日本のチョコレート菓子市場、Z世代・ミレ二アル世代男性からの高需要に注目

―重要度を増す間食の役割ー

株式会社ミンテルジャパン

イギリス、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel(ミンテル)」は2023年6月23日(金)、ミンテルジャパンレポート*より「間食・おやつのトレンド – 日本 – 2023年」と題したレポートを発刊しました。本レポートでは、日本の間食・おやつ市場の概況だけでなく、海外のトレンドや同市場に影響を与える法規制などを紹介し、グローバル市場の時流を捉えながら日本での今後の商機について考察しています。

*ミンテルジャパンレポートとは

グローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るインサイトをご提供するレポートです。「美容・化粧品、食品・飲料、ライフスタイル」の3分野の中から、ご選択いただいた分野のレポートをサブスクリプション形式でご購読いただけます

詳しくはこちら:https://japan.mintel.com/japan-report-prtimes-0723


日本の間食市場:スナック菓子、チョコレートは堅調な伸び

全日本菓子協会が報告している菓子の小売金額について、ここ数年の推移を見てみると、2021年以降、菓子全般で小売金額の上昇傾向が見られます。これは、ウクライナ危機などに伴う原材料費や物流費の高騰によって、商品価格が引き上げられたことが影響していると見られます。スナック菓子はコロナ禍でも巣ごもり需要でマイナスに転じることはなく、チョコレートはコロナ禍でマイナスになったものの、高カカオチョコレートの健康需要もあり順調な回復を見せています。

 

喫食頻度の増加はチョコレート菓子が顕著

1年前と比較した間食頻度を性世代別で見ると、全体的に「チョコレート菓子」の喫食増加が多く見られ、若い世代ほどその増加率が顕著でした。また、今後喫食の頻度を増やしたい間食・おやつは「美容・健康」ニーズが反映される結果となりました。

調査対象:18歳以上のインターネットユーザー2,000人

出典:楽天インサイト/Mintel、2022年12月


最も「チョコレート菓子」の喫食を増やしたいのはZ世代とミレ二アル世代の男性

喫食頻度を増やしたい間食において特徴的なのが、「チョコレート菓子」でZ世代とミレ二アル世代の男性が最もその割合が高かったことです。この背景の1つは、「高カカオチョコレートが健康に良い」という認識が男性へも広がっていることだと思われます。例えば、チョコレートブランドのGaller(ガレー、https://www.galler.jp/)は、「ビジネスマンのストレスを和らげるのはビターチョコ」と、男性へチョコレートの効果を訴求しています。

また、「ラーメンの前に高カカオチョコ」で血糖値の急上昇を抑えるといった記事(https://president.jp/articles/-/41740)など、血糖値への効果に関しての情報もネット上で多く見られます。テレビ番組でも男性芸能人が「食前の高カカオチョコ効果」を検証する(https://www.youtube.com/watch?v=D2fCkL8k_1s)など、男性も関心を持つような情報に触れる機会が増えています。

このような要因に加え、「スイーツ男子」という言葉の定着、ジェンダーレスの価値観が進んできていることで、男性が甘いお菓子を購入することへの抵抗感が軽減されていることも影響していると思われます。


インフレの状況下でも消費者は間食に「購入する価値」を感じている

ミンテルのレポート(Z世代へのマーケティング – 日本 – 2023年)では、「日本のZ世代が自由に使えるお金は潤沢で、人との交流や体験にお金を使っている」ことを報告しています。費用対効果(コストパフォーマンス)の意識が高いZ世代は、自身が感じる「価値」や「必要性」をしっかり吟味しており、その意識の強さが示されていると言えます。

とはいえ、Z世代でも7割以上、それ以外の世代では8割以上が間食にかける費用を抑えておらず、間食の役割の数々に「購入する価値」を感じていることが窺えます。

 

ストレスマネジメントとしての役割を果たす間食

ウェルビーイングやセルフケアに注目が集まる中で、世界的にストレスマネジメントとしての間食の重要性も高まっています。コロナ禍で体験したストレスや不安感で、多くの人が心の健康を守ることの大切さを再認識しています。コロナ禍の隔離生活で消費者が間食に手軽な楽しさを求めるに伴い、多くのブランドがそのような消費者ニーズに対応する製品開発を進めています。楽しい新製品の選択肢が広がり、さらに消費者の好奇心を刺激するという好循環が生まれています。


馴染みのあるRitzとOreoで甘味×塩味のコラボ

Oreo x Ritzはオンラインでの応募で希望者に無料配布されたRitzとOreoのコラボ商品。ピーナッツバターとバニラクリームの甘じょっぱさを楽しめる(米国、2022年)。

出典:https://www.instagram.com/p/CeBh1TTO1gq/


いつでもどこでもコーヒー2分の1杯分のリフレッシュ

Caffeine Milk Chocolate Bitesは1個にコーヒー2分の1杯分のカフェイン(50mg)含有。 人工香料や着色料不使用。その名のとおり、眠気を飛ばしたい時のサポートとして訴求されている(米国、2023年)。

出典:ミンテルGNPD


気分向上やリラックス効果成分入り製品の例

サステナブルなスーパーフード入りトレイルミックスで気分調整の効果もUP

Slow Your Roll Adaptogenic Trail Mixは発芽カシューナッツ、桑の実などのスーパーフードや霊芝やアシュワガンダなどのアダプトゲンを使用。アメリカ南西部原産で最小限の水で栽培可能なメスキートの木から摂れる豆と鞘の粉末を使用するなど、健康的かつサステナブルであることに注力している。Toodalooの製品(米国、2022年)。

出典:ミンテルGNPD


グローバルトレンド:健康意識の向上が間食にも影響―健康的な食品に価値を見出す消費者―

世界的な肥満率の上昇で各国が対策に本腰を入れる中、消費者の意識にも変化が見られます。ミンテルの米国のレポートは、消費者の66%が「より健康的なスナックの選択肢が欲しいと考えている」と報告しています。また、日本で50%、中国では70%の消費者が、「健康に良い食品や飲料はコストパフォーマンスが良い」と回答しています。これは、市場がより健康的なスナックのイノベーションにオープンであることを示していると言えます。また、欧米ではよりナチュラルな原材料を使用した食品や飲料を求める消費者が増加しており、そのような消費者は、原材料リストが長くないか、人工的な原材料を含まないかなど、商品がどれだけ「本物」であるかどうかを厳しく見定めています。


日本:健康意識の高い消費者へに刺さる「素材そのもの」や「機能性」を訴求する製品の例

ASHITAMO オクラ梅かつお(モントワール)

出典: モントワール(https://www.instagram.com/p/CsQnif0JSTM/


本レポートでは、時代の流れやコロナ禍で変化したおやつに対する消費者のニーズを深く掘り下げるとともに、そこから導かれる日本での商機を考察しています。

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リチャード・カー
上場
未上場
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設立
2008年03月