【ミドル・シニア人材の“採用”に関する調査】即戦力として45歳以上を採る時代の幕開け。
経営者/人事の8割超がミドル・シニア人材の採用を「強化したい」と回答
株式会社プロフェッショナルバンク(所在地:東京都千代田区、代表取締役:呑田 好和)のHR研究所は、45歳~50代の人材の採用経験がある企業に属する経営者および人事責任者/人事担当者を対象に、「ミドル・シニア人材の採用」に関する意識調査を行いました(有効回答数:1,013人)。
総務省の労働力調査を見ると、年齢層別の転職者の伸びは45歳以上50代のミドル・シニア人材でも目立つようになってきました。“人口構造の変化”を最たる要因として挙げますが、その他にも“技術革新の加速”や“ジョブ型雇用への移行”といった社会的背景から「35歳転職限界説」は過去の定説と化しています。

転職が一般化された昨今において、企業側が課題解決のカギとしてミドル・シニア人材の活用を推進できるよう、経営者/人事を対象にミドル・シニア人材の採用に対する考え方や意図を探るべく意識調査を実施しました。ミドル・シニア人材の採用が人的資本経営のこれからを左右する重要な戦略であることが示唆され、社会のイメージよりも遥かに前向きで、かつ戦略的にミドル・シニア人材の活用が進んでいる実態が浮き彫りになりました。
<調査概要>
「45歳~50代のミドル・シニア人材の採用」に関する意識調査
■調査期間:2025年7月8日(火)~2025年7月11日(金)
■調査方法:PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
■調査人数:1,013人
■調査対象:45歳~50代の人材の採用経験がある企業に属する経営者/人事責任者/人事担当者
■調査元:株式会社プロフェッショナルバンク(https://www.pro-bank.co.jp/)
<調査結果 サマリー>
■ミドル・シニア人材の採用目的は事業成長のための「攻めの採用」にやや比重が置かれる
■約半数の経営者/人事がミドル・シニア人材からの求人応募者数は「以前よりも増えた」と回答
■ミドル・シニア人材の採用を「強化したい」企業は8割を超える
■ミドル・シニア人材の採用強化の背景は「即戦力・専門性の獲得」が最多で約半数
■ミドル・シニア人材への期待は「即戦力として高度なスキル/経験の発揮」と「管理職として組織マネジメント能力の発揮」
■経験がものを言うミドル・シニア人材。採用して良かった点は「知識やノウハウの蓄積」が他を圧倒
■高い期待が故の落とし穴。「給与や待遇面における他社員とのバランス」が不安な要素トップ
■採用選考時のミドル・シニア人材の見極めポイントは“即戦力”としての貢献度項目が上位に
<調査結果 詳細>
■ミドル・シニア人材の採用目的は事業成長のための「攻めの採用」にやや比重が置かれる結果に
まず、ミドル・シニア人材の採用は、「積極的に変化や成長を推進するための“攻めの採用”」なのか、「欠員補充やリプレイスのための“守りの採用”」なのかを聞きました。
結果は、『攻めの採用(45.3%)』『守りの採用(35.7%)』となりました。また、攻めと守りの『両方(19.0%)』が採用目的である企業も存在しています。
『攻めの採用』と『両方』を合わせた“攻めの要素を含んだ採用目的”を掲げる企業割合は64.3%であり、『守りの採用』と『両方』を合わせた“守りの要素を含んだ採用目的”を掲げる企業割合は54.7%でした。

■約半数の経営者/人事がミドル・シニア人材からの求人応募者数は「以前よりも増えた」と回答
次に、ミドル・シニア人材からの「求人応募者数の変化」について質問しました。
『変わらない(49.2%)』が最多で約半数を占め、次いで『増えた(45.4%)』でこちらも約半数となりました。『減った(5.4%)』と回答した経営者/人事は1割にも満たないという結果になりました。

■ミドル・シニア人材の採用を「強化したい」企業は8割を超える
続いて、ミドル・シニア人材の「強化方針」について尋ねたところ、以下の回答結果になりました。
『強化したいと思う(54.5%)』が最多で過半数、『非常に強化したいと思う(28.3%)』が続き、『強化したいと思わない(15.4%)』『まったく強化したいと思わない(1.8%)』と並びました。
『非常に強化したいと思う』と『強化したいと思う』を合わせると、8割超の企業がミドル・シニア人材の採用を“強化したい”と考えていることが分かりました。

■ミドル・シニア人材の採用強化の背景は「即戦力・専門性の獲得」が最多で約半数、「採用ターゲットの拡大」「少子高齢化による若年層の減少」と続く
上記の質問に付随して、ミドル・シニア人材の「採用強化の背景」を聞きました。
最も多い回答は『即戦力・専門性を持つ人材の獲得(48.6%)』で約半数、次いで『採用競争の激化に伴う、採用ターゲットの拡大(37.7%)』と『少子高齢化による若年層の減少(35.6%)』が3割台で続きます。
そして、『多様性のある組織体制の構築(26.8%)』『中高年人材の転職活動者の増加に伴う採用のしやすさ(23.4%)』『経営やマネジメント機能の強化(8.8%)』という順番になりました。

■ミドル・シニア人材への期待は「即戦力として高度なスキル/経験の発揮」と「管理職として組織マネジメント能力の発揮」
さらに、ミドル・シニア人材の採用後に「最も期待すること」について質問しました。
最多の回答は『即戦力として、高度なスキル/経験の発揮(54.5%)』であり、次いで『管理職として、組織マネジメント能力の発揮(34.5%)』が続きます。この2つの項目が他を圧倒して上位となり、下位には『変革や業務改善をリーダーとして推進(7.6%)』『若手社員・中堅社員の指導/育成を牽引(3.5%)』が並びました。

