大型低抵抗基板製品を発売
-パワーデバイス開発に貢献する研究用基板の大型化に成功-
ダイヤモンドは優れた物性を有しており、半導体デバイスに適用できれば、省エネルギーや機器の小型化に貢献をできると期待されています。
当社は、2023年8月に、高濃度のホウ素(ボロン)ドープエピタキシャル層(単結晶層)を形成した基板を製品化しており、多くの研究者向けに販売してきました。これらの技術開発実績を元に、高ボロン濃度のダイヤモンド低抵抗基板の大型化に成功いたしました。
1.はじめに
当社は大型のダイヤモンド単結晶を製作できることを主要な優位点としており、人工ダイヤモンド宝石(LGD:Laboratory Grown Diamond)製作用種結晶や基板、光学部品などに適用してきました。ダイヤモンドの持つ優れた半導体特性を利用したデバイス開発は、現在世界で活発に行われており、これ等の開発を支援すべく、当社は様々な基板やウエハを提供してまいりました。
ダイヤモンドデバイスの利用が期待されている大きなパワーを制御するデバイス(パワーデバイス)の開発に対応するため、当社は昨年8月に高濃度のボロン(ホウ素)をドーピングしたダイヤモンドを発売しました。このダイヤモンドの自立基板である低抵抗基板ならびに、通常の基板に薄膜を形成したエピタキシャル成長基板の2種類を発売しました。パワーデバイスでは、電流をデバイスから基板底部へ流す構造が用いられますので、導電性を有する自立基板が求められます。昨年の商品化の段階においては、形状が7x7mmまでであり、大きなパワーを制御する大型のデバイス開発や、1個の基板に多数のデバイスを製作するには不十分な面積でした。当社は昨年11月に15x15mmの単結晶を開発し、種結晶や基板として販売を開始しました。この大型の単結晶を使用して、低抵抗基板の面積拡大を行い、今回商品化いたしました。
2.新規に発売する製品の内容
7x7mm以上のサイズを持つ高濃度ボロンドープ低抵抗大型自立基板 [写真1]
10x10x0.2mm、13x13x0.2mm、12.5φx0.2mm等
3.製品の特性
昨年8月に製品化しました低抵抗ダイヤモンド基板と基本特性は同じです。
4.製品の特長と応用
昨年8月に発売しました低抵抗基板は、7x7mm以下のサイズに限定されていました。このことによって、製作できるデバイスのサイズが小さいか、小型のデバイスでも多数個を同時に製作することは出来ませんでした。今回の新しい商品によって、大型デバイスの試作やその評価を進めることができるようになると考えられます。
また、直径12.5mmのミニマルウエハも製作可能となりました。これによって、対応設備を使用すれば、デバイスの製作を安定して行うことが出来ます。いずれも単結晶ですので、面内の特性は均一です。
5.今後の開発について
当社は継続してダイヤモンドデバイスの開発を後押しする各種の基板やウエハの商品化を計画しております。基本となる単結晶のさらなる大型化にも取り組んでまいります。また、大型の単結晶を接続したモザイクウエハの大型化の開発にも取り組んでおります。
デバイス開発の進展により、各種のエピタキシャル膜を形成した基板も、必要となってくると考えられます。当社はエピタキシャル基板についても対象を広げると共に、量子デバイスの開発に貢献する基板の開発にも注力いたします。
[写真1]:大型低抵抗基板の製品
RB10102PP:低抵抗基板10x10x0.2mm両面研磨
RB13R2PP**:低抵抗ミニマルウエハ
■この件に関するお問い合わせ先
株式会社イーディーピー 営業部
〒560-0085 大阪府豊中市上新田4-6-3
(メール)edp.info@d-edp.jp
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