UNI SUMMIT 2025 GLOBALで約100名がアクションを発表!国境や産官の壁を超え、世界の課題「磯焼け」の解決を目指す
株式会社北三陸ファクトリー(本社:岩手県九戸郡洋野町、代表取締役CEO 下苧坪之典)と一般社団法人moova(本社:岩手県九戸郡洋野町、代表理事 眞下美紀子)は、うにの有効活用や藻場再生等の革新的な技術・知恵を結集することで、世界的な課題である「磯焼け」の解決を目指すUNI SUMMIT 2025 GLOBALを2025年11月7日に開催しました。
当日は国内外から民間・政府など多様な立場の参加者が約100名集い、パネルディスカッションやグループディスカッションを実施。磯焼けをはじめとした海洋環境の課題に対して、多様なステークホルダーが共創するための具体的なアクションを発表し合いました。

◾️開催概要
UNI SUMMITは北三陸ファクトリーとmoovaが2023年より実施している、世界の海の未来を”うに”を通じて考えるサミットです。今年は国内外の民間・政府から幅広い知見・実績を持つ約100名にご参加いただき、実際にアクションへ繋げるべく「うねりを起こす」をテーマに開催しました。
⚫︎開催日時:2025年11月7日(金)12:00−19:30
⚫︎会場 :ベイサイドホテル アジュール竹芝
⚫︎参加者数:約100名
⚫︎運営元 :株式会社北三陸ファクトリー、一般社団法人moova
⚫︎助成 :公益財団法人日本財団
⚫︎後援 :オイシックス・ラ・大地株式会社、株式会社魚力、北海道大学、Institute for Marine and Antarctic Studies、Deakin University(IMAS)
◾️当日のプログラム(敬称略・五十音順)
⚫︎オープニング
・鈴木 憲和 農林水産大臣(ビデオ登壇)
・小泉 進次郎 防衛大臣(ビデオ登壇)
・的野 博行 水産庁 漁港漁場整備部 事業課長
開会に先立ち盛会の祈願と、持続可能な海の生産と地域の発展に向けて政府としても取り組む決意のお言葉を頂戴しました。
・下苧坪之典 UNI SUMMIT実行委員⻑/株式会社北三陸ファクトリー代表取締役CEO
海の未来を皆で考えていく重要性を共有し、その実現に向けた本サミットでのグランドルール(Awareness(気付きを深める)・Voicing(自由に声を出す)・Impact(波及させる))を発表しました。
⚫︎世界唯一の「うに牧場®︎」の歴史に触れ、原点に立ち返る
・馬欠場 真樹 ⻘木あすなろ建設株式会社 顧問
・石田 享一 青木あすなろ建設株式会社 担当部長
・下苧坪 之典 UNI SUMMIT実行委員⻑/株式会社北三陸ファクトリー代表取締役CEO


サミットの運営元である北三陸ファクトリーが本社を構える岩手県洋野町には、世界唯一のうに牧場®︎(※1)があり、持続可能なうに生産・養殖の要となっています。このうに牧場®︎を55年前につくったキーパーソンのお2人に、当時の課題や目標を伺うことで、持続可能な水産業に取り組む原点に参加者全員で立ち返り、未来の話へのベースをつくっていただきました。
(※1)洋野町の広大な岩盤地帯に、多数の溝を掘ってつくった天然昆布の生える海の畑。うにを放流すると、身入り・味ともに抜群に育つことから「うに牧場」と名付けました。
⚫︎グローバルな視点から日豪の海洋生物多様性を学ぶ
・Aaron Eger Program Director, Kelp Forest Alliance(ビデオ登壇)
・Steve Clark Director, Method Development (Coastal and Wetlands), Department of Climate Change, Energy, the Environment and Water (ビデオ登壇)
・河合 秀樹 環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性戦略推進室 室長補佐

