【人的資本理論の実証化研究会】2023年度参画企業は27社に。味の素、伊藤忠商事、資生堂等の人材能力データ等をもとに、企業価値に影響を与える人的資本の指標を更に検証
2022年度の研究成果では、企業価値に影響を与える人的資本の指標「人的資本ESG指標(仮)」として、管理職のイノベーション力やSDGs力が企業価値(株式時価総額)推移の説明や予測に繋がる可能性が示唆されました。2023年度は、参画企業の人材能力関連データを測定・活用することで更にデータ数を増やし、指標の確からしさやその他の有力な指標の有無を検証いたします。2022年度に引き続き、小野教授による、ゲーリー・ベッカーが提唱した「人的資本理論」の講義をふまえ、投資家への戦略的な情報開示にむけた人的資本経営の支援をしてまいります。
「人的資本理論の実証化研究会」公式サイト:https://hc-cv-research.jp/
■参画企業(五十音順)
味の素株式会社、伊藤忠商事株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、江崎グリコ株式会社、株式会社オリエントコーポレーション、株式会社資生堂、株式会社常陽銀行、スカパーJSAT株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社千葉銀行、東北電力株式会社、株式会社ニコン、株式会社日経BPコンサルティング、日鉄ソリューションズ株式会社、日本郵便株式会社、野村不動産ホールディングス株式会社、富士急行株式会社、株式会社ポーラ、株式会社みずほフィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社りそなホールディングス、株式会社NSD、TIS株式会社、他
■主な参画企業のコメント(参画理由など)(五十音順)
○株式会社オリエントコーポレーション
「人的資本投資をめぐる社会的・経済的・戦略的な動向や、企業価値向上との定量的な関係性を理解することが、当社の「人財戦略」の推進上、極めて重要な意味を持つと考え、参画させていただきました。また、他の参画企業の進んだ取組みについて直接お聞きできることも、貴重な機会であると考えております。」
○株式会社資生堂
「当社のミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」におけるイノベーション創出の源泉は人財であり、人的資本経営は人財戦略の要になります。
事業の持続的成長による経済的価値の向上と社会的価値の創出に向け、人的資本の定量化やKPI・指標設定の検討における本研究会での活動に貢献し、その知見を活かして参ります。」
○株式会社常陽銀行
「人的資本投資がどのように企業価値に影響を与えるのかについて、相関が高い人事関連指標やESG対応力等を明確化し、当行における人事施策の高度化とエンゲージメント向上を図りたいと考え参画しました。研究会テーマの理解や他の参画企業様との情報交換を通じ、当行における人事施策・人的資本経営の充実や企業価値向上につなげていきたいと考えております。」
○スカパーJSAT株式会社
「弊社は、2021年度よりマテリアリティの一つに「多様な人財の活躍」を定め、様々な取り組みを進めてまいりました。さらに今年度は人財戦略の整備、人事制度の大幅見直しを行ない、人的資本強化を本格化させております。今回このタイミングで本研究会に参加する機会をいただき、研究会を通じて得られる知見を、ぜひとも今後の取り組み促進に繋げていきたいと考えております。」
○東北電力株式会社
「企業価値向上に向けた自社の人財戦略の検討に活かしたいと考え参加を決めました。「理論」と「実証」が特徴で企業経営に有益な研究であると考えています。実際のデータを活用した人的資本の指標検証や課題形成に期待するとともに,毎回同様の問題意識を持った企業との意見交換も多くの示唆を得られるものと期待しております。」
○株式会社 日経BPコンサルティング ※2022年度からの継続参画企業
「本研究会への参加を通じて、人的資本ROI測定の確立から人的資本の戦略的情報開示まで、一気通貫で企業様を支援させていただける存在になれるよう努めてまいります。」
○株式会社ポーラ
「私たちは「私と社会の可能性を信じられる、つながりで溢れる社会」をビジョンに掲げております。その実現に向けては、人の力を最大限に引き出すことが必要であり、組織風土改革や人材育成、DE&Iの浸透などを進めています。人的資本と人事領域の様々な事柄の関係性が明らかになることで、より有効な策を展開し、企業価値を向上させたいと考え参画いたしました。」
〇株式会社みずほフィナンシャルグループ
「当社は2023年度からスタートした中期経営計画において、人的資本の強化・充実を含む非財務価値の向上を最重要テーマの1つとして位置付けています。本研究会への参画を通じ、当社の人的資本の分析・可視化を踏まえた深度ある情報開示、さらには企業価値向上に繋げていくための気づきが得られることを期待しています。」
〇三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 ※2022年度からの継続参画企業
「信託の力で新たな価値を創造することをパーパスに掲げる当グループの価値創造の源泉は、多様な背景と専門性を持つ社員が融合し発揮する総合力です。本研究会のテーマである人的資本と企業価値との繋がりの可視化は、当グループにおいても重要なテーマであり、本研究を通じ、社会共通資本でもある人的資本強化に貢献していきます。」
○株式会社りそなホールディングス
