デジマール、F&B領域で“再現性ある売上モデル”の開発に着手。旗艦店「Kimmy」を開業

浅煎りブレンド、玄そば100％ガレット、酒蔵素材のスペシャリテ──香りと体験を“来店理由と再来店理由”へ変える、デジマールのF&B実証モデル

デジマール

2025年12月3日 11時22分

デジタルマーケティング支援を手がけるデジマール株式会社（東京都品川区）は、同社が長年オンライン領域で培ってきたマーケティングメソッドを飲食領域へ応用し、その有効性を実証する旗艦店舗「Kimmy（キミー）」を開業しました。

Kimmyは、香り・導線・SNS投稿率・予約導線・LTV といった指標を統合管理し、“売れる理由をデザインする飲食モデル”の研究開発拠点として運営されます。

Kimmyが取り組む主要テーマ

飲食業界では、SNSでの露出や偶発的な投稿に集客が左右されやすく、再来店率の低下や売上の不安定化が課題となっています。デジマールは、マーケティングの思考をF&Bへ最適化し、以下に挙げる主要領域を軸に“再現性ある売上モデル”の開発を進めます。

①香りや味覚のブランド資産化

②来店動機と導線の設計

③SNS投稿とUGCが“偶発ではなく自然に発生する状態”の設計

④予約導線を軸としたLTV向上

⑤デリバリー検索や注文行動の最適化とデータ活用

以上5つの領域を中心に、包括的なモデル開発に取り組んでいます。

また、Kimmyでは、時間帯ごとに明確な来店動機と提供価値を設計しています。朝・昼・夜それぞれの体験を“独立したブランド接点”として構築しながら、1日を通じて連続性のある顧客体験とLTV向上モデルを検証しています。

朝（Morning）には、協業パートナー MAHIRO COFFEE と共創した Kimmy専用オリジナル浅煎りブレンドコーヒーを主軸としたカフェ体験を提供し、香りと余韻を来店理由として機能させる入口戦略を設計。サンドイッチや軽食と組み合わせ、滞在価値の向上とリピート性の検証を行います。

昼（Lunch）には、福井県産玄そば100%を使用した粗挽き自家製粉そば粉のガレットをメインに提供し、素材・香り・食感・ビジュアルをブランド資産化。SNS投稿率や滞在満足度との相関を測定・評価する検証型ランチモデルとして運営いたします。

夜（Dinner）には、完全予約制のフレンチコース料理のみを提供し、フルコースの提供強度・素材ストーリー・デザート（スペシャリテ：一白水成の酒粕プリン）を統合したプレミアムダイニング体験として構築。再予約率・LTV・口コミ波及の再現性を検証する取り組みを行います。

デリバリー導線の研究と最適化

デリバリー導入を通じて“オンラインとオフラインの行動データを統合したF&Bマーケティングモデル”の開発を進めていきます。デリバリーは店舗来店とは異なり、検索結果・写真・価格・レビューといった情報が瞬時に比較される特殊な市場であり、飲食体験の入口そのものが可視化される領域です。ここにデジマールが持つマーケティング・タッチポイント設計の知見を重ねることで、多角的な検証を行います。

プラットフォーム内検索でどのキーワードやカテゴリに最も反応が出るか、メニュー画像の構図や色味がクリック率にどう影響するか、コピー表現によって購買意欲がどう変動するかなど、デジタル広告と同等の精度で各要素のPDCAを実施。また、エリア・時間帯別の注文傾向を分析し、広告配信タイミングやクーポン施策を最適化。さらに、初回注文から再注文へつながる導線を細かく分解し、LTV向上のための打ち手を体系的にモデル化していきます。

こうした取り組みにより、店舗体験・予約導線・デリバリー導線が単独で機能するのではなく、相互に補完し合う“立体的なブランド接点設計”を構築し、飲食店の売上構造をより再現性の高いものへと進化させることを目指します。

空間 × 体験設計の店舗づくり

Kimmyの空間は、単なる内装ではなく“マーケティング体験の一部”として設計されています。飲食店が検索・SNS・口コミを中心に選ばれる状況において、空間がどのように写真へ写り、どのアングルがクリック率を高め、どの瞬間が「投稿したくなる体験」を生み出すのか——そのすべてを検証していきます。

まず、店内はミニマルラグジュアリーと上質素材を掛け合わせ、余白と陰影が美しく立ち上がる照明計画を採用しています。一歩入った瞬間の空気感が“香り”“光”“温度”で印象づけられるよう設計されており、ガレットの焼き音やコーヒー抽出の音も、体験価値として一貫性を持つよう調整しています。

また、MEOで表示される写真がブランドらしさを適切に伝えるよう、座席配置・導線・視界の抜け感を徹底的に設計。どの席から撮影しても構図が整うよう、背景の色、テクスチャ、光の反射まで繊細に調整しています。これにより、来店者の自然な投稿が増え、ファンによって“最適なクリエイティブ”が量産される状態を目指しています。

さらに、調理や抽出の瞬間をあえて見せるオープンキッチンは、香り・音・動きが連続するライブ体験として機能します。ガレットの焼き上がりの香ばしさ、コーヒーの湯気が立ちのぼる瞬間、皿に添えられる音の美しさなど、五感すべてがブランド体験として統合されるよう設計されています。

