【新卒採用における不採用者の再応募意向と企業への関心調査】最終選考まで進んだ企業への再応募意向は45.8%!求職者の半数近くが中途採用での再チャレンジを視野に
~ 不採用後も企業の動向への関心は高く、「事業や業績ニュース」31.7%、「中途採用求人情報」30.8%が上位に ~

調査サマリー
・不採用通知への満足度:47.6%が肯定的な一方、約4人に1人が不満を感じる
不採用通知の伝え方に満足している求職者は47.6%にのぼるものの、約4人に1人は不満を感じており、通知の内容や伝え方の改善が求められている。
・不採用通知後の企業イメージ:44.0%が「良くなった」と回答する一方で、26.9%は「悪くなった」
不採用通知を受けた後の企業の印象については、「良くなった」44.0%、「悪くなった」26.9%と評価が2極化。不採用通知の伝え方が企業イメージを大きく左右することが明らかになった。
・最終選考まで進んだ企業への再応募意向:45.8%が「また応募したい」と回答
最終選考まで進んだ企業に対しては、45.8%が「中途採用で再応募したい」と前向きな姿勢を示す一方、「どちらとも言えない」が32.6%と最も多い結果に。企業の今後の対応次第で意向が変わる可能性も示唆された。
・不採用後でも受け取りたい情報:事業や業績ニュース31.7%、中途採用求人情報30.8%が上位
不採用後も企業の動向を追い続けたい求職者が多く、「会社の事業や業績に関するニュース」(31.7%)や「中途採用の求人情報の案内」(30.8%)に関心が集中。一方で、「何も受け取りたくない」とする層も21.2%存在しており、適切な情報提供のバランスが今後の課題となっています。
調査概要

調査方法 |
インターネット調査 |
調査対象 |
過去2年以内の新卒採用の経験者で、 不採用通知を受け取ったことのある全国の20代の男女 |
有効回答数 |
227 |
調査実施日 |
2025年2月4日 |
調査背景
新卒採用における不採用通知は、企業と求職者の最後の接点となる重要な瞬間です。
しかし、多くの企業では「お祈りメール」として機械的に処理されることが多く、その伝え方がどのような影響を及ぼしているのかは、十分に検証されていません。
一方で、企業にとっては一度不採用となった候補者も、数年後には中途採用の有力な候補者となる可能性があります。不採用時の対応によっては企業イメージを損ねるだけでなく、将来的な採用活動にも影響を与えかねません。
そこで本調査では、過去2年以内に新卒採用で不採用通知を受け取った求職者を対象に、通知を受けた経験が企業への印象や転職意向にどのような変化をもたらしたのかを明らかにします。
不採用通知を受けた後でも企業に興味を持ち続ける人はどの程度存在するのか、また、どのような対応が企業イメージの維持・向上に効果的なのか。
これらの疑問をデータに基づいて検証し、採用プロセスの改善につなげることを目指しました。
調査結果
1. 不採用通知への満足度:47.6%が肯定的な一方、約4人に1人が不満を感じる

まず初めに、不採用通知の伝え方に対する満足度を調査しました。
その結果、「非常に満足した」が19.8%、「やや満足した」が27.8%と、47.6%の求職者が不採用通知に満足していることがわかりました。
一方、「どちらとも言えない」が29.5%で最も多く、不採用通知に対して良いとも悪いとも感じていない層が一定数存在することが特徴的です。
また、「やや不満があった」(15.0%)と「非常に不満だった」(7.9%)を合わせると22.9%となり、約4人に1人が不採用通知の伝え方にネガティブな印象を持っていることが明らかになりました。
この結果から、企業の不採用通知は一定の満足度を得ているものの、多くの求職者にとって特別印象に残る対応にはなっていない可能性が伺えます。
特に「どちらとも言えない」の回答が最も多い点は、企業が使用する通知フォーマットや伝え方にさらなる工夫の余地があることを示唆しています。
求職者に対して丁寧かつ誠実な対応を心がけることで、企業の印象をより良いものにすることができるかもしれません。
2. 不採用通知後の企業イメージ:44.0%が「良くなった」と回答する一方で、26.9%は「悪くなった」

