<6/15はわさびの日>万城シーズニングパートナーズ、【第五回 わさび懇話会】開催 わさびをなんとなく選んでいる人必見! 有名シェフに聞く「香りを引き立たせる秘訣」「驚きの組み合わせ食材」
~イタリアン「La Brianza」エスニック「CHOMPOO」マッシュルーム専門料理「MUSHROOM TOKYO」和食「馳走 こんどう」~
株式会社万城シーズニングパートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役:三代 康雄、以下「BSP」)は2025年6月5日に「第五回 わさび懇話会~香りで伝えるわさびの価値~」を開催いたしました。
本イベントには、各料理業界の有名シェフをお招きし、わさびの新たな可能性、その香りを最大限に引き出す組み合わせ、そして業界が直面する「わさび離れ」という課題について深くディスカッションしました。

■開催背景
消費者の意識と専門家の視点:わさびの「価格」と「香り」
当社の2024年調査によると、わさび購入時、消費者の約半数にあたる46.3%が「手頃な価格」を重視していることがわかりました。一方、「品質の高さ」を重視する人はわずか14.7%に留まっており、多くの方が調味料を特に意識せず購入している実態が浮き彫りになりました※。
※調査概要:(調査期間)2024年7月、(調査方法)インターネット調査、(調査対象)・全国の10~70代の男女、1000名 うち、小売業×フルタイム勤務者 500名、一般生活者(小売業者含む)500名
しかし、今回のイベントに参加されたわさび研究の第一人者である岐阜大学の山根京子准教授は、わさびを「香り」で選ぶことでおいしさが際立つと評価をしています。
そこで今回の懇話会では、わさびが持つ知られざる価値の1つ「香り」にあらためて焦点を当てました。有名シェフの方々が、食材の香りを引き立たせる方法や、わさびとの意外な組み合わせについて活発な議論を展開。本イベントで得られた知見が、ご家庭の食卓にも新たなわさびの魅力をもたらすことを期待しています。
■専門料理ジャンル別 食材の香りの引き立たせ方
エスニック「CHOMPOO」森枝 幹氏
ニンニク×白コショウ×パクチーが“香りの黄金比”⁉
「タイ料理では、ニンニク・白コショウ・パクチーは王道の組み合わせ。タイ料理は、極端に辛い味付けや甘い味付けなど、味のコントラストが大きい料理のため、特定の調味料を強調することで、より際立った風味を作り出すことが多いです。例えば、シュワシュワとした辛さを引き立たせたいときには、酸を組み合わせています。」
マッシュルーム「MUSHROOM TOKYO」桜井 順一氏
オイルテンパリングと出汁の活用でマッシュルームの香りを増幅
「マッシュルームの香りを引き立たせるためにオリーブオイルなどをテンパリングして使うことが多いです。また、マッシュルームを高温加熱してしまうと水分がとび、縮みが起こってしまいます。定温加熱や出汁を用いることで、うま味を増幅させ、きのこ本来の豊かな香りを逃がさずに閉じ込めることができます。」
■専門料理ジャンル別 わさびの香りの引き立たせ方
和食「馳走 こんどう」近藤 明弘氏
香りを最大限に引き出すには、シンプルに「おろしたて」が一番
「わさびはおろしたてが一番香りが立ちます。わさびの細胞をできるだけつぶすことで、香りが一層引き立ち、新鮮な辛みが生まれます。特に海外のお客様は、おろしたてのわさびがもたらす一瞬の香りや辛みを評価している方が多く、すりたてのわさびをそのまま食べる時が、わさび本来の香りや辛みを最大限に楽しめる瞬間です。」
イタリアン「La Brianza」奥野 義幸氏
わさびのやさしい甘さを引き出