「りそなグループひいては社会全体の持続的成長に向けてもっとも重要な資本は「人財」です。人財への投資判断にあたっては「投資がいかに企業価値、社会価値向上に資するか」を解明することが重要な論点の1つと考えます。研究会への参加を通じて、理論・データ活用両面からアプローチを行い、人財戦略をより強固なものにしていきます。」
○TIS株式会社
「人的資本投資による企業価値へのインパクトについて、当社でも仮説を立て検証を進めていますが、効果測定は容易ではありません。同じ課題を持つ企業が業界を超え、科学的根拠とデータをもとに検証・議論することは有意義であると考えています。当研究会の成果が、社会経済と人材の活性化に寄与するものと期待しています。」
■両座長の2023年度の研究活動に対するコメント
〇一橋大学大学院 経営管理研究科 教授 小野 浩(人材のマネジメント、人的資本理論、幸福度、統計学)
「2022年度に本研究会を立ち上げた当初から,世の中における人的資本に対する関心は根強く,おかげさまで今年度はさらに勢いを増して参加企業が27社になりました。本年度は人的資本の理論と応用についてさらに新しいトピックスを紹介します。参加企業の皆さまとネットワーキングを深めながら,勉強する機会を楽しみにしております。」
〇一橋大学大学院 経営管理研究科 特任教授 兼 IGS株式会社 代表取締役社長 福原正大(人的資源管理におけるデータ活用)
「今年度は、更に多くの企業のみなさまにご賛同いただき、2023年度の研究活動をスタートすることとなりました。昨年度の人的資本と企業価値の関係性に関する実証研究をさらに発展させ、小野座長と企業のみなさまと協力して、実践的な成果を生み出すことを目指して参ります。本研究会は、企業の競争優位として人的資本を確立し、ステークホルダーに理解されることを目指しています。日本の潜在力を引き出し、再び国際的な評価を受けることが目標です。人的資本の可視化と開示を通じて、企業の競争力向上に貢献できれば幸いです。」
<APPENDIX>
■研究会 概要
〇発足背景
2023年3月期決算から義務化される「人的資本の情報開示」に向けて、様々な人的資本の指標について議論が行われています。本研究会は、日本企業がこれらの開示にとどまらず、「そもそも人的資本が企業価値にどれだけ寄与するものか(人的資本の投資対効果)」を明らかにすることで、経営者へデータに基づいた人材施策の投資判断を促し、かつ投資家への戦略的な情報開示を実現するために発足しました。
〇研究会の体制特徴
「人的資本」の概念を提唱したノーベル経済学者のゲーリー・ベッカー教授の理論に基づき、本研究会では人的資本を「能力」と捉えています。
これまで人材能力は測定・データ化が難しく、日本では人的資本の投資対効果の研究はあまり進んでいませんでした。本研究会では、IGSのAIを活用した360度評価ツール「GROW360」によって、社員の多様な能力を測定。ベッカー教授のもと学んだ小野教授の人的資本理論に基づきながら、人材能力データ・財務データ等を含めた企業の実データを分析し、研究を進めています。
〇2022年度の研究成果
上場企業32社の人的資本(企業人材の能力)を定量的にデータ化し分析した結果、管理職の能力が企業価値(株式時価総額)推移の説明や予測に繋がる可能性が示唆されました。
※プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000054457.html
研究会公式サイト:https://hc-cv-research.jp
■GROW360(グロー・サンロクマル)とは
AIを活用した360度評価ツールで、業界内などで横比較が可能な形で、従業員の能力や潜在的な性格を測定します。能力は、グローバルで活躍する人材の思考・行動から導き出される共通の行動特性(キー・コンピテンシー)25種類で可視化。これまで約77万人※の学生・社会人が受検しています。※ 2023年3月末時点
・従来の360度評価との違い
1)上司・部下・同僚が評価をする360度評価は、評価者の甘辛傾向や忖度などの「評価の偏り(バイアス)」が生まれます。GROW360は、バイアスをAIが補正し、より正確な評価結果が得られます(特許技術)。
2)各社で作られた360度評価は、自社独自の評価項目になっているため、業界内などで横比較ができません。GROW360は、経済協力開発機構(OECD)プロジェクトDeSeCoの研究成果をベースに、25種類のコンピテンシーを評価するため、横比較が可能な能力データを蓄積できます。
サービスサイト:https://www.grow-360.com/ja
■Institution for a Global Society(IGS)株式会社 会社概要
「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」を企業パーパスに掲げるHRTech/EdTech企業。2021年12月29日に東証マザーズ市場(現・グロース市場)に上場。
所在地:〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-11-2 4F
設立:2010年5月
資本金:95百万円
事業内容:AIを活用した人材評価プラットフォームを企業や学校に提供
コーポレートサイト: https://www.i-globalsociety.com/
■本件の問い合わせ先
〇研究会へのお問い合わせ
「人的資本理論の実証化研究会」運営事務局
Institution for a Global Society株式会社 HR事業部
E-mail: hc-cv-research@i-globalsociety.com
〇取材に関するお問い合わせ
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