■経験がものを言うミドル・シニア人材。採用して良かった点は「知識やノウハウの蓄積」が他を圧倒
ミドル・シニア人材を採用して「良かった」と感じる点を聞きました。
『知識やノウハウの蓄積(45.1%)』が唯一の4割台でトップ、次いで2割台で4項目が並び、『業績/業界競争力の向上(29.4%)』『若手社員の育成による次世代リーダーの輩出(28.8%)』『組織基盤の強化(24.5%)』『業務プロセスの改革や業務効率化(22.0%)』という順番となりました。
下位の4項目は1割以下の回答で、『若手×ベテランの融合によるイノベーション(10.5%)』『企業ブランドの向上(9.8%)』『ダイバーシティ経営の促進(7.0%)』『とくになし(3.7%)』という並びになっています。

■高い期待が故の落とし穴。「給与や待遇面における他社員とのバランス」が不安な要素トップに
一方で、ミドル・シニア人材の採用において「不安」な点を聞きました。
上位項目は約3割で拮抗する結果となりました。最多は『給与や待遇面における他社員とのバランスの考慮(35.3%)』となり、次いで『柔軟性や新しい技術への適応力(30.7%)』『組織風土/組織文化への適応(30.2%)』『健康面や体力面(29.1%)』『若手社員とのコミュニケーション(24.0%)』と続きます。ここまでが2割台です。
下位項目は1割台以下で『ITスキルやデジタル技術の習得(14.9%)』『人件費の増加(9.5%)』『特になし(4.2%)』の3つが並びました。

■採用選考時のミドル・シニア人材の見極めポイントは“即戦力”としての貢献度として「スキルや経験」「職務経歴や実績」が上位に
ミドル・シニア人材の「採用選考時に重視する要素」を質問しました。
最多の項目は『スキルや経験の詳細な確認(41.2%)』であり、次いで3割台の項目が3つ『職務経歴や実績の詳細な確認(36.1%)』『賃金や役職などの組織バランスの調整(31.8%)』『社内文化への適応可能性(31.4%)』と続きます。
下位項目は『健康状態や体力面のリスクの確認(26.6%)』『デジタルスキルやITリテラシーの確認(14.5%)』『仕事に対するモチベーションの把握(11.6%)』となりました。

■「適応」に弱そうという先入観は未だに根強く、年齢×高年収が採用意欲を阻害する要因になることも…
最後に、ミドル・シニア人材に対するネガティブな「社会的イメージ」や「先入観」を調査しました。
圧倒的トップは『新しいことに適応できなそうという先入観(46.7%)』で約半数となり、次いで『年齢で能力を推し量られる(32.8%)』『高年収でしか採用できないと思われている(31.1%)』『指示に従ってくれなそう・扱いづらそうという先入観(21.9%)』『とくになし(4.2%)』と続きました。

<調査結果 まとめ>
今回の調査で最も強調したいのは、8割超の企業がミドル・シニア人材の採用を「強化したい」という方針を掲げている点です。さらに、企業におけるミドル・シニア人材の採用が「攻めの採用」として位置づけられ、即戦力や専門性への高い期待が寄せられていることが明らかになりました。
少子高齢化や採用競争激化などの外部環境の変化を背景に、ミドル・シニア人材の転職意欲も高まっており、企業の採用方針はより多様化・積極化しています。採用後も知識・ノウハウの蓄積や業績向上など、その貢献は多岐にわたります。
一方で、給与バランスや組織適応、柔軟性への不安も明らかになりました。今後は、即戦力としての価値と組織との調和を両立し、ミドル・シニア人材が最大限活躍できる環境づくりが重要となるでしょう。面接での見極めや自社のアトラクト(魅力提案)もより一層、重要性が増してきます。面接対応者のキャスティング、面接内容なども緻密に設計していくことが求められます。
今回の調査と合わせて、45歳以上で転職または転職活動をしたことのある45歳~50代のビジネスパーソンを対象とした《ミドル・シニア人材の“転職”に関する調査》と比較することで、企業とミドル・シニア人材のニーズが合致する部分が見えてきて、今後の採用戦略を立てていく上での重要指標になるでしょう。
*ミドル・シニア人材の“転職”に関する調査|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000005100.html
■株式会社プロフェッショナルバンクについて
2004年設立。「“働く人”を通じて豊かな未来を創造する」を理念とし、各業界専任のヘッドハンターを多数抱える国内大手のヘッドハンティング会社です。“転職顕在層”から採用に導く「人材紹介」と、“転職潜在層”を含む全労働人口のサーチから移籍を実現する「ヘッドハンティング」を展開しており、難易度の高い経営人材や技術職・専門職の即戦力人材に対して「中途採用の切り札」として支援することで、企業成長に貢献しています。
■HR研究所について
採用・組織開発をはじめとしたHR領域の社会的トピックに対して、市場調査とデータ分析による人材戦略・採用活動を主としたビジネス発信をするプロフェッショナルバンクのシンクタンクです。人材不足が加速する昨今において、各社が人的資本経営の重要性を理解し、日本企業のさらなる価値向上を目指すべく、経営の継続・成長に深い繋がりを有するHR情報を発信しています。
【会社概要】
■会社名 :株式会社プロフェッショナルバンク
■代表者 :呑田 好和
■設 立 :2004年8月
■資本金 :1億円
■所在地 :東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル10階
[経営者と技術・専門職のヘッドハンティング]
https://www.pro-bank.co.jp/headhunting/
[経営ブレーンの転職支援]
https://www.pro-bank.co.jp/jobchange/
[女性社外取締役・監査役紹介の紹介サービス]
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