7カ国で750人が参画して藻場の再生に取り組む「KELP FOREST CHALLENGE」や、地域性・先住民の思想を重視したネイチャーリペア・クレジットのルール作りの現場など、生物多様性の枠組みにおいて、世界をリードしているオーストラリアの具体的事例を交えながら、世界各国が「磯焼け」という課題にどのような取り組みを行っているのか、数値と最新事例を共有していただきました。
<パネリスト>
・John Keane Senior Research Fellow, IMAS,Wild Fisheries Program Leader & Dive Fisheries Team Leader
・佐藤 寛志 特定非営利活動法人 三陸ボランティアダイバーズ 代表理事
・友廣 裕一 合同会社シーベジタブル 共同代表
・野村 卓矢 Business Development and R&D Lead , KSF Australia Pty. Ltd.
<モデレーター>
・辰巳 正幸 Sea Forest: Head of R&D,Forever Foundation: Science Lead,IMAS, UTAS: Adjunct Researcher

国内外の磯焼けの現状と、藻場再生に向けた取り組みが共有されました。 2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標「30 by 30」が進む中、世界規模での藻場減少が深刻です。その大きな原因にはうにの異常繁殖があり、オーストラリアのタスマニアでは、政府の補助金を活用しながら研究者や漁業者、企業が連携して、うに駆除・採取に対するトレーニングを実施。駆除したウニの商品化(畜養)を通じて、環境保全とビジネスの循環を目指しています。 日本でも、ダイバーや漁業者、研究者が協力して藻場の育成や海の清掃に取り組む事例があります。しかし国内外とも資金調達が共通の課題であり、活動自体を持続可能にするためのPRや仲間作りの重要性が語られました。
⚫︎海の課題に私たちができることのヒントを探る
<パネリスト>
・坪内 知佳 株式会社GHIBLI 代表取締役
・花岡 和佳男 株式会社シーフードレガシー 創立者/代表取締役CEO
・槇 亮次 株式会社Mizkan Holdings 執行役員 株式会社Mizkan 代表取締役専務 兼 日本+アジア事業COO
<モデレーター>
・田淵 良敬 Zebras and Company 共同創業者 / 代表取締役

「海との距離感」をテーマに、サステナビリティとビジネスの両立について議論されました。各々の登壇者が海に関心を持ったきっかけを皮切りに、現在の立ち位置で実践していることを共有。槇氏からは、ミツカンがCSVとして「未来の寿司を守る」をテーマに、TikTokやミュージアムを通じて生活者とのコミュニケーションを強化していることが語られました。漁業現場に近い坪内氏は講演や露出を通じて、漁業者が持続的に儲かる仕組みと現場の課題を社会に伝える努力を続けています。また花岡氏からは、トレーサビリティの確保や政策提言を通じて、システムそのものを変革する必要性が提起されました。壮大な課題に対しても諦めずに取り組み続け、「購買は投票である」という意識を持ってもらうなど、小さくても海に関心を持つ仲間を増やすことの重要性を訴え、セッションを締めくくりました。
⚫︎豊かな海に向けたムーブメントを共創する仲間たちのピッチ
・泉田真里 青木あすなろ建設株式会社 土木事業本部
・加藤久美 株式会社 Mizkan Holding 経営企画本部 戦略企画部 主任
・加藤大仁 学生団体 水産人カレッジ/ 東京海洋大学
・佐藤寛志 三陸ボランティアダイバーズ 代表理事
・渋谷風雅 株式会社 北三陸ファクトリー 養殖事業部 担当主任
・辰⺒正幸 Sea Forest Foundation Head of Research and Development
・土合和樹 株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング取締役 販売事業部長
・水鳥純雄 積丹町水産技術指導員


⚫︎クロージング
・井植 美奈子 Sailors for the Sea Japan Chair&Ceo Susan,Rockefeller Asia Representative
総評・閉会のご挨拶を頂戴しました。
⚫︎レセプションパーティー「北三陸アクアガストロノミー」で絆を深める
ご挨拶
・牧野 光琢 笹川平和財団 海洋政策研究所 所⻑
・Elizabeth Cox オーストラリア大使館 公使