次に、不採用通知を受けた後に企業への印象がどのように変化したのかを調査しました。
その結果、44.0%の求職者が不採用通知を通じて企業に対してポジティブな印象を抱くようになったことがわかりました(「非常に良くなった」17.6%、「やや良くなった」26.4%)。
最も多かった回答は「変わらない」(29.1%)で、不採用通知が印象に影響を与えなかったケースも一定数存在しています。
一方、企業への印象が悪化したと回答した求職者は全体の26.9%(「やや悪くなった」17.6%、「非常に悪くなった」9.3%)に達し、約4人に1人が不採用通知によってネガティブな印象を持ったことが明らかになりました。
この結果から、不採用通知の伝え方によって、求職者の印象が大きく左右されることがわかります。
適切な対応が企業評価の向上につながる一方、配慮に欠ける通知は企業ブランドを損なう可能性があります。
特に「良くなった」と回答した人が4割以上いることを考えると、不採用通知を単なる結果報告ではなく、企業の姿勢を伝える重要な機会として活用することで、将来的な採用活動にもプラスの効果をもたらすことができるかもしれません。
3. 最終選考まで進んだ企業への再応募意向:45.8%が「また応募したい」と回答

さらに、新卒採用で最終選考まで進んだものの不採用となった企業への、中途採用時の再応募意向について調査しました。
その結果、45.8%の求職者が再応募に前向きであることがわかりました(「非常に高い」19.8%、「やや高い」26.0%)。一方で、「どちらとも言えない」が32.6%で最も多く、再応募に踏み切るかどうかを決めかねている人も少なくありません。
また、再応募意向が低いと回答した求職者は全体の21.6%(「やや低い」11.0%、「非常に低い」10.6%)で、約5人に1人は再応募に消極的な姿勢を示しています。
この結果から、最終選考まで進んだ企業に対しては、不採用後も一定の信頼感が持続していることが分かります。特に、約半数の人が「また応募したい」と考えていることは、企業側にとって大きなチャンスと言えるでしょう。
しかし、再応募を迷っている層が3割以上いることを考えると、不採用後のフォローや対応が重要であることは明らかです。
たとえば、求職者に対して丁寧なフィードバックを提供したり、キャリアに役立つ情報を継続的に発信したりすることで、将来的に良好な関係を築くことも可能でしょう。
実際、不採用であっても企業イメージがポジティブであれば「また挑戦したい」と感じる求職者は少なくありません。こうした視点を持って対応することが、長期的な人材確保や企業ブランドの向上につながるのではないでしょうか。
4. 不採用後でも受け取りたい情報:事業や業績ニュース31.7%、中途採用求人情報30.8%が上位

