【産学福連携】「障がい者アート×京都芸術大学生×建築会社」建築現場の仮囲いを、地域をつなぐ人気者へ!デザインで社会課題を楽しく解決するプロジェクトの課題発表会実施!

建築現場は騒音や安全面から、時に「街の迷惑者」と感じられがち。その仮囲いを「街に楽しさと豊かさを生み出すメディア」として再定義するプロジェクト。
京都芸術大学の学生がノーサイドSTUDIO(重症心身障がい者施設)のアート作品を活用し、建築現場の仮囲いをデザイン。授業の課題として、デザインの力で街の景観に新たな価値をもたらすことに取り組みました。課題の発表会の様子です。
そして、お披露目へと動き出しました(お披露目:2025年5月予定)
授業スケジュール
京都芸術大学 キャラクターデザイン学科 マンガコース デザイン演習
(3年生対象 2コマ×4日間 / 金曜 3限目13:40-15:20 4限目15:40-17:20)

12/20 |
プロジェクト導入(課題説明、障がい者アーティストとのオンライン交流) 稲継工務店 山中氏のプレゼンと質疑応答 andna 野村のプレゼンと質疑応答 ノーサイドSTUDIOとオンラインで繋ぎ、障がい者アーティストの背景や作品について深掘り |
1/10 |
リサーチ・アイデア出し 課題への理解を深めるためのリサーチ、ディスカッションなどを行います |
1/17 |
制作(中間発表・制作) グループごとの課題制作を行います |
1/24 |
課題発表(障がい者アーティストオンライン参加) 完成した作品の発表会。稲継工務店、ノーサイドSTUDIOも参加 |
5月(予定) |
仮囲いお披露目(障がい者アーティストと学生のリアル対面) 完成した仮囲いのお披露目を現地で実施します 現場:京都府向日市 |
課題発表の様子(2025年1月24日)
学生のみなさんは、4回の授業内で「障がい福祉について」「障がい者アートについて」「仮囲いのデザインを用いて地域の人を巻き込むには?」など、様々な課題についての議論を行いながらの課題制作を行いました。完成した作品は、どれもこの取り組みに対する真摯な想いを感じる、素晴らしいデザインが出揃いました。



受賞作品決定(3つの賞が確定)
稲継工務店賞:安達杏さん「パズル型アートワーク ~多様な個性で街をつなぐ~」
ノーサイドのアート作品をパズルのピースで表現した、人と人との繋がりや多様性を感じるデザイン。

選出理由(稲継工務店より)
仮囲いの性質から、通りすがりにパッと見て理解できるか?関係している人たちがイメージできるか?という街を歩く人の視点から選考しました。
安達さんの作品からは、稲継工務店、学生さん、障がい者アーティストの全ての存在が感じられ、地域の方にも分かりやすいパズルのデザインの明快さがあり、関係者全員の繋がりを感じました。難しい課題の中、それぞれがパズルのピースとなり、多様性を感じられる素晴らしい作品です。
ノーサイド賞:Iさん「From the NOSIDE! to the world.」
「遠いところで自分の作品が使われたら嬉しい」アーティストの想いを表現した、躍動感あふれるデザイン。

選出理由(ノーサイドより)
「ノーサイドから世界へ」という、ノーサイドのアーティストの作品が世界に広がることをコンセプトに作っていただき、障がい福祉の世界から外に飛び出していくイメージを感じました。
デザインのインパクトがあり、派手な色使いにノーサイドっぽさを感じるデザイン。このようなデザインを自分たちでも作りたかったと、思わせてくれた作品です。仮囲いの実装に選ばれなかったとしても、何かのデザインに使わせていただきたいと思うくらい素敵です!
アンドナ賞:森本昌樹さん「まちいろプロジェクト」
仮囲いをラッピングに、これから建築される建物をプレゼントに見立てた、ストーリーを感じるデザイン。

選出理由(アンドナより)
森本さんの作品はノーサイドの作品が目立たないのですが、発表でこのデザインに至った経緯を知りアンドナ賞に決めました。
街の邪魔者である仮囲いを包装紙に見立て、建築される建物がプレゼントという発想がとても新鮮で、ステキな発想だと感じたのです。ストーリーを感じるデザインに、課題に対する真摯な想いを感じると共に、この先のわくわくする未来も想像できます。
発表を終えての関係者コメント
京都芸術大学 坂田先生
このProjectを始めるにあたり、大学では企業とのコラボを常時行っているわけではないため、学生に福祉や地域にどれだけ興味を持たせられるのかが自身の課題でした。しかし、実際の授業が始まると、学生からは前向きな意見が多く聞かれ、積極的に取り組んでくれたのです。
1年間の授業終了後の学生アンケートでは、この最終課題が勉強になったとの声が多く、実際に稲継工務店さん、ノーサイドさん、アンドナさんが授業に参加していただけたことも、学生にとって良い刺激となったのではないでしょうか。とてもいいプロジェクトになったと感じています。
稲継工務店 代表山中さん
皆さんによるデザイン発表は、まさに「仮囲い革命」の可能性を感じさせるもの。多様な発想で新たな価値を生み出せるとは驚きでした。Z世代という言葉で簡単に括るのは難しいですが、彼らが建築や福祉について「教科書的でお利口な解釈」ではなく、自分の思考プロセスを通して語る姿には、頼もしさと新しい時代に少しの嫉妬すら覚えました。
いよいよ、これらのアイデアを実際の建築現場に実装するフェーズが始まります。街の建築現場に、新たな価値を生み出すこのプロジェクト、主催者の一人として身が引き締まる思いで取り組んでいきたいと思います。
障がい福祉施設ノーサイド 代表高木さん
異なる環境で20年間を過ごしてきた若者たちが、「アート」と「デザイン」という共通のテーマのもとで交差する貴重な機会を非常に興味深く拝見しました。
京都芸術大学の学生の皆さんは、デザインに取り組む過程で障がいについて深く議論を重ね、それぞれの価値観を持ち今回のプロジェクトに挑んでくれたことと思います。その成果として発表されたデザインやアイデアはどれも素晴らしく、ストーリー性のある作品や、パズルの要素を取り入れたもの、絵の中に隠された文字を探す楽しさを提供するもの、さらには雨や水を活用して完成する作品など、多様なアプローチが光っており感銘を受けました。ノーサイドスタジオのアーティストたちの作品を活かしながら、それぞれのアイデアを形にしようとする姿勢がプレゼンテーションを通じて強く伝わってきました。彼らの真摯な取り組みが、作品の中に込められていることを感じて心から感謝しています。
障がいのある方とどのように関わるべきか、戸惑いを感じる場面もあるかもしれませんが、次回の直接対面の機会ではより深い相互理解が生まれることを期待しています。
お互いがどのような気づきを得るのか、今から楽しみです!



次回、仮囲いお披露目会予告!
仮囲いの実装を進めるのは、稲継工務店賞を受賞した安達さんの作品。このデザインを元に、今後更にデザインをブラッシュアップさせていきます。
完成予定は2025年5月頃。
お披露目会には、アート作品を提供したノーサイドSTUDIOのアーティストもリアルで参加します!
【産学福連携】プロジェクト関係者
株式会社稲継工務店(京都府京都市) https://inatsugu.co.jp/
ノーサイドSTUDIO(大阪府八尾市)https://www.instagram.com/noside_labo_club/
株式会社ねき(京都府京都市) https://www.neki.co.jp/
非営利型株式会社andna(大阪府枚方市) https://andna.co.jp/
学校法人 瓜生山学園 京都芸術大学 https://www.kyoto-art.ac.jp/

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