三陸のサステナブルなシーフードを味わうとともに、海の未来に向けたアクションについて語り合い、参加者同士が立場を超えて共創していけるよう絆を深めました。
◾️参加者のコメント(一部抜粋)
・壮大な海はその課題も壮大で、決して諦観せずアクションし続けることが必要だと感じました。そのための専門家は各領域に存在しており、肝要なのはそうした専門家を束ねていくことだとも感じます。本サミットに参加して最終的に心に残った読後感のようなものは、Ideas win.。皆さんと力を合わせて大きな課題に取り組んでいきたいと思いました。(槇 亮次氏 株式会社Mizkan Holdings 執行役員 株式会社Mizkan 代表取締役専務 兼 日本+アジア事業COO)
・今まで沢山の恵みをもらってきたからこそ起きた磯焼けなどの問題は、将来のためにも今動かなければならない。そしてその意識を国全体で持つことが大事だと感じました。私は金融機関なので、もっとこういった海洋資源のため、かつ地域の活性化につながるような部分に支援をしたいという気持ちが強くなりました。(髙松 知広氏 政策研究大学院大学(派遣元:北海道銀行))
・「短期的な利益を追求し、無理に大量収穫を行うのではなく、持続可能な未来を見据えた認識の共有が重要」という点が印象的でした。この考えは海洋資源に限らず、あらゆるビジネス領域において適用できる基本的な視点だと考えます。(駒路 和司氏 Waldorf Astoria Osaka 副総料理長)
・今回はじめて参加させていただき、とてもエネルギー溢れる会で、熱い想いが伝わってきました。参加させていただきとても価値を感じました。(関根 伸介氏 株式会社FOOD & LIFE COMPANIES 秘書室長 兼 サステナビリティ推進室長)
◾️運営元、北三陸ファクトリー代表 下苧坪のコメント
弊社は「北三陸から、世界の海を豊かにする」をミッションに掲げ、高品質な天然うにの育成や再生養殖を事業としながら、藻場再生をはじめとした豊かな海を次世代へ繋ぐ活動に力を入れています。しかし世界規模の課題である磯焼けを1社だけで解決することは不可能であり、国や企業、業界や官民といった壁も取り払い、多様なステークホルダーがワンチームとなって共創していくことが不可欠だと考えます。その実現に向けてスタートしたのがこのUNI SUMMITであり、毎年この取り組みを続けることで皆が仲間を増やし、具体的なアクションを加速化させる機会にしてまいります。
◾️日本財団「海と日本プロジェクト」について
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
◾️北三陸ファクトリーについて
世界唯一の「うに牧場®︎」のある岩手県洋野町で、高品質なウニのブランドを展開するサステナブル・シーフードのリーディングカンパニーです。「北三陸から、世界の海を豊かにする」をミッションに、高品質なウニを育てるノウハウを活かし、新たな「うに再生養殖システム」の技術で世界と繋がり、持続可能な水産業の未来をつくるための取り組みを推進。2023年にはオーストラリア法人を設立し、国内外で事業を展開しています。
社 名:株式会社北三陸ファクトリー
関連会社:株式会社ひろの屋/KSF Australia Pty Ltd/Tasmania Blue Seafood Pty Ltd/一般社団法人moova (モーバ)
所在地:岩手県九戸郡洋野町種市第22地割133番地1
設 立:2018年10月1日
代表者:代表取締役 下苧坪之典
事業内容:農林水産加工物の製造加工・販売、6次化拠点開発の企画運営、水産業に関する技術開発
U R L :https://kitasanrikufactory.co.jp/
◾️moovaについて
日本国内や世界各地でも問題になっている、海藻が減少する「海の砂漠化」現象。水産業が主産業である地域を拠点にする私たちは、この状況に危機感を募らせ、限りある海の資源を守り、未来に繋げるための行動を興そうと2022年12月に一般社団法人moova設立いたしました。現在は海中の藻場再生活動に注力していますが、今後は海洋教育、農山漁村の地域振興など、幅広く水産業を維持・発展させるための活動に邁進してまいります。
団体名:一般社団法人moova(モーバ)
所在地:岩手県九戸郡洋野町第1地割15番地29
設 立:2022年12月28日
代表者:代表理事:眞下美紀子
事業内容: 海洋環境保全事業(藻場の再生活動)、海洋教育/産業教育、キャリア教育支援事業、農山漁村地域振興事業
U R L :https://kitasanrikufactory.co.jp/moova
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