【AI人材育成、取り組んでいない企業は6割超】製造業のAI推進に立ちはだかる3つの障壁
人材・業務両立・教育コストの壁を乗り越えるには?
株式会社キーウォーカー(所在地:東京都港区、代表取締役社長:小林 一登)は、製造業(経営者、IT部門、現場責任者)の方を対象に、「製造業のAI活用」に関する調査を実施しました。
AI導入に対する関心が高まる中、日本の基幹産業である製造業でも、その活用に向けた関心や議論が徐々に広がりを見せています。
省人化・品質向上といった明確な期待がある一方で、「AIに詳しい人材がいない」「現場とのギャップが埋まらない」といった“人的課題”が導入を阻んでいるのではないでしょうか。
また、ツールの複雑さや定着の難しさなど、技術そのものではなく「使いこなせるかどうか」が不安要因となっているケースもあるのではないでしょうか。
そこで今回、株式会社キーウォーカー(https://www.keywalker.co.jp/)は、製造業(経営者、IT部門、現場責任者)の方を対象に、「製造業のAI活用」に関する調査を実施しました。
調査概要:「製造業のAI活用」に関する調査
【調査期間】2025年5月30日(金)~2025年6月2日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】404人
【調査対象】調査回答時に製造業(経営者、IT部門、現場責任者)と回答したモニター
【調査元】株式会社キーウォーカー(https://www.keywalker.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
「製造業がAI導入に期待する効果」「AIの導入・活用が進まない理由」「製造業におけるAI人材育成の実態」など詳細なデータはホワイトペーパーで公開中です。

導入状況は二極化、「導入予定なし」が4割超

はじめに、「勤務先のAI(人工知能)の導入状況」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『導入を検討しているが未導入(15.1%)』
『一部の業務領域で導入している(26.3%)』
『全社的に導入・運用している(10.6%)』
『導入予定はない(41.8%)』
『わからない(6.2%)』
AIが注目されて久しいものの、導入済みの企業は全体の4割に満たず、「検討中」や「導入予定なし」が依然として主流であることが明らかになりました。
次に、導入が進んでいる業務領域の傾向について、前の質問で『導入を検討しているが未導入』『一部の業務領域で導入している』『全社的に導入・運用している』と回答した方に伺いました。
「AIを導入・検討している業務領域」について尋ねたところ、『生産計画・需要予測(55.2%)』が最多で、『品質検査・異常検知(48.1%)』『設備保全・稼働率最適化(41.0%)』となりました。
導入・検討が進む領域は、定量データが多く蓄積されている工程や、業務の定型化が可能な領域が中心となりました。
なかでも需要予測や品質検査などは、AI導入の効果が可視化されやすく、費用対効果を得やすいと判断されている可能性があります。一方、製品開発支援のように、創造性や判断力が求められる分野ではAI活用がまだ進みにくい状況にあるようです。
育成の障壁は「現場業務との両立」「教える人材の不足」
では、AIの導入・活用に必要である、AIを扱える人材の育成においてはどのような課題を感じているのでしょうか。

「社内でAIを扱える人材を育てるうえで、障壁だと感じる点」について尋ねたところ、『現場業務との両立が難しい(35.6%)』『教える人がいない(35.4%)』『教育に時間・コストをかけられない(29.6%)』が上位を占めました。
育成以前に「既存業務との両立」「誰が教えるのか」「どう時間を確保するのか」という基本的なリソース課題が根本にあることがわかります。また、ITリテラシーの壁や、そもそも何から始めればよいか分からないという声もあります。成果が見えにくくモチベーションが続かないといった要素もあり、長期的な人材育成には継続支援と適切な評価指標が必要となりそうです。
AIツール選定で重視されるのは「サポート体制」「操作性」「コスト」