Kimmyでは、この“空間 × 香り × 体験”の一体設計によって、来店時だけでなく、検索・予約・投稿・再来店に至る一連の導線が滑らかに接続する状態を目指しています。

Kimmy専用オリジナル浅煎りブレンド

Kimmyで提供するコーヒーは、大崎を拠点にスペシャルティロースターとして支持を集める MAHIRO COFFEE とのコラボレーションによって生まれた特別な浅煎りブレンドです。浅煎りならではの華やかな香りと澄んだ余韻を引き出すことを目指し、香りそのものが“来店の理由”として機能する味設計を採用しています。

このブレンドは、検索や口コミを通じて“香りに惹かれて来店する”という行動がどこまで再現できるのかを検証するための入口体験として位置づけられています。SNS上でも「香りが印象的」「後味が心地よい」といったコメントが自然に発生することを期待し、店舗全体の体験設計とも連動しています。

粉から設計された本格ガレット

Kimmyのランチタイムを象徴するそば粉ガレットは、“素材そのものの力”を最大限に引き出すための設計から生まれています。福井県産の玄そばを100％使用し、無農薬・有機栽培で育ったそばをガレット専用の石臼で粗挽きにした粉を採用することで、焼き上げた瞬間に立ち上がる圧倒的な香ばしさと、他にはない力強い食感を実現しています。

そばの粒度や焙粉具合が生む香り立ち、縁のパリッとした質感と中心部のサクッとした歯切れの良さ、そしてひと皿としての大きく大胆なビジュアル。そのすべてがブランド体験の一部として設計されており、一般的な“映え”ではなく、料理そのものの香り・味わい・佇まいが自然とSNS投稿を促す構造をつくり出しています。

Kimmyでは、このガレットの香り・食感・ビジュアルが来店動機、投稿行動、滞在満足度、そしてリピート意向へどのように影響するかを継続的に検証していきます。

発酵香が主役のスペシャリテデザート「酒粕プリン」

Kimmyのデザート体験を象徴する「酒粕プリン」は、甘味としての完成度だけでなく、香り・余韻・ストーリーが一体となった“体験の出口”として設計されています。使用しているのは、秋田の酒蔵・福禄寿酒造が手がける純米酒ブランド「一白水成（いっぱくすいせい）」の酒粕。透明感のある旨みと穏やかな吟醸香が特徴の一白水成は、日本酒ファンからも高く支持されており、その酒粕は華やかな香りと奥行きのある発酵の深みを併せ持っています。

この酒粕をプリンに用いることで、ふくよかな香りがふわりと立ち上がり、ひと口目から余韻まで続く立体的な味わいを生み出します。朝〜昼は単品デザートとして手軽に楽しめる一品として提供し、夜は完全予約制フレンチコースのフィナーレを飾る特別なポジションを担います。時間帯によって異なる役割を持ちながら、共通して“香りの余韻が記憶として残る”体験価値を設計しています。

さらに、このプリンの香り・ストーリー・ビジュアル・味の記憶が、口コミや再予約といった行動にどうつながるかを丁寧に分析し、LTV指標と連動させています。“味の余韻が次回予約をつくる”という構造を実証する、Kimmyを象徴する一皿となっています。

デジマールが描くF&B事業の未来

デジマールのF&B戦略のショーケースであると同時に、Kimmyは“これから社会へ拡張していく飲食マーケティング支援モデルの起点”として位置づけられています。デジマールがF&B領域に取り組む理由は、単に飲食店を運営するためではありません。私たちが目指しているのは、“飲食ビジネスの成功条件を体系化し、再現性を持って社会へ還元できるモデル”をつくることです。オンライン領域で積み重ねてきたマーケティングの知見を、香り・導線・食体験・空間・デリバリーといった様々の要素と統合し、飲食事業の価値を新しい視点で再定義していきます。

今後は、このモデルをパートナー企業・地域・ブランドへと展開し、F&B領域の課題解決に直結する支援サービスとして提供していく予定です。店舗運営の枠を超え、“飲食店が本来持つ魅力を最大化し、成果の再現性を高めるための実践知を体系化し、役立つ形で社会へ還元していくこと”こそが、デジマールの描く未来です。

Kimmyはその第一歩であり、ここで得られる知見と成果を基盤に、F&B領域に限らず“顧客とリアルに接するあらゆる場”で活用できるモデル開発へと順次拡張していきます。店舗という実空間で磨かれた知見を、物販・サービス業・イベント・ショールームなど、多様なリアル接点の領域へ応用し、体験価値と成果の再現性を高める新たなスタンダードを社会に実装していくことを目指します。

店舗概要

Kimmy（キミー）は、カフェとフレンチを併設した、小規模ながら密度の高い体験設計を特徴とする飲食店です。カウンター席ではオープンキッチンのライブ感を間近に感じられ、ソファ席では落ち着いた時間を過ごせるよう設計されています。外観はミニマルでありながら視認性が高く、店内の光が柔らかく路面へ広がることで、雰囲気そのものが来店動機として機能します。