949年05月