ネスプレッソがコマーシャル・アナリティクスを活用して2桁成長を実現した方法 : データの統合とチームの団結
ネスプレッソは、マーケティング測定および最適化のリーダーであるAnalytic Partners (アナリテック・パートナーズ)と協力し、「コマーシャル・アナリティクス・プログラム」を導入しました。
本プログラムでは、従来の広告データを超えた幅広いデータを統合することで、ネスプレッソは新たな成長機会を見出し、投資測定範囲を3分の1から3分の2に拡大、さらに2桁の売上成長を達成しました。このデータ駆動型のアプローチは、計画プロセスを変革しただけでなく、マーケティング、営業、財務の各チームを結束させ、共通のビジネス目標に向けて連携を促しました。
Analytic Partnersとの提携による2桁成長と組織改革の実現
ネスプレッソは、本プログラムを通じて、以下のような変革的な成果を達成しました:
· 測定範囲の拡大: マーケティングおよびセールスの投資費用の測定範囲を全体の3分の1から3分の2へ拡大
· 意思決定の迅速化: 従来の四半期レビューを月次のレポートサイクルへ変更し、リアルタイムでの予算調整が可能に
· 収益の増加: 販促活動が主な収益ドライバーであることが分かり、前年比でマシンとカプセル販売が2桁成長
· 部門間の連携強化: 部門横断的なアプローチにより、透明性と信頼性が向上し、部門間の連携を促進
· GPS-Enterpriseダッシュボードの活用: 各チームが個別の予算を守る姿勢から脱却し、全社で統一されたマーケティングおよびプロモーション戦略にシフト
コマーシャル・アナリティクス・プログラム立ち上げの背景
ネスプレッソのビジネスモデルは複雑で、ブランド構築、マシン販売、カプセル販売を目的とした多様なプログラムを展開しています。これには、デジタル、DTC(消費者直接取引)、小売店舗、オンラインマーケットプレイスが含まれます。
従来の測定プログラムは主に広告効果の評価に重点を置いていましたが、他の重要な活動のROI(投資対効果)を十分に把握できていませんでした。たとえば、販促イベントや小売パートナーシップなど、売上に大きな影響を与える要素が十分に測定されていませんでした。
また、ネスプレッソはマシン販売がカプセル収益に寄与していることを認識していたものの、その相関関係を明確に測定する方法がありませんでした。マーケティング分析チームは、マーケティング、製品、小売、運営、季節性、販促活動など、顧客の購入意思決定に影響を与えるすべての要素を定量化し、それらの相互依存関係を理解することで、包括的なビジネスインサイトを得ることを望んでいました。
戦略:従来のMMMからの脱却と部門間の協力体制強化
ネスプレッソは、従来のメディアミックスモデリング(MMM)の限界を認識していました。従来のMMMでは、消費者行動や購入意思決定に影響を与える多様な要素を捉えることができません。また、過去の結果を評価するだけの「成績表的な測定」ではなく、行動に繋がるインサイトを得られる革新的な分析を求めていました。この未来志向のアプローチで、成長に必要な推進要因を最大限に活用し、継続的なビジネス改善のための戦略的な提言をもたらすことを目標としました。
ビジネスへの影響を最大化するため、ネスプレッソは、マーケティングやメディアチームに加え、プロモーション、営業、財務などの部門も含めたステークホルダーを巻き込みました。この協力体制は、特に予算を複数の施策間で再配分する際に、部門間の連携と明確な意思疎通を確保する上で重要でした。
この部門横断的なアプローチにより、投資の範囲が拡大し、組織のチェンジマネジメントの重要性が浮き彫りになりました。そして部門間の協力は、成長目標を達成する上で不可欠であることが分かりました。
ソリューション: GPS-Enterpriseと多様なデータ活用
Analytic Partnersとの提携
ネスプレッソは、Analytic Partnersと密接に協力し、Amazon、Meta、Google、小売パートナーのデータを活用して、従来よりも広範なデータ分析を行いました。この取り組みにAnalytic Partners が提供する最先端の意思決定プラットフォーム「GPS-Enterprise」が活用され、リアルタイムの洞察と予測シナリオを見出すことができました。
部門横断的な協力
マーケティングや財務、eコマース、営業運営などの部門横断的なステークホルダーへのインタビューを通じて、プログラムの重要な課題を明確化しました。この初期段階での関わりが、のちの意思決定フレームワーク導入を成功に導きました。
分析結果から得た重要な洞察
分析の結果、小売パートナーを通じたマシン販売がビジネスにおいて重要な役割を果たすことが確認されました。これらの販売は直接的な収益には貢献しないものの、プロモーション投資や店舗イベント計画において重要であり、これにより、各チャネル(DTC、取引パートナー、大手オンライン小売)の予測精度が向上し、正確な計画の立案が可能となりました。
複数の異なるゴールのバランスを図る多次元的な分析
コマーシャル・アナリティクス・プログラムに従来のメディアチャネルだけでなく、小売売上や季節性、財務データ、業務データなどを組み込み、競合するビジネス目標間のバランスを図る多次元的な分析が行われました。
リアルタイムの動向分析と月次レポート
GPS-Enterpriseプラットフォームを使用して、シナリオ計画やリアルタイムのトレンド分析を実施しました。また、月次レポートでは予測と実績を比較し、迅速な予算修正が可能となりました。結果、繁忙期の販促予算を最適化し、販売効果を高めることに成功しました。
この定期的なレポートは、財務およびマーケティング計画の精度を向上させ、営業チームや財務チームがより正確な予測を実現することを支援しました。また、GPS-Enterpriseのダッシュボードは、ステークホルダー間の調整を容易にし、マーケティングとプロモーションの予算が一貫して効果的に活用されました。
結果:2桁成長と組織改革
新たな戦略とパフォーマンスの大幅な向上
シナリオ計画の活用により、繁忙期に予算を集中させる戦略が推奨され、これまで逃していた投資機会も見出されました。さらに、このプログラムを通じて販促活動が売上の主要な原動力であることが判明し、これにより、ネスプレッソはマシンユニットとカプセルの販売を前年比で2桁成長させることができ、大きな成果を収めました。
「Analytic Partnersとのコマーシャル・アナリティクス・プログラムは、過去の結果だけでなく、将来のシュミレーションも提供しており、計画の立案に役立っています。これにより、ステークホルダーとより頻繁に会議を開き、リアルタイムのトレンドの評価や、予測と実績を比較し、チーム全体で意思決定を行う機会が増えました。これまでよりも迅速に対応できるようになり、ステークホルダーは我々の成長を非常に嬉しく思っています。」
– タヌジ・グプタ氏、ネスプレッソ マーケティングアナリティクス・データ&インサイト
本事例、ソリューションについて日本でのお問合せ先
Analytic Partners (アナリティック・パートナーズ)
小島、伊藤 - info@analyticpartners.com
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Analytic Partners(アナリティック・パートナーズ)について
2000年に設立され、現在米国マイアミに本社を置く Analytic Partners は、革新的なマーケティング測定と最適化の分野で業界リーダーとして認知されています。業界横断的かつグローバルな専門知識を伴い、従来のマーケティングミックスモデリング (MMM) やマルチタッチアトリビューション (MTA) 分析を進化させたコマーシャル・インテリジェンス・ソリューションを提供し、ブランド全体のパフォーマンス最適化を図ることで、ブランドの成長を支援しています。
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