【HR白書 2024 vol1~企業編~】2024年度入社の新卒採用、「予定通り採用できた」企業は64.6% 新卒の初任給71.7%、既存社員の給与64.4%の企業で賃上げ
8割以上の企業で人手不足、打開策は”フリーランス採用”か~人手不足、賃上げ、物価上昇など激動の2024年度採用における企業の実態~
ITフリーランスのマッチングサービス「フリエン」「チョクフリ」、正社員の求人に特化した転職支援サービス「フリエン転職」を展開するアン・コンサルティング株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:久利鋭一、以下「当社」という)は、昨年に続き第2回目となるHRに関する調査「HR白書 2024 vol1~企業編~」を発表いたします。
調査の結果、2024年度入社の新卒採用において「予定通り採用することができた」企業は64.6%(「予定より多く採用することができた」16.4%、「予定通り採用することができた」48.2%)でした。一方で「人員不足を感じている」企業は83.2%(「一部の部署で足りていない」53.0%、「多くの部署で足りていない」24.0%、「すべての部署で足りていない」6.2%)にのぼることがわかりました。賃金に関しては、「新卒の初任給を増額した」企業が昨年(54.4%)と比較して17.3ポイント増加し71.7%に、「既存社員の賃上げをした」企業は昨年(48.4%)と比較して16.0ポイント増加し64.4%と、共に増加していました。また、フリーランスの採用状況に関しては「昨年度フリーランスの採用を実施した」27.0%から、「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」37.6%と10.6ポイント増えており、こちらも増加傾向となりました。企業の人員不足を解消する一手として「フリーランス採用」を取り入れる企業が多くなってきているのかもしれません。
●調査背景
少子高齢化が進み、様々な職種で「人手不足」が大きな課題となってきています。求職者に自社を選択してもらうため、採用方法や働き方の多様性、副業や育休などの制度を積極的に取り入れている企業も多いのではないでしょうか。そこで、昨年実施した「HR白書2023」に続き「採用状況」「人材・製品・サービスコスト」「働き方」3つの観点から、現在の企業におけるHRに関する調査を実施しました。
<調査結果トピックス>
■2024年度入社の新卒採用状況、予定より多く採用・予定通り採用できた企業は64.6%と半数以上。
(「予定より多く採用することができた」16.4%、「予定通り採用することができた」48.2%)
■既存社員の賃上げをした企業、昨年比16.0ポイント増加。
(「賃上げを実施した」<2023年>48.4% <2024年>64.4%)
■製品・サービスの値上げをした企業、
53.2%と昨年比12.6ポイント増加。
(「値上げを行った」<2023年>40.6%
<2024年>53.2%)
■育児休暇の取得率、男性は10%未満が47.2%にものぼる。
(「取得率10%未満」<男性>47.2%(「0%」17.0%、「10%未満」30.2%)
<女性>19.4%(「0%」7.4%、「10%未満」12.0%))
<1.採用状況>
~2024年度入社の新卒採用で、採用した職種TOP3は「営業」「事務・総務」「エンジニア」。従業員数300名以上の企業では30%以上でエンジニア採用。IT人材不足に備えて、早めのエンジニアの獲得か。~
Q1. あなたがお勤めの企業では2024年度入社の新卒採用を実施しましたか。(単数回答、n=500)
2024年度入社の新卒採用に関わった担当者へ新卒採用活動の結果を聞いたところ、「新卒採用を実施し、実際に入社した」割合は従業員数が300名~1,000名未満、1,000名以上の企業では9割以上であるのに対して、50名未満の企業では約6割となりました。また、50名未満の企業では「新卒採用を実施したが内定を出さなかった」企業が約2割あることがわかりました。
Q2. あなたがお勤めの企業において、2024年度入社の新卒採用の際に情報発信で使用したものをお答えください。(複数回答、n=500)
企業では採用活動を行う際、どのような手法で情報発信を行っているのでしょうか。新卒採用の情報発信において、使用したものを聞いたところ、1位「会社HP」68.0%、2位「ダイレクトリクルーティングサービス」52.8%でした。次いで、「X(Twitter)」23.2%、「LINE」22.2%という順でした。自社サイト以外のツールで一番使用されているダイレクトリクルーティングサービスの使用企業を従業員数別で比較すると、300名未満の企業は利用割合が50%以下なのに対し、300名以上の企業は60%以上の割合で使用していることがわかりました。売り手市場と呼ばれる昨今では、人材獲得における競争が激化していることにより、ダイレクトリクルーティングサービスを介して人材への積極的なアプローチを行っているのかもしれません。
