【リモートハラスメント調査(管理職編)】部下とのコミュニケーションによるストレス、約4割の管理職が昨年より増加傾向と回答

リモートハラスメントへの危惧から、約8割の管理職が「部下のマネジメント」に困難を感じている現状が明らかに

ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社(本社:東京都港区、代表:倉本祐子、以下「当社」)は、長期化する在宅テレワークの実態調査を目的に、インターネットによるアンケート調査を実施。2020年5月から、1年以上にわたり在宅でテレワークを行いつつ、部下とコミュニケーションをとっている管理職の会社員539名から回答を得ました。


■調査結果サマリー
当社が2020年5月に実施した『テレワークにおけるハラスメントの実態調査』※1において、「リモートコミュニケーションに悩む上司は5割」という結果を発表しました。それから約1年が経過した今回のアンケートでは、定着しつつある在宅テレワークでの部下とのコミュニケーションについて調査したところ、管理職のストレスに関して改善傾向がみられたのは1割未満と非常に少なく、対して増加傾向は4割以上となりました。また、ハラスメントを気にすることで、部下のマネジメントに難しさを感じている管理職は約8割となり、在宅テレワーク導入から1年経過しても、新しい働き方に合ったリモートでのマネジメントスタイルについて、確立されていない可能性が高い結果となりました。

■調査概要
調査概要:長期化する在宅テレワークにおける、部下とのコミュニケーションのストレスについての実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年5月28日〜同年5月30日
有効回答:2020年5月から1年以上にわたり、週1日以上在宅テレワークを実施し、部下とコミュニケーションをとっている30代〜50代の会社員(管理職)539名

■調査結果
  • 部下とのコミュニケーションのストレス・悩みが昨年より増えた管理職4超、減った管理職は1割未満。在宅テレワークが定着化するもストレスや悩みが改善されない現状

1年以上続いている在宅テレワークは定着しつつあるが、部下とのコミュニケーションのストレスは、昨年と比較して「変わらない」の回答が50.5%と一番多く、「かなり増えた」「増えた」と回答した『ストレス増加群』が40.1%、「かなり減った」「減った」と回答した『ストレス減少群』が9.5%となりました。長期化する在宅テレワークですが、慣れや対策がとられ、ストレスが改善傾向にあるのは1割未満と非常に少ない結果となりました。

Q. 長期化する在宅でのテレワーク実施に際し、あなたは部下とのコミュニケーションについて、ストレスや悩みが昨年と比べて増えていますか。減っていますか。(n=539

 
  • ストレス増加傾向にある管理職の半数以上が部下との距離感」「部下への指示出しタイミングにストレスや悩みを感じている

部下とのコミュニケーションにおけるストレス増加原因は、1位「部下との距離感」(63.9%)、2位「部下への指示出しタイミング」(55.6%)、3位「部下の育成」(48.1%)となりました。一方で、ストレス減少要因は、1位「部下との距離感に関するストレスや悩みが減った」(35.3 %)、2位 「部下に対する行動管理方法に関するストレスや悩みが減った」(29.4 %)、3位「部下への指示出しタイミングに関するストレスや悩みが減った」(21.6 %)となり、2項目がストレス増減の共通因子となっています。


Q. 具体的にどんなことが原因となり、ストレスや悩み増えていますか。(n=216:複数回答


Q. 具体的にどんなことが原因となり、ストレスや悩み減っていますか(n=51:複数回答

 
  • ハラスメントを気にすることにより、マネジメントに難しさを感じている管理職は約8割

在宅テレワークでの部下とのコミュニケーションに際し、ハラスメントにならないよう気をつけることで、マネジメントが難しくなっている事柄について聞いたところ、1位「部下の業務進捗が確認しづらい」(43.8%)、2位「気軽な声かけが難しく、部下のコンディションがわからない」(37.5%)、3位「チームワークで業務を進めることが難しい」(31.0%)と回答し、逆に「当てはまるものはない」の回答は(17.8%)にとどまり、約8割が何らかの難しさを感じているという結果になりました。

Q. テレワークでの部下とのコミュニケーションに際し、ハラスメントにならないよう気をつけることで、マネジメントが難しくなっていることはありますか。(n=539複数回答


部下とのコミュニケーション『ストレス増加群』だけを見てみると、1位「部下の業務進捗が確認しづらい」(60.2%)、2位「気軽な声かけが難しく、部下のコンディションがわからない」(51.4%)、3位「チームワークで業務を進めることが難しい」(49.1%)に約半数が当てはまると回答し、「当てはまるものはない」の回答は(0.9%)と少数となりました。『ストレス増加群』のほとんどの管理職は、何らかのマネジメントの難しさを感じている結果となりました。

※部下とのコミュニケーションストレス減少群と増加群のみの結果を抜粋(n=267複数回答

 
  • 6割以上の管理職が、部下以外に同僚・他部署・上層部・取引先とのコミュニケーションにもストレスも抱えている

在宅テレワークでの、部下以外とのコミュニケーションのストレスについて、「当てはまるものはない」の回答は38.8%となり、6割以上の管理職がストレスを感じているという結果となりました。特に、横の繋がりである「他部署」「同僚」とのコミュニケーションにストレスを感じているという回答が多くなりました。

