「プロジェクト・ビジョン2022」展示発表会イベントレポート クーパービジョン・ジャパン×東工大野原研究室産学連携プロジェクト
リサイクル可能なコンタクトレンズの“空ケース”の半数が燃えるゴミに捨てられる課題を問い直す 消費者のサステナブルな行動・意識を喚起する体験型デザイン・アートが集結!
ソフトコンタクトレンズ市場世界第2位¹の実績を持つクーパービジョン社の日本法人であるクーパービジョン・ジャパン株式会社(本社:東京都港区六本木1丁目4番5号 アークヒルズサウスタワー、代表取締役社長:井上 佳子)は、東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 野原研究室との共同プロジェクト「プロジェクト・ビジョン2022」において、使い捨てコンタクトレンズのブリスター(空ケース)廃棄に関する環境問題への問いと解決策を、学術的調査とデザイン・アート表現を通して社会へ投げかける、「MishMash²シリーズLooking Beyond Plastic: Rethinking the contact lens blister プラスチックの先に見えるもの:コンタクトレンズのブリスター、どう考える?」を実施しました。
- 展示発表会概要
本展示発表会では、ユーザーによるサステナブルな行動・意識を、学術的調査によって明らかにするとともにデザイン・アート表現を用いて社会に問い直す方法を、東工大 野原研究室が提案しました。人にとって大切な「見る」ことを支えるコンタクトレンズ製品と環境へのインパクトを再考し、プラスチックと人の関係を捉えなおすとともに、サステナブルな未来に私たちひとりひとりが果たす役割について考えました。
- 本プロジェクトの背景:使い捨てコンタクトレンズの環境問題に関する主な調査結果・文献レビュー
●日本国内で1日に排出される空ケースは、推定でおよそ1,400万個(およそ14万kg)
●空ケースはリサイクルに適した素材でできているが、ユーザーの70%がゴミ箱に捨てている。
リサイクル用の回収箱に空ケースを持ち込むユーザーは4%ほど。
●消費者の行動にパッケージデザインが影響を与える。
<調査概要>
調査対象:日本在住の15~49歳(スクリーニング調査 2,201名、本調査 450名)
調査期間:2022年9月29日~10月6日
調査方法:インターネット調査サービス Fastask
- 野原研究室による、ユーザーのサステナブルな行動を問い直すデザイン・アート表現案の展示・体験
野原研究室による、デザイン・アート表現案が展示されました。
使用済みの空ケースが分別され、回収、リサイクルに至るまでのプロセスを追体験できるゲーム型のプロトタイプや、ひとりひとりの小さな行動が未来の環境のバランスを変え、大きな影響を与えることが感じられるアートなど、来場者が実際に触れたり、遊んだりすることができる体験型の展示となりました。
制作を担当した野原研究室の学生による解説のもとで、子どもから大人まで多くの方がデザイン・アート表現案を体験しながら、コンタクトレンズと環境について思索し、議論しあうことができました。
- トークセッション・総評
<展示発表会を終えて:東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 教授 野原佳代子>
今回の取り組みについてお声がけを頂いた際、クーパービジョン・ジャパンさんがプラスチックごみの廃棄に対し企業として果たすべき責任を真剣にお考えだった点に共感し、プロジェクト実施に至りました。テーマは「見ること」と「ブリスターの排出」という、コインの裏表のような2つの人間の行為です。ただの「見る」から、どうやって我々はより高次のビジョンをともなう「見る」にたどり着けるのか。我々の専門は「翻訳学」です。本プロジェクトは、学術的調査の結果を自分たちなりに解釈し、それをアートあるいはデザイン作品という形に翻訳して表現し、生活者の意識や行動にポジティブな影響を与えるという当研究室らしいチャレンジとなりました。
学生たちは、環境問題への当事者意識が高い世代にあります。東工大が得意とする科学的なリサーチや分析結果をふまえた上で、デザイン/アートという広がりのある手法で人々の意識に訴えアクションを促すことは大きな挑戦だったといえます。今回我々が展示した、実際に触れて体験ができるインタラクティブなデザインとアートを通して、来場者の皆さんが環境問題について議論し、日々の行動を少しでも変えるきっかけになれば幸いです。
<展示発表会を終えて:クーパービジョン・ジャパン株式会社 代表取締役社長 井上佳子 コメント>
「東京工業大学 野原研究室の野原教授、学生の皆様を始め、多くの関係者の皆様とこのような機会を頂き、アカデミックとビジネスが融合した今回のプロジェクトを実施できたこと、心より御礼申し上げます。
本プロジェクトを通して、沢山のポジティブな刺激、気づきや学びをいただきました。日々、大量に消費されるブリスターですが、2次利用の可能性を追求した作品と出会い、大いに希望を感じました。可能性を新たな「素材」として見出すか、新しい「加工品」として見出すか、様々なオプションがあるものの、その2次利用性の高さに改めて気づかされる展示内容でした。
現状ではブリスターのリサイクル率は低いです。多くの人がこの問題を自分事として捉えることがスターティングポイントだと思います。自ら、回収箱へ持ち込もう、また、サステナブルな行動を起こそうと考え、自分化につなげることが重要です。東京工業大学 野原研究室の皆様にご提案いただいた可能性を、本プロジェクト一回きりで終わらせるのではなく、クーパービジョン・ジャパンとして今後どう活かしていくのか。サステナビリティの問題への取り組みを継続してまいります。」
- トークセッション・パネリスト
- イベント概要
「MishMash シリーズ Looking Beyond Plastic: Rethinking the contact lens blister
プラスチックの先に見えるもの:コンタクトレンズのブリスター、どう考える?」
●開催日時:
<デザイン・アート表現案の紹介とプロトタイプの展示・体験>
2023年3月3日(金)13:00~17:00/3月4日(土)10:00~17:00
<トークセッション>
2023 年 3 月 5 日(日) 13:00~15:00
●開催場所:
Shibuya QWS(東京都渋谷区渋谷2丁目 渋谷スクランブルスクエア 15F)
●登壇者:東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 教授 野原佳代子
東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 助教 朱心茹
東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 WRHI 特任教授 Dr. Betti MARENKO (ビデオ登壇)
武蔵野美術大学造形構想学部長・教授 井口博美
有限会社プロトタイプ 代表取締役 渡辺光章
ナヴァプロダクツ 坂本 敏昭 クーパービジョン・ジャパン 代表取締役社長 井上佳子
(敬略称)
- クーパービジョンみらいプロジェクトについて
- クーパービジョンについて
1 クーパービジョン・ジャパン調べ
2 MishMash は、野原研が主催するアート/デザイン系イベントのシリーズ名
3 2020 年米国クーパービジョン社内資料
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