Q3. あなたがお勤めの企業での2024年度入社の新卒採用において、予定していた人数を採用することができましたか。(単数回答、n=438)
Q1で「新卒採用を実施し、実際に入社した」と回答した方へ、2024年度入社の新卒採用において予定通りの採用活動ができたか聞いたところ「予定より多く採用することができた」企業は16.4%、「予定通り採用することができた」企業は48.2%、「予定より少ないが採用することができた」企業が34.0%となりました。約6割の企業が予定通りかそれ以上の新卒採用ができていることがわかりました。
Q4. 2024年度入社の新卒採用において、採用した(内定を出した)職種をお答えください。(複数回答、n=500)
2024年度入社の新卒採用において、採用した(内定を出した)職種を聞いたところ、1位「営業」35.8%、2位「事務・総務」30.8%、3位「エンジニア」29.8%でした。エンジニア採用企業を従業員数別で比較すると、従業員300名以上の企業では30%以上がエンジニアを採用していることがわかりました。経済産業省の「IT人材需給に関する調査報告書」によると、2030年には最大79万人のIT人材不足が予想されています。将来に備え、早めのエンジニア獲得を求める企業が多くなっているのでしょうか。
Q5. あなたの企業において、2023年10月以降に内定辞退は発生しましたか。(単数回答、n=474)
発生した場合、内定者数のうちどの程度の割合で内定辞退者がいましたか。(単数回答、n=313)
Q1で「新卒採用を実施し、実際に入社した」「新卒採用を実施し、内定を出したが入社しなかった」と回答した方へ、2023年10月以降に内定辞退が発生したか聞いたところ、66.0%の企業で内定辞退があったことがわかりました。「内定辞退があった」と回答した方へ、内定辞退者の割合について聞いたところ、「10%以下」が32.3%、「11~20%」が19.8%、「21~30%」が17.6%でした。
Q6. あなたの企業における新卒3年目までの離職率をお答えください。(単数回答、n=500)
新卒3年目までに退職者が発生したか聞いたところ、78.6%もの企業で退職者が発生していることがわかりました。新卒3年目までの離職率については、「10%以下」23.2%、「11~20%」16.4%、「21~30%」17.2%と、約2割の企業で新卒3年目までの離職率が10%以下であることがわかりました。8割近い企業で新卒3年目までの退職者が発生しているということは、働き方の多様性が進み、キャリアの選択肢が増えたことから、若いうちに転職を希望する方も多くなっているからでしょうか。
Q7. あなたがお勤めの企業でのフリーランスの採用状況についてお答えください。(複数回答、n=500)
新卒採用活動を実施した企業に、フリーランスの採用状況に関しても聞きました。「昨年度フリーランスの採用を実施した」27.0%、「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」37.6%と昨年の採用よりも10.6ポイントも増え、フリーランスの採用が増加傾向にあることがわかりました。
また、「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」企業を従業員数別で比較をすると、50名未満の企業では31.6%なのに対し、1,000名以上の企業では41.7%と、企業規模が大きくなるほどフリーランス採用について前向きな傾向であることもわかりました。
Q8. あなたがお勤めの企業では2025年度入社の新卒採用予定がありますか。(単数回答、n=500)
2025年度入社の新卒採用の予定についても聞いてみました。全体で「新卒採用予定がある」と回答したのは87.2%で2024年度入社に新卒採用活動を実施した多くの企業で予定をしているようです。
Q9. あなたはお勤めの企業において人員が足りていると思いますか。(単数回答、n=500)
お勤めの企業において人員が足りていると思うか聞いたところ、「一部の部署で足りていない」53.0%、「多くの部署で足りていない」24.0%、「すべての部署で足りていない」6.2%とあわせて83.2%もの企業で人員が足りていないことが明らかになりました。
<2.人材、製品・サービスに関するコスト>
