メルク、米ペンシルベニア州ホームタウンの世界最大の特殊ガス施設への大規模投資を決定
• エレクトロニクス部門のイノベーションと生産能力向上を目的としたメルクの成長プログラム「Level Up(レベルアップ)」の一環として、約3億ユーロをホームタウンに投資
2023年4月12日付、ドイツ・ダルムシュタット発、世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業であるMerck(以下メルク)は、メルクが米国ペンシルベニア州ホームタウンに持つ半導体材料製造拠点の拡張計画における支援について同州と合意したことを発表しました。この計画は、メルクが2021年後半に発表した、2025年までに30億ユーロ超をエレクトロニクス事業部門に投資する成長プログラム「Level Up(レベルアップ)」の一環となります。今回、ホームタウンの拠点に約3億ユーロを投資し、世界最大の統合型特殊ガス施設を拡張することで、メルクが成長のための主力事業と位置付けるBig 3(3大事業)の一つであるセミコンダクターソリューションズ事業の成長を目指します。
メルクの経営執行委員兼エレクトロニクス・ビジネスCEOであるカイ・ベックマン(Kai Beckmann)は、次のように述べています。「半導体業界は足元では景気変動の影響を受けているものの、長期的には半導体材料に対する需要は極めて旺盛であり、重要な電子材料の国内生産力の確保が多くの経済圏において最優先課題となっています。現代の電子機器の頭脳である半導体は、経済成長と国際競争力を維持する上で不可欠な技術を可能にする重要な存在となっています。当社の事業拡大計画は、顧客企業の米国への投資を支援し、当社のグローバルにおける製造拠点をより一層強固にします」
今回の合意には、最低68名の新規雇用創出や、北米および欧州における半導体材料ビジネスの獲得と成長、アジアへの供給能力の補完に向けた大規模な追加投資の可能性も含まれています。現在、先端半導体の製造において、CVD(化学気相成長法)によるタングステン金属成膜に使用されるWF6(六フッ化タングステン)に関して45,000平方フィートの製造設備拡張工事の第1フェーズが進行中です。新工場の操業開始は2024年第1四半期を予定しており、現在、追加投資の一部として第2フェーズの評価も行われています。
この新たなWF6製造設備は、廃棄物を大幅に抑制できる効率的な一段階合成プロセスを利用するなど、持続可能性についても最高水準を満たすことを目指した設計となっています。また、HVAC(空調制御)システムには熱回収機能が搭載されており、消費エネルギーを最適化し温室効果ガスの排出を最小限に抑えています。同工場は現在、グリーンビルディングについて持続可能性やその能力に応じて米国・カナダの連邦政府が格付・認証を与えているGreen Globes(グリーングローブ)の取得を目指しています。
半導体産業の成長に不可欠となるグローバルな生産力を提供する「Level Up」プログラム
メルクは、半導体業界の成長に対応し、エレクトロニクス部門のイノベーションと生産力向上のために、2025年末までに米国、ドイツ、およびアジアで30億ユーロを大幅に上回る「Level Up」成長投資計画を発表しました。以来、多くの投資実績を収めています。本プログラムの一環として、エレクトロニクス事業の米国拠点でも、アリゾナ州、カリフォルニア州、テキサス州、ペンシルベニア州を中心に研究開発および生産能力向上に向けて多額の投資を行っています。具体的には、2023年上半期末までに、アリゾナ州フェニックスの新工場の操業を開始し、当社のデリバリーシステム&サービス(DS&S)事業向け機器を製造する予定です。この新拠点により、DS&S事業のさらなる成長を実現し、半導体産業の旺盛な需要に対して十分対応できる製造能力を持つことができます。
また、2022年には、アジアにおける半導体材料生産力向上に向けた投資として、台湾・高雄市にDS&S施設の新設、中国・上海市には中国電子技術センターや有機発光ダイオード(OLED)材料の製造施設の開設、韓国のMecaro社の化学品事業の買収などを行いました。さらに、今年初めには台湾・高雄市において第二の拠点となる工場の建設を開始しました。本工場では薄膜成膜やエッチング向けの特殊ガスおよび半導体材料製造を行うことになり、2025年の竣工を予定しています。
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約64,000人を超える従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2022年は66カ国で222億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。
メルクエレクトロニクス株式会社について
メルクエレクトロニクス株式会社はメルクのエレクトロニクス・ビジネスの日本法人です。液晶材料の輸入販売および半導体製造用特殊化学品の研究開発、販売を行っています。メルクのエレクトロニクス・ビジネスの詳細については https://www.merckgroup.com/jp-ja/company/who-we-are/electronics.html をご覧ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。