事業承継に関わったことのある総務は2割以下。総務が尽力したのは「組織再編」「従業員とのパイプ役(相談窓口)」、苦労したのは「文字や形になっていないノウハウの継承」など
〜国の公的支援策を7割近くが「知らない」〜
日本で唯一の総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務(所在地:東京都千代田区、代表取締役:豊田健一)は、全国の総務担当者を対象に「総務と事業承継に関する調査」を実施し、143名から回答を得ました。
【調査結果 概要】
〜社長の年齢〜
30歳代:4.9%
40歳代:14.7%
50歳代:37.1%
60歳代:32.9%
70歳代:9.1%
その他:1.4%
【調査結果 詳細】
従業員とのパイプ役(相談窓口):42.1%
事業承継計画の作成:36.8%
経営理念の浸透:36.8%
補助金など公的支援策の対応:31.6%
ノウハウの承継:26.3%
知的財産権(特許等)の管理:26.3%
税務手続き:21.1%
事業再編:21.1%
顧客の対応:21.1%
人員整理:15.8%
取引先や人脈の承継:15.8%
その他:5.3%
<事業承継で苦労したこと / 一部抜粋>
・株主対応
・先代と後継者との考え方の違い
・企業文化の相違。給与設定について
・文字や形になっていないノウハウの継承が難しい
・対人関係が大変でした。事業承継前は完全極秘でしたし
<事業承継でもっとやっておけばよかったこと / 一部抜粋>
・知財の登録
・IT促進
・税務対応の強化
・採用と人材教育
・組織体制の強化
・後継候補者を一人ではなく、数人用意したかった
知っている:63.2%
知らない:36.8%
〜事業承継に関わったことがない(n=124)〜
知っている:30.6%
知らない:69.4%
<利用した支援策>
・税制(事業承継税制、経営資源集約化税制など)
・事業承継の相談・伴走(事業承継・引継ぎ支援センターなど)
・国の補助金(事業承継・引継ぎ補助金など)
・自治体の補助金
・ガイドライン・マニュアル
・承継時の課題や経営状況の分析(事業承継診断、ローカルベンチマークなど)
・社長がまだ若いから
・後継者候補がおり、先々を見据えて教育がされている
・通常の仕事が優先となっており、後回しになっている
・親会社の意向で決まるから
<事業承継について不安なこと / 一部抜粋>
・次の世代の後継者育成に関して不安
・後継者はおり、その育成は実施されているが、社内浸透や対外的な信用継承などについて不安な面はある
・田舎では、小さな会社の事業承継は、税理士も詳しくなく、相談窓口もない状況です。都内近郊では専門家の方なども多く不便はありませんでしたが、田舎ではどうにもならない小企業・個人事業の方が多くいる現状があります。後継者の不在・育成も大きな課題ですが、事前に相談する窓口や税理士等の専門家がいない現状が、田舎ではより問題を大きくしていると感じます
・後継者の選定が血縁でしか行われないため適性に不安
・突然出社ができない、代表が一人で業務をしなければならない状況になるということが分かった
・業務内容の見える化をしなければ、長期にわたっての継承は出来ないと感じている
・属人化の解消の意識が強くなった
・経営者が高齢であることから、突発的に経営者変更を余儀なくされる可能性がある
事業承継に対する国や自治体の支援策についての知識は、事業承継に関わった経験の有無によって認知に顕著な差が生じました。経験者から「全て一から調べなくてはならず大変だった」という声もありました。事業承継は同じ会社でも頻繁に経験する人はなかなか少ないと考えられますので、総務の対応としてのノウハウ蓄積にも課題があるでしょう。
新型コロナによる事業承継への意識については、あまり変化がない方が多いという結果になりました。一方で、このコロナ禍で急に働き方の変化を余儀なくされた苦労から、業務の見える化や属人化解消を事業承継の土台の一つとして捉えた方もいたようです。
『月刊総務』8月号(7月8日発売)では、事業承継の現状を考察するとともに国の支援策や成功事例も紹介しています。ぜひご覧ください。
戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の代表理事として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。著書に『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
※「働き方」「リモートワーク・テレワーク」「総務関連全般」等についても取材可能です。
【調査概要】
調査名称:総務と事業承継に関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2022年5月11日〜2022年5月19日
有効回答数:143件
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
■『月刊総務』について
創刊59年の日本で唯一の総務専門誌。「すべての総務パーソンの心に、火を。」をキャッチフレーズとし、総務部門で働く人を中心に、幅広くビジネスパーソンに読んで役に立つ記事を提供。上場企業、大手事業会社、中堅・中小企業と、幅広い規模の企業に定期購読していただいております。(創刊:1963年6月/印刷部数:1万2,000部/定価:1,100円)
■株式会社月刊総務 会社概要
社名:株式会社月刊総務
代表:代表取締役 豊田健一
住所:〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 305号室
設立:2018年8月
事業内容:
・日本で唯一の総務・人事部門専門誌『月刊総務』の発行
・バックオフィス業務の「困った」を解決する「月刊総務オンライン」の運営
・「総務セミナー」「総務サロン」の主催
・働き方改革関連コンサルティング 等
URL:https://www.g-soumu.com/
- 後継者がいる企業は半数以下
- 事業承継に関わったことのある総務は2割以下
- 事業承継で総務が尽力したのは「組織再編」「従業員とのパイプ役(相談窓口)」
- 事業承継で苦労したのは「株主対応」「文字や形になっていないノウハウの継承」など
- 事業承継の公的支援策を知らない人が約7割。事業承継に関わった経験がある総務は6割以上が知っていると回答
- 総務の仕事の中で事業承継を意識している人は約3割