~新卒の初任給・既存社員の賃上げをした企業は昨年に比べて16.0ポイント以上増加。また、53.2%と半数以上の企業が、製品・サービスの値上げを実施。~
Q10. あなたがお勤めの企業では昨年と比較して賃上げを実施しましたか。
2024年と2023年を比較して賃上げをしたか聞いたところ、新卒社員の「初任給を増額した」企業は71.7%と、昨年の調査に比べて17.3ポイントも増加していることがわかりました。既存社員の「賃上げをした」企業は64.4%で、こちらは昨年と比較して16.0ポイント増加していました。物価上昇を上回る賃上げを目指している政府の方針に対し、各企業は従業員の生活を守るために賃上げを積極的に進めたことがうかがえます。
Q11. あなたがお勤めの企業では2023年4月から2024年3月の期間において、製品・サービスの料金改定を実施しましたか。(単数回答、n=500)
2024年度と2023年度を比較して製品・サービスの料金改定について聞いたところ、「値上げを行った」53.2%と2023年度(2022年4月~2023年3月)と比較をして12.6ポイント増加していることがわかりました。紛争や世界的な天候不順や円安など様々な要因により、原材料の高騰が相次ぎ、製品・サービスの値上げをした企業が増えたと考えられます。
Q12. あなたがお勤めの企業では人事関連でコストカットをしましたか。(複数回答、n=500)
お勤めの企業において人事関連に関するコストカットをしたか聞いたところ、「人材に関するコストカットを実施した(リストラなど)」21.0%、「ボーナスのカットを行った」15.8%、「減給を行った」11.4%と多くの企業でコストカットを実施していたことがわかりました。
<3.働き方>
~フル出社の企業は50.6%と半数以上にのぼる。フルリモートの企業は昨年と比較して1.4ポイント減少。~
Q13. あなたがお勤めの企業の現在の出社頻度をお答えください。(単数回答、n=500)
また、新卒社員の勤務形態をお答えください。(単数回答、n=438)
新卒採用を実施した企業に働き方について聞きました。現在の出社頻度については、「フル出社」の企業は50.6%と、2023年と比較して15.2ポイント増加していることがわかりました。
また、新卒社員においては「フル出社」62.3%と全体の約6割の企業がフル出社をしていることがわかりました。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行し、元の日常生活に戻っていることから、コロナ禍と比較して出社を求める企業が増えてきたことがうかがえます。
Q14. あなたがお勤めの企業では副業制度がありますか。(単数回答、n=500)
また、お勤めの企業で副業制度を設けられている(検討している)理由をお答えください。(複数回答、n=343)
副業制度の有無について聞いたところ、「現在、副業制度がある」29.0%、「現在副業制度はないが、今後制度を作る予定である」22.2%、「現在副業制度はないが、副業制度を作るか検討中である」17.4%と、計68.6%の企業が副業制度に対して前向きに考えていることがわかりました。従業員数別で比較すると、1,000名以上の企業では「現在、副業制度がある」40.4%と、既に約4割の企業で副業制度が設けられていました。
副業制度を導入・または検討中の企業に対して、副業制度を設けている(検討している)理由について聞いたところ、「多様な働き方を推奨するため」53.1%、「社員のスキルアップのため」47.8%、「優秀な人材を確保するため」44.6%と続きました。
Q15. あなたがお勤めの企業では、子育てしやすい環境が整っていると思いますか。(単数回答、n=500)
少子高齢化や共働き世帯の増加を受け、2022年~育児・介護休業法改正が行われました。そこで、お勤めの企業で子育てしやすい環境が整っているか聞いたところ、「そう思う」18.8%、「ややそう思う」56.8%とあわせて75.6%の企業が子育てしやすい環境と回答しました。
Q16. あなたがお勤めの企業の育児休暇の取得率をお答えください。(単数回答、n=500)
育児休暇の取得率を聞いたところ、男性で「10%未満」が47.2%(「0%」17.0%、「10%未満」30.2%)、女性で「10%未満」が19.4%(「0%」7.4%、「10%未満」12.0%)と女性と比較して27.8ポイントも差があることがわかりました。
男性の育児休暇取得率を従業員数別で比較すると、1,000名以上の企業は取得率10%未満が約3割なのに対し、300名未満の企業は取得率10%未満が5割以上と、従業員規模が小さい企業ほど男性の育児休暇取得が進んでいないことがわかりました。
総括