Q.あなたは、在宅でのテレワーク実施に際し、部下以外の人とのコミュニケーションでストレスや不快感がありますか。(n=539複数回答

部下とのコミュニケーション『ストレス増加群』だけを見てみると、『ストレス減少群』比べて、全体的にストレスが高くなっている傾向となりました。

※部下とのコミュニケーションストレス減少群と増加群のみの結果を抜粋(n=267複数回答

 
  • 8割以上が、在宅テレワークを取り入れた働き方を希望する、出社との併用を希望する声が最多

今後の働き方として、「出社したい」と回答したのは16.7%と少なく、8割以上が在宅テレワークを取り入れた働き方の継続を希望している結果となりました。

Q.今後、在宅でのテレワークを続けたいですか。(n=539)


部下とのコミュニケーション『ストレス減少群』は、約5割が「在宅でのテレワークを続けたい」と回答したのに対し、『ストレス増加群』は、約5割が「在宅でのテレワークと出社の併用がいい」と回答する結果となりました。

※部下とのコミュニケーションストレス減少群と増加群のみの結果を抜粋(n=267複数回答

 


■まとめ
昨年2020年4月7日、新型コロナウイルス感染拡大による第1回目の緊急事態宣言が発令され、多くの企業・組織で、在宅テレワークという新しい働き方がスタートしました。当社はその翌月2020年5月に、『テレワークにおけるハラスメントの実態調査』※1を実施し「リモートコミュニケーションに悩む上司は5割」という結果を発表。在宅テレワークがスタートした時点で、過半数の管理職が、特に「テレワークにおける部下との距離感」や「部下への指示だしタイミング」に悩んでいることが明らかになりました。

今回は、昨年の調査から1年が経過した現在、定着しつつある在宅テレワークでの管理職と部下のコミュニケーションについて、どのような変化がおきているかを調査しました。その結果、昨年と比べて、部下とのコミュニケーションにおける管理職のストレスについて、改善傾向がみられたのは1割未満と非常に少なく、4割以上がむしろ増加傾向であると回答しました。また、部下とのコミュニケーションストレスが増減する共通要因として、昨年の調査結果でも指摘されていた「部下との距離感」や「部下への指示出しタイミング」が多くあげられました。さらに、ハラスメントにならないよう気をつけることで、マネジメントが難しくなっていると回答した管理職は約8割にのぼり、「部下の業務進捗が確認できない」「気軽な声かけが難しく部下のコンディションがわからない」などの回答が多くなりました。

これらの結果から、職場で部下の様子や行動をみながら管理する既存のマネジメントスタイルから、新しい働き方であるリモートでのマネジメントスタイルへの移行が、在宅テレワーク導入から1年経過しているにも関わらず、上手く進まず管理職のストレスが増加している様子がみられます。

また、当調査と同時に実施した、会社員(部下)向け調査「長期化する在宅テレワークにおける、上司とのコミュニケーションのストレスについての実態調査」※2の結果と合わせてみると、上司とのコミュニケーションでストレスが増加する原因の1位が「常に仕事しているかの連絡や確認」に対し、部下とのコミュニケーションのストレスが増加する原因の1位が「部下との距離感」となっていました。これは、在宅テレワークでの管理職と部下のコミュニケーションについて、互いにストレスや不快感のない方法の模索が、いまだに続いている様子が伺えます。また、今後の働き方について、管理職も部下も大多数が、今後も在宅テレワークの導入を希望してはいますが、部下と比較すると、管理職の方が、在宅テレワークだけでなく出社との併用を希望する声が多くなっていることから、管理職のリモートでのマネジメントの難しさが表れているとも考えられます。

昨年2020年6月1日、「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」が施行され、既に大企業には職場におけるパワーハラスメント対策が義務付けられており、さらに来年2022年4月より、中小企業にも適用拡大となります。在宅テレワークを導入する企業の管理職は、「リモハラ」とならない部下とのコミュニケーションスタイルを模索しながら、新しい働き方のマネジメント方法を確立していくという、難しい舵取りが求められることになり、より具体的な学びやサポートが必要になっていると考えます。

なお、部下とのコミュニケーション『ストレス増加群』『ストレス減少群』それぞれが在籍する企業や組織が、どのような新しいルールや仕組みを取り入れているか、に関するアンケート結果を含む、詳しい調査結果については、当社ホームページにお問い合わせください。

▼お問い合わせ先▼ ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社
https://diamond-c.co.jp/contact.html

リモハラ対策は「新しい働き方における人材育成とは」に繋がる
ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社 代表 倉本祐子コメント)
ハラスメント対策の専門家として、直近1年間で50社以上の企業に研修やコンサルティングを行ってまいりました。積極的にハラスメント対策を進めている企業は、その対策が、問題ある言動・行動を、減らす・無くすだけでなく、「人をどう育てていくか」の人材育成に繋がることを理解されていると感じています。
今回の調査で必要性が示された、リモートハラスメントへの対策に取り組むことは、「新しい働き方における人材育成とは」に繋がる取り組みだと捉え、より多くの企業が、これらの取り組みを進めていけるように、当社も尽力していきたいと考えています。

※1 2020年5月22日発表「テレワークにおけるハラスメントの実態調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000058857.html
※2 2021年6月8日発表「長期化する在宅テレワークにおける、上司とのコミュニケーションのストレスについての実態調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000058857.html


■会社概要
名称  :ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社
所在地 :東京都港区南青山2-2-15ウィン青山942
代表  :倉本祐子
事業内容:企業研修、キャリアカウンセリング、企業コンサルティング
URL  :https://diamond-c.co.jp/message.html

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会社概要

URL
https://diamond-c.co.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
神奈川県横浜市瀬谷区本郷1-54-4 アムールA&A204
電話番号
090-7767-8101
代表者名
山藤 祐子(ざんとう ゆうこ 旧姓:倉本)
上場
未上場
資本金
-
設立
2017年01月