「AIツール導入で重視するポイント」について尋ねたところ、『導入・運用後のサポート体制(38.4%)』『操作のしやすさ・UI(38.4%)』『導入・運用コストの妥当性(38.4%)』が同率で最多となりました。
導入における評価基準は、ツールそのものの性能よりも、導入後に社内で使い続けられるかという運用面への配慮が中心となっていることがうかがえます。特に、操作性とサポートがセットで重視されている点は、現場での定着を見据えた需要を反映していると考えられます。
また、「教育にかかる手間・費用」「業種への適合性」も重視されており、製造業における多忙な業務環境との両立を意識したニーズがあるようです。
次に、「社内でAI活用を定着させるうえで大きな課題だと感じるもの」について尋ねたところ、『社内で推進体制が整っていない(31.9%)』が最多で、『現場のツール利用定着が難しい(25.6%)』『データやシステム基盤が整っていない(22.7%)』となりました。
単に導入するだけでは不十分で、推進体制の整備が進んでいない企業では、AI活用が一過性の施策として終わってしまうリスクが高くなることがわかります。また、現場での定着や活用事例の共有不足といった、運用段階での習慣化の難しさも定着を妨げる要因となっているようです。
有効だと思う支援策は「教育」と「導入後のサポート」
では、実際にどのような外部支援を求めているのでしょう。

「AIの導入・活用において有効だと思う外部支援」について尋ねたところ、『従業員向け教育プログラムの提供(38.4%)』『ツールの操作サポート・QA体制(33.4%)』『導入後のサポートの充実(32.4%)』が上位に挙がりました。
AI導入における最大の障壁が「人材育成」と「活用定着」であることを裏付ける結果となりました。教育と運用フェーズのサポートに需要が集中していることから、単なる技術提供ではなく伴走型の支援が望まれていることがわかります。また、ユースケースやKPI設計といった応用段階の支援も上位に来ている点は、導入済みの企業の次の課題を示しているとも言えそうです。
【まとめ】製造業においてAI活用定着の課題は「推進体制の未整備」
今回の調査で、製造業におけるAI活用の現状と課題が浮き彫りになりました。
導入状況は、約半数が導入を検討中、あるいは導入しているものの、全社的に導入している企業は約1割にとどまりました。
導入・検討している業務領域を見ると、「生産計画」「品質管理」「設備保全」など、生産効率や品質向上に直結する分野が上位に挙がっていました。
また、「AI活用人材」の育成の課題については、「業務との両立の難しさ」「教える人材の不足」「時間やコストをかけられない」といった構造的な課題が背景にあることが浮き彫りになりました。
AIツールの導入に関しても、「サポート体制」「操作性」「コスト」といった「運用のしやすさ」が重視され、ITリテラシーの壁や属人化のリスクを意識した選定がなされていることが読み取れました。
AI活用を社内で定着させる仕組みづくりには、現場に寄り添ったツールの運用支援や、導入後のKPI設計支援など「伴走型支援」が必要とされていることがわかりました。
単にAIを導入するだけではなく、現場と経営層が連携しながら実装・活用・育成のすべてを一体で設計できる外部支援が求められているといえるでしょう。
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■Dataiku(データイク)とは
プログラミングの知識がなくても使える「画面操作型」の分析ツールでありながら、専門家向けにはPythonやSQLなどのコードも使えるため、初心者と経験者が同じ環境で作業できます。
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【Dataiku導入・運用支援サービスのご紹介】
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製品理解や機能についての概要を知りたいお客様には、Dataiku公式の6つのトレーニングコースを、Dataikuから公式に資格認定されたトレーナーが実施いたします。
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伴走支援などを通して自走できる目途が立ったお客様や、すでに自社にデータサイエンティストがいるため、必要な時のみサポートしてほしい、などのお客様に対して、顕在化している課題だけではなく、潜在的な課題に対するディスカッションや活用されていない機能の紹介、別のアプローチの提案などが可能です。
●AIビジョンワークショップ
機械学習とは?という基本の部分から自社のデータ、課題起点で実現性の高いユースケースをどのように抽出していけばよいかをワーク形式で体験いただき、実際にユースケースを作成していただきます。
作成したユースケースは弊社データサイエンティストが実現性などをレビューさせていただき伴走支援や開発に繋がることも多く、実務に即活用できるワークショップとなっております。
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資料ダウンロードはこちら:https://www.keywalker.co.jp/dataiku/dataiku_support_service.html
■お問い合わせURL:https://www.keywalker.co.jp/dataiku/dataiku_support_service.html
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