少子高齢化が進み、様々な職種で「人手不足」が大きな課題となっている中、共働き世帯も増え、改正育児・介護休業法が2024年5月に成立しました。また、世界的な天候不順や紛争などにより原材料の高騰が相次ぎ、円安が進んだ影響で、コスト面でも大きな変化があります。こうした中、採用状況や、育児休暇取得率など社員の働き方や製品・サービスコストなどHRに関する実態を調査しました。
調査の結果、人員不足を感じている企業は83.2%と、8割以上の企業で人員が足りていないということがわかりました。採用状況においては、2024年度入社の新卒採用にて「予定通り採用することができた」企業は64.6%でしたが、2023年10月以降、6割以上の企業で内定辞退が発生していることもわかりました。
育児休暇取得率については、10%未満と回答した方は男性が47.2%(「~10%未満」30.2%、「0%」17.0%)、女性が19.4%(「~10%未満」12.0%、「0%」7.4%)と、企業における男性の育児休暇取得がまだまだ進んでいないことがうかがえます。
また、フリーランスの採用状況については「昨年度フリーランスの採用を実施した」27.0%、「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」37.6%と、10.6ポイントも増えていることがわかりました。従業員数別で比較をすると従業員数が多い企業ほどフリーランス採用実施(予定)の割合が高くなっており、フリーランス採用について前向きな傾向であることもわかりました。
2024年秋には「フリーランス保護新法」の施行が予定されており、フリーランスと一緒に働くための環境が整えられてきています。企業の人員不足を解消するためには、フリーランスの採用を積極的に取り入れていく企業が多くなるのではないでしょうか。
当社は『フリエン』『チョクフリ』と企業のニーズに応じたフリーランスのマッチングサービスを提供することができます。正社員に代わる新しい採用手段として積極的に活用していただけるよう、これからもサービス向上に努めてまいります。
<調査概要>
調査機関 :アン・コンサルティング株式会社
調査対象 :2024年度入社を実施した企業の採用担当者
有効回答数:500サンプル
調査期間 :2024年4月11日(木)
調査方法 :インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
本リリースの引用・転載は必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「アン・コンサルティング株式会社が実施した調査結果によると・・・・」
●アン・コンサルティング株式会社
累計掲載案件数30,000件以上、業界最大級ITフリーランス専門サイト「フリエン」、ITフリーランスと”チョク”でつながる完全成功報酬型サービス「チョクフリ」、正社員の求人に特化した転職支援サービス「フリエン転職」を運営するITエンジニアと企業をつなぐマッチングサービス企業です。今後もITエンジニアと企業の懸け橋となれるよう、引き続きより良いサービス提供を行ってまいります。
<会社概要>
会社名 :アン・コンサルティング株式会社
本社 :東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー29F
大阪支社 :大阪府大阪市北区中津1-15-15 中津第2リッチビル4F
福岡支社 :福岡県福岡市中央区大名2丁目9-29 第2プリンスビル 805
代表取締役:久利 鋭一
設立 :2011年1月27日
事業内容 :フリーエンジニアリング事業
ITエンジニアの案件・求人サイト「フリエン」
フリーランスエンジニアと直接契約できる「チョクフリ」
フリーランスエンジニア向け福利厚生サービス「furiwell」
クリエイターに特化したマッチングポータル「フリエン☆クリエイターズ」
有料職業紹介〔13-ユ-307972〕「フリエン転職」
以上に関する一切の業務
<各種サイトURL>
コーポレート :https://www.anconsulting.jp/
フリエン :https://furien.jp/
チョクフリ :https://chokufuri.jp/
フリエン転職 :https://tenshoku.furien.jp/
フリエン☆クリエイターズ:https://creators.furien.jp/
お問い合わせ先
アン・コンサルティング株式会社 広報担当:小澤美樹(オザワミキ)
TEL:03-6277-1290 E-Mail:pr@anconsulting.jp
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