- 新型コロナによる事業承継への意識の変化は多くないものの、業務属人化解消など課題も明らかに
〜社長の年齢〜
30歳代:4.9%
40歳代:14.7%
50歳代:37.1%
60歳代:32.9%
70歳代:9.1%
その他:1.4%
【調査結果 詳細】
- 後継者がいる企業は半数以下
- 事業承継に関わったことのある総務は2割以下
- 事業承継で総務が尽力したのは「組織再編」「従業員とのパイプ役(相談窓口)」
組織再編:42.1%
従業員とのパイプ役(相談窓口):42.1%
事業承継計画の作成:36.8%
経営理念の浸透:36.8%
補助金など公的支援策の対応:31.6%
ノウハウの承継:26.3%
知的財産権(特許等)の管理:26.3%
税務手続き:21.1%
事業再編:21.1%
顧客の対応:21.1%
人員整理:15.8%
取引先や人脈の承継:15.8%
その他:5.3%
<事業承継で苦労したこと / 一部抜粋>
・株主対応
・先代と後継者との考え方の違い
・企業文化の相違。給与設定について
・文字や形になっていないノウハウの継承が難しい
・対人関係が大変でした。事業承継前は完全極秘でしたし
<事業承継でもっとやっておけばよかったこと / 一部抜粋>
・知財の登録
・IT促進
・税務対応の強化
・採用と人材教育
・組織体制の強化
・後継候補者を一人ではなく、数人用意したかった
- 事業承継の公的支援策を知らない人が約7割。事業承継に関わった経験がある総務は6割以上が知っていると回答
〜事業承継に関わったことがある(n=19)〜
知っている:63.2%
知らない:36.8%
〜事業承継に関わったことがない(n=124)〜
知っている:30.6%
知らない:69.4%
- 事業承継で利用した公的支援は「税制」「補助金」「相談窓口」など
<利用した支援策>
・税制(事業承継税制、経営資源集約化税制など)
・事業承継の相談・伴走(事業承継・引継ぎ支援センターなど)
・国の補助金(事業承継・引継ぎ補助金など)
・自治体の補助金
・ガイドライン・マニュアル
・承継時の課題や経営状況の分析(事業承継診断、ローカルベンチマークなど)
- 総務の仕事の中で事業承継を意識している人は約3割
<事業承継を意識していない理由 / 一部抜粋>
・社長がまだ若いから
・後継者候補がおり、先々を見据えて教育がされている
・通常の仕事が優先となっており、後回しになっている
・親会社の意向で決まるから
<事業承継について不安なこと / 一部抜粋>
・次の世代の後継者育成に関して不安
・後継者はおり、その育成は実施されているが、社内浸透や対外的な信用継承などについて不安な面はある
・田舎では、小さな会社の事業承継は、税理士も詳しくなく、相談窓口もない状況です。都内近郊では専門家の方なども多く不便はありませんでしたが、田舎ではどうにもならない小企業・個人事業の方が多くいる現状があります。後継者の不在・育成も大きな課題ですが、事前に相談する窓口や税理士等の専門家がいない現状が、田舎ではより問題を大きくしていると感じます
・後継者の選定が血縁でしか行われないため適性に不安
- 新型コロナによる事業承継への意識の変化は多くないものの、業務属人化解消など課題が明確に
<どのように意識が変わったか / 一部抜粋>
・突然出社ができない、代表が一人で業務をしなければならない状況になるということが分かった
・業務内容の見える化をしなければ、長期にわたっての継承は出来ないと感じている
・属人化の解消の意識が強くなった
・経営者が高齢であることから、突発的に経営者変更を余儀なくされる可能性がある
- 総評
事業承継に対する国や自治体の支援策についての知識は、事業承継に関わった経験の有無によって認知に顕著な差が生じました。経験者から「全て一から調べなくてはならず大変だった」という声もありました。事業承継は同じ会社でも頻繁に経験する人はなかなか少ないと考えられますので、総務の対応としてのノウハウ蓄積にも課題があるでしょう。
新型コロナによる事業承継への意識については、あまり変化がない方が多いという結果になりました。一方で、このコロナ禍で急に働き方の変化を余儀なくされた苦労から、業務の見える化や属人化解消を事業承継の土台の一つとして捉えた方もいたようです。
『月刊総務』8月号(7月8日発売)では、事業承継の現状を考察するとともに国の支援策や成功事例も紹介しています。ぜひご覧ください。
- 株式会社月刊総務 代表取締役社長 豊田 健一 プロフィール
株式会社月刊総務 代表取締役社長
戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の代表理事として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。著書に『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
※「働き方」「リモートワーク・テレワーク」「総務関連全般」等についても取材可能です。
【調査概要】
調査名称:総務と事業承継に関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2022年5月11日〜2022年5月19日
有効回答数:143件
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
■『月刊総務』について
創刊59年の日本で唯一の総務専門誌。「すべての総務パーソンの心に、火を。」をキャッチフレーズとし、総務部門で働く人を中心に、幅広くビジネスパーソンに読んで役に立つ記事を提供。上場企業、大手事業会社、中堅・中小企業と、幅広い規模の企業に定期購読していただいております。(創刊:1963年6月/印刷部数:1万2,000部/定価:1,100円)
■株式会社月刊総務 会社概要
社名:株式会社月刊総務
代表:代表取締役 豊田健一
住所:〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 305号室
設立:2018年8月
事業内容:
・日本で唯一の総務・人事部門専門誌『月刊総務』の発行
・バックオフィス業務の「困った」を解決する「月刊総務オンライン」の運営
・「総務セミナー」「総務サロン」の主催
・働き方改革関連コンサルティング 等
URL:https://www.g-soumu.com/
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