JA新みやぎ・トレ食株式会社との未利用バイオマス(籾殻等)の有効活用に関する協定の締結ならびにトレ食株式会社への出資に関するお知らせ
~産地における未利用バイオマス処理の課題解決に向けて協業を開始~
株式会社ヤマタネ(東京都江東区、代表取締役社長:河原田 岩夫)は、トレ食株式会社(福島県南相馬市、代表取締役:沖村 智、以下「トレ食」)及び新みやぎ農業協同組合(宮城県栗原市、代表理事組合長:大内 一也、以下「JA新みやぎ」)との間で未利用バイオマスの活用に関する協定を締結いたしましたので、お知らせいたします。

【経緯】
本協定の締結に先立ちヤマタネはトレ食への出資を決定し、トレ食の開発した技術を活用し、籾殻からセルロースを抽出し、販売する事業を開始することといたしました。尚、当該機械装置はJA新みやぎ管内の宮城県栗原市内に設置予定です。
トレ食のセルロース抽出技術は、抽出工程に薬品を使用しないため環境負荷が少なく、独自の製造技術を確立したことでセルロースの製造コストを抑えられるという特徴があります。本機材の導入により、古来より、日本の農業で実践されていた循環型農業の復元を目指すとともに、稲作産地での籾殻処理に伴うコストの削減や資源の再利用を通じた、生産者への還元効果が期待でき、ヤマタネが目指す「持続可能な農業の実現」に繋がります。
本案件は、当社パートナー産地の1つであるJA新みやぎ管内に機械装置を導入するもので、本協定は、これに伴い事業の推進にあたっての更なる協力関係の構築に向け締結するものです。
今後、協業を通じて、ヤマタネ、トレ食、JA新みやぎは共に持続可能な営農に向けた産地連携の強化に努めてまいります。
【協定の目的】
国内では、米の生産量の2割にあたる約150万tの籾殻が排出されていると推定され、大量の籾殻の処理にあたっては、廃棄するためのコストや環境への負荷が大きく、多くの産地にとっての課題となっています。
今回の協定は、これらの課題解決に向けた取り組みの共同推進に関する協定となります。
目的
未利用バイオマスの有効活用に関する事業の共同推進及び協力関係の構築
役割
・ヤマタネ:本事業の運営
・トレ食:本事業に関する研究、機械装置開発及び保守
・JA新みやぎ:未利用バイオマス(籾殻等)の供給、検証及び支援全般
未利用バイオマスとは、農業、林業、食品産業などで発生する、通常は廃棄される生物由来の有機物を指します。農業分野では、籾殻、稲わら、果樹剪定枝、果樹・野菜の皮や芯などが代表的な例です。これら未利用バイオマスの活用は、多くの産地にとって有効な課題解決策となる可能性があります。
【将来展望】
本事業は、籾殻セルロースの抽出に留まらず、農業における資源循環の新たな可能性を探る取り組みとして、以下の展開を目指します。
1.多様な未利用バイオマスへの展開
事業初期段階では籾殻の再利用に向けて事業を開始しますが、将来的にはその他の未利用バイオマスへの技術適用を検討し、日本の農業が抱える未利用バイオマス処理課題に包括的なソリューションを提供することを目指します。
2.高付加価値材料への加工
セルロースナノファイバー(CNF)への加工、生分解性プラスチックの代替材料、先端的な複合材料開発など、様々な可能性を追及してまいります。
3.農業生態系の循環型モデル構築
セルロース抽出後の残液を自然由来の農薬として再利用し、環境負荷の低い農業生態系の実現に貢献してまいります。
4.再生可能エネルギーへの展開
バイオマス燃料としての活用を検討し、農業と再生可能エネルギーの融合モデルの構築を目指してまいります。
【各社について】
ヤマタネグループは、1924(大正13)年の創業以来「安全」「安⼼」「良⾷味」のお⽶を提供するため、全国の産地と連携し、強固な関係を構築してまいりました。コーポレートメッセージとして“「続く」を⽀える。”を掲げており、全てのステークホルダーの「続く」を⽀えていくことや、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取り組むことなどをサステナビリティ⽅針として定めています。その実現に向け、「地域コミュニティ及び⽣産地と農業の発展」を掲げ、持続可能な農業の実現に寄与するための事業を推進しています。
トレ食は、籾殻を中心とする未利用バイオマスから薬剤を使用せずにセルロースを抽出する技術を有しており、同社が開発した機械装置を使用したセルロース原料の製造や、セルロース原料の販売にも取り組んでいます。また、「自然のめぐみを、使い切る社会へ。」という理念の下、未利用バイオマスなどを素材として再利用できる技術の浸透に取り組んでおります。セルロースは、自動車部材や包装・容器材料などプラスチックの代替品として需要が高まっており、同社の籾殻処理のソリューションにも注目が集まっています。
JA新みやぎは、宮城県北部の5つのJA(みどりの・栗っこ・南三陸・あさひな・いわでやま)が2019(令和元)年7月1日に合併し誕生しました。管内は、西は奥羽山脈、北上川の広い中流域を挟んで東は三陸海岸まで、南は仙台圏に至り、宮城県の三分の一を占めます。管内の人口は約33万人、多様な地域と組合員がいる大規模JAです。農業生産では、稲作を中心に、宮城県が誇るブランド牛「仙台牛」の一大産地として、また、トマトやキュウリ、ネギ、シイタケなど多品目の園芸作物の生産地として、農畜産物の生産が盛んな地域です。
【出資先企業概要】

(1) |
名称 |
トレ食株式会社 |
(2) |
本社所在地 |
福島県南相⾺市原町区⻄町3-461-1 |
(3) |
代表者の役職・氏名 |
代表取締役 沖村 智 |
(4) |
事業内容 |
セルロース原料の供給、セルロースに関わる受託研究、コンサルティング事業 |
(5) |
資本金 |
2億7,520万円 |
(6) |
設立年月 |
2018年6月 |
(7) |
URL |
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社ヤマタネ 経営企画部 広報担当
TEL:03-3820-1116 E-mail:kikaku@yamatane.co.jp
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