改正障害者差別解消法の施行から半年!合理的配慮に関する実態調査のレポートを公開!
~障害者からミライロ目安箱へ寄せられるご意見の件数は1年間で約17,000件を超えました~
株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市、代表取締役:垣内俊哉、以下「ミライロ」)は、2021年10月に有識者を招いて「民間事業者による合理的配慮推進委員会」を発足しています。その委員会活動の一環として、第3回目となる合理的配慮に関する実態調査を行い、その内容をレポート(以下「本レポート」としてWebサイトに公開いたしました。
Webサイトはこちら→ https://www.mirairo.co.jp/rapc
合理的配慮推進委員会では、合理的配慮の提供に関する実態を把握するため、設立当初の2021年12月に約1,000名の障害者と、300の事業者から回収したアンケート調査レポートを公開しました。続いて2023年7月には約2,000名の障害者の声を集めた調査レポートを公開し、ミライロ目安箱※の設置を行いました。本レポートは、改正障害者差別解消法の施行後初となるアンケート調査結果となります。
※ミライロ目安箱URL:https://mirairo-id.jp/meyasubako/
本調査の目的
民間事業者による障害者への合理的配慮の提供が法的義務化された改正障害者差別解消法が2024年4月1日に施行されました。施行から半年経つ現在に至るまで、民間事業者におかれては、どのように、どこまでの範囲で障害者へ合理的配慮の提供を行うべきか、手探りの状態が続いています。本レポートでは、障害者がどのような合理的配慮をどこまで求めているか、加えて社会で実践されている好事例から残念な事例まで収集した情報を公開しています。各事業者が事前的改善措置(環境整備)や合理的配慮の提供を推進する参考資料を社会に提供することが本レポートの目的です。
合理的配慮の提供が義務化されたことの認知度は、障害者の間でも4割に満たない
「2024年4月に施行された改正障害者差別解消法において、民間事業者の障害者に対する合理的配慮の提供が法的義務になったことを知っていますか?」という設問に対しては、「知っている」と回答した障害者は36%でした。すべての障害種別で「知っている」よりも「知らない」が多く、障害者の間でも合理的配慮の提供が義務化されたことの認知度は、改正法が施行された後も高まっていないことがわかります。
障害者と事業者の間の「建設的対話」を促進する上では、障害のある人に対する改正法の認知度やリテラシーを高めることも重要であると考えられます。実際に、本アンケートでも「改正障害者差別解消法の理念に照らして、事業者の立場にたって配慮を求める障害者が増えるべきだ」という声も寄せられました。
浸透しない相談窓口の認知度
行政がもうけている相談窓口の認知度、利用実態についてもアンケートで聞いたところ、そもそも相談窓口があることを知らない障害者が約8割近くにのぼり、利用したことがある方も約15%と低い水準であることがわかりました。改正障害者差別解消法では内閣府が中心となって相談窓口を明確化することが基本方針として掲げられており、内閣府が「つなぐ窓口」を試行事業として2023年10月からスタートさせています。その「つなぐ窓口」※も、「利用したことがある」と回答した障害者は約2%に留まっています。
※つなぐ窓口:
障害者差別解消法に関する質問に回答すること及び障害を理由とする差別に関する相談を適切な自治体・各府省庁等の相談窓口に円滑につなげるための調整・取次を行うことを目的に、令和 5 年 10 月から令和 7 年 3 月まで試行的に設置されている窓口。
参考)https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_tsunagu.html
令和6年版障害者白書(URL:https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r06hakusho/gaiyou/pdf/r06gaiyou.pdf)によれば、「つなぐ窓口」での相談件数は、試行開始時の2023年10月から半年で1,163件という結果でした。なお、この数字には、事業者からの相談件数も含まれています(下図参照)。
出典: 令和5年度障害者施策の概況(令和6年版障害者白書)<概要>
URL:https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r06hakusho/gaiyou/pdf/r06gaiyou.pdf
「ミライロ目安箱」には17,000件の障害者の声が集まる
昨年7月に実施したアンケート調査では、障害者が差別的取扱いを受けたり、合理的配慮の不提供を感じた際に、もっと身近に聞いてくれる窓口があってほしいというニーズが多く寄せられました。そこで、合理的配慮推進委員会の事務局を務めるミライロが運営するデジタル障害者手帳「ミライロID」※のアプリ内に、「ミライロ目安箱」を設置することにいたしました。この目安箱では、障害のある方やその周りの方(家族や友人)が直面する社会的障壁や差別的取扱い、合理的配慮の不提供の事例などをお寄せいただくことができます。
ミライロ目安箱の設置をした2023年7月から2024年7月の1年間で、約17,000を超える当事者及びその家族からの声が集まりました。
ミライロIDとは?
デジタル障害者手帳「ミライロID」は、障害のある人に向けたスマホ用アプリです。
カバンや財布から取り出していた障害者手帳を、スマホでパッと提示できます。
詳細は、以下のページをご参照ください。
委員会の今後とミライロ目安箱
合理的配慮推進委員会としては、事業者の環境整備や合理的配慮の提供を推進していくために活動を続けてまいります。これまでどおり、当事者の声を事業者に届けながら、各事業者の環境整備や合理的配慮の提供を推進するための参考となる情報発信に努めるとともに、ミライロ目安箱に寄せられる声を収集しながら政府や地方公共団体が推進する相談窓口事業との連携可能性を模索していきたいと思います。障害者と事業者の結節点をつくり、建設的対話を生み出しながら、両者が対立するのではなく、共に解決策を見出していく社会の実現に寄与してまいります。
本プレスリリースに関するお問合せ
株式会社ミライロ(合理的配慮推進委員会事務局) 経営企画部 梶尾
【E-mail】press@mirairo.co.jp
【委員会ウェブサイト】https://www.mirairo.co.jp/rapc
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 福祉・介護・リハビリ経営・コンサルティング
- ダウンロード