小型家電由来 廃プラスチックの資源循環プロセス確立に向けた調査・分析を開始
東京都「令和5年度革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクト」の事業者に採択
資源循環プロセスのイメージ
当事業は、小型家電に由来する廃プラスチックの高度なリサイクル技術の社会実装を目指すもので、小型家電の一部品目を対象として、回収から再製品化までのプロセス構築、小型家電の回収量やリサイクル材の品質などの分析、将来的な効果のシミュレーション、課題解決の方針検討などを行う調査・分析事業を7月7日から開始しました。
小型家電由来の廃プラスチックは、家電リサイクル法が定める冷蔵庫、エアコン、洗濯機、テレビの4品目から回収される廃プラスチックと比較して、資源としてのリサイクル率が低く、約8割※2が燃焼による熱をエネルギーとして再利用するサーマルリサイクルによって処理されています。このサーマルリサイクルはCO2を大量に排出するため、脱炭素の観点からも資源としてのリサイクル率の向上が期待されています。また、2023年度までに年間14万トンの小型家電の回収を目指すとする政府目標の達成に向けては、大規模な回収ルートの確立による回収量の大幅な増加も期待されています。
今後、当事業での調査や検証の結果をもとに、小型家電の回収から解体、廃プラスチックの選別、コンパウンド※3、再製品化までの一連のプロセスを一気通貫で確立することで、再資源化を大きく促進させる仕組みの構築・社会実装を目指します。
当社は、これまで家電リサイクルにおいて長年培ってきたプラスチックの静電選別等の高度選別技術ノウハウを当事業に提供することで、さらなる循環型社会とカーボンニュートラルの実現に貢献します。
■事業の概要
・名称
小型家電由来の廃プラスチック再資源化の加速:大規模店舗回収ルート開拓と高度選別技術による一気通貫な資
源循環プロセスの確立
・期間
2023年7月~2024年3月(9カ月間)
・内容
小型家電において、金属類に比べ再資源化が遅れているプラスチックに対し、資源循環の推進に資する技術の組
み合わせにより、プラスチックの持続可能な利用を大きく前進させ得る仕組みを構築し、2025年度までに段階
的な社会実装を目指すための調査・分析を行う
■資源循環プロセスの概要
・家電量販店の店舗で集めた小型家電を認定事業者が解体し、プラスチックを分別、破砕後に静電選別等の高度選
別技術で材質別に選別。選別されたプラスチック破砕片をマテリアルリサイクル業者へ搬送し、リサイクル製品
の原料としてコンパウンド。リサイクル材は製品メーカーにて再製品化し、小型家電に水平リサイクル※4を予
定
・一連の工程をデジタルプラットフォームに登録することで、回収量やCO2削減量といった環境貢献度の算出、排
出量の削減に向けた取り組みに対する効果の確認が可能
■役割分担
社が保有する静電選別技術の概説図
■今後の予定・将来展望
本事業における調査や検証の結果をもとに、2023年度末を目標に静電選別の実証機を完成させ、2024年度に実証機を用いた選別試験を実施します。これにより、静電選別技術の有効性を検証するとともに、資源循環プロセスの対象となる小型家電の品目範囲を拡大していく予定です。
■東京都「令和5年度革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクト」について
東京都による、使い捨てプラスチックの大幅なリデュース・リユースや、バージン資源と同等の樹脂に戻す水平リサイクルの実装化を推進するため、革新的技術・ビジネスモデルの社会実装を目指す事業者を公募する取り組みです。
今回、本事業の提案内容に対し、革新性や有効性、実装可能性等が評価され、採択に至りました。
■各社概要
1.事業主体
2.参画企業
※1 東京都サイト:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/05/31/10.html
※2 出典:認定事業者による再資源化実績(2021:環境省)
※3 プラスチックに着色剤、添加剤、顔料などを混ぜあわせて、新たな機能を持つプラスチックへ加工すること
※4 回収した製品の原料を用いて、再び同じ種類の製品へリサイクルすること
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 営業本部 事業推進部 リサイクル共創センター
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
E-mail:info.recycle@mf.MitsubishiElectric.co.jp
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