2024年度「調理師養成施設入学者・留学生実態調査」
ー留学生入学者は回復傾向ー
公益社団法人 全国調理師養成施設協会(会長:服部幸應、所在地:東京都渋谷区) は、従前より、
全国の調理師学校に対し、入学者・留学生の実態調査を、数年おきに実施してきました。
2016年度からは調理師学校の今の実態をより正確に把握するため、毎年調査を行っています。
今年度の調査データを集計しましたので、その結果および動向をお知らせします。
■コロナ禍以降減少していた調理師学校の入学者数が、昨年度に続き横ばいといえる結果となりました。今後の調理師不足が懸念されていますが、調理師の需要が高まる今、快方に向かっているといってよいのかもしれません。
■留学生の入学者総数は264人で、昨年度から43人増加し、コロナ後初の増加となりました。一番多かった2020年度の564人に比べると依然として半数以下ですが、出身国は多岐に広がっています。出身国の多くは、中国、韓国、ベトナム、台湾が占めています。
■調理師専門学校に入学した留学生を課程別にみると、1年制に対して2年制以上の課程に約3倍の人数が在籍しています。専門的な調理技術を習得したいという意識の表れであることがうかがえます。
■留学生が専攻する料理部門を調査したところ、約6割が日本料理を専攻していました。
調 査 名 :2024年度調理師養成施設入学者・留学生実態調査
調査期間:2024年5月9日~5月31日
調査対象:全調理師養成施設265校(内263校より回答・回答率99.2%)
実施主体:公益社団法人 全国調理師養成施設協会
調理師学校入学者の推移
入学者数は下げ止まりか
調理師学校の入学者は、就学人口の低下に伴い減少してきておりましたが、今年度は一昨年度、昨年度と同等の数字となりました。快方に向かっていると考えてよいのでしょうか。
コロナが明け、地域や観光産業が勢いづく中、現場では調理師が求められています。
調理師の需要が高まる今、調理師学校入学者の確保は望まれます。
今後も、引き続き状況を追跡します。
留学生総数および留学生出身国(地域) 上位4か国(地域)
調理師学校の留学生も下げ止まりか
今年度の調理師学校における留学生の入学者総数は264人で、昨年度に比べて、43人増加となりました。
国(地域)別では、アジア圏を中心に、29カ国(地域)から留学生が来ており、昨年の16カ国に比べ急速に増加しました。
コロナの規制がなくなり、各学校で留学生対象の新課程を設置する動きもあり、今後の調理師学校の留学生がどうなるか、引き続き、注意深く見守る必要があります。
留学生在籍課程
1年制でも調理師免許は取得できますが、より専門的な調理技術を習得するために、2年制以上の課程に在籍する留学生が4分の3を占めています。
留学生の専攻料理部門
6割の留学生が日本料理を専攻
前年度入学した留学生が、2年次進級時、または1年制卒業時に専攻する専門料理部門を調査しました。
学校によって、料理部門を専攻しないところもありますが、専攻ありの留学生のうち、日本料理を専攻した学生が約6割を占める結果となりました。
一昨年まで日本料理が7割をキープしていましたが、昨年初めて変化が見られました。
自国の料理しか学べない海外の料理学校に比べ、他国籍の調理を習得できるのは、日本の調理師学校の特色といえます。
留学生の求めるものが変わってきたのか、引き続き調査を継続します。
■全調協(公益社団法人 全国調理師養成施設協会)とは?
1973年(昭和48)設立。全国205校の調理師養成施設(いわゆる調理師学校)を会員とし、調理師養成施設の教育を振興し、内容の充実を図ることを目的としている。
調理師養成教育は、専修学校をはじめとして、高等学校、各種学校、短期大学、大学、短期大学校などさまざまな学校群・教育課程で展開されている。
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