最後に、不採用となった企業から「今後どのような情報を受け取りたいか」を尋ねたところ、「会社の事業や業績に関するニュース」が31.7%で最も多く、「中途採用の求人情報の案内」(30.8%)がそれに続きました。
多くの求職者が、企業の動向や再応募の可能性に依然として関心を持っていることが伺えます。
また、「業界トレンドの把握に役立つコラム」(28.6%)や「企業主催のセミナー・勉強会の案内」(18.9%)など、キャリアアップにつながる情報を求める声も一定数ありました。
一方、「何も受け取りたくない」(21.2%)と回答した人も少なくなく、不採用後は企業との接点を断ちたいと考える層が一定数存在することも見過ごせません。
しかし一方で、「特に受け取りたい情報はないが、今後のためにコンタクトを維持したい」(10.1%)とする層もおり、企業側のアプローチ次第では関係を続けられる可能性もあります。
特に最終選考まで進んだ求職者のなかには、企業とのつながりを完全に断つわけではなく、将来的なチャンスを見据えて情報を受け取りたいと考える傾向が見られます。
企業としては、求職者が関心を持つトピックを適切に提供し、無理のない形で関係を維持していくことが、将来的な採用活動にも良い影響を与えるのではないでしょうか。
まとめ
今回の調査から、不採用通知を受けた求職者の反応は一様ではなく、その後の企業に対する印象や継続的な情報の受け取り意向にも違いがあることが明らかになりました。
不採用通知の伝え方次第で、企業への印象が良くなる場合もあれば、逆に悪化するケースも少なくありません。
また、最終選考まで進んだ求職者の多くは「将来的に再応募したい」と前向きに捉えている一方で、企業の対応や情報提供の仕方によって意向が変わる可能性があることも示唆されています。
特に、企業の動向や中途採用の情報に引き続き関心を寄せる求職者が多いことは、採用活動における「継続的な関係構築」の重要性を表しています。ただし、一定数の求職者は「何も受け取りたくない」と回答しており、全ての求職者に一律のアプローチを行うのではなく、対象者ごとに適切な対応を考える必要があります。
この結果を踏まえ、企業が注力すべきポイントは、主に以下の3点です。
-
不採用通知の伝え方を最適化する
- 形式的なお祈りメールではなく、求職者に対して丁寧さや配慮が感じられる表現を取り入れる。 -
セグメント別の情報提供で再応募の機会をつくる
- 情報を求める層と求めない層を見極め、適切なタイミングでキャリア情報や企業動向を発信する。 -
長期的な視点で“人材プール”を形成する
- 不採用者も将来の採用候補と捉え、過度なアプローチを避けながら適切にコンタクトを続ける。
不採用者との丁寧なコミュニケーションは、企業のブランドイメージだけでなく将来の採用活動にも大きな影響を与えます。
ただ結果を通知するだけで終わらせず、長期的な視点で「再び挑戦したい」と思ってもらえるような関係性を築くことで、安定的かつ質の高い人材プールの形成につなげることができるでしょう。

株式会社Value market 代表取締役 内田 裕希によるコメント
採用活動において、不採用通知はどうしてもネガティブな側面が強調され、無機質な対応になりがちです。しかし今回の調査結果から、不採用通知の伝え方やその後のフォロー次第で、企業の印象や将来的な転職意向に大きな影響を与える可能性があることが改めて明らかになりました。
新卒採用で出会う求職者との関係は、選考結果の可否によってすぐに終わるわけではありません。彼らが成長し、数年後に再び企業と接点を持つケースも十分に考えられます。
そのため、不採用通知を単なる結果報告の手段としてではなく、長期的な関係性を築くプロセスの一部として捉え直すことが重要です。
今回の調査を通じて、不採用通知後の対応が今後ますます重要になることを改めて実感しました。今後は、より多くの企業が求職者とのつながりを大切にし、将来の可能性を広げるような取り組みを進めていくことが期待されます。
株式会社Value market について
株式会社Value marketは、「成長を、技術革新する」というビジョンを掲げ、エンジニア紹介による採用支援や採用コンサルティング、SaaS開発を中心とした幅広い事業を展開しています。
【事業内容】
(1)スタートアップ×フリーランスエンジニアの専⾨エージェント 「Code Climber」
キャリア志向の強い即戦力のフリーランスエンジニアをスタートアップにご紹介。対象領域を限定することで、専門性の高い支援を実現しています。
(2)CTO/VPoEの育成型・採用支援サービス「CTOut」
CTO/VPoEを目指す主に30代エンジニアに対して、業務委託で働きながらキャリアアップを目指す、伴走型の支援を提供しています(フィット後はそのまま幹部候補として転職)。
(3)採用コンサルティング(求職者視点でのプロセス改善)
" 求職者の採用体験 "を向上させる採用の仕組みづくりを伴走支援。独自の分析手法で採用ノウハウを提供し、内製化までサポートしています。
当社は、企業が直面する「採用」に関する課題に対し、求職者の声を生かした独自の分析手法と専門的なノウハウを用いて解決策を提供しています。市場が「企業が選ぶ採用」から「求職者に選ばれる採用」へと変化する中、株式会社Value marketは、より多くの企業に選ばれる採用体験の構築を支援し、日本経済の発展に貢献してまいります。
会社概要
会社名:株式会社Value market
所在地:東京都渋谷区恵比寿2-28-10
代表:内田 裕希
設立:2016年8月8日
顧問弁護士:弁護士法人 エジソン法律事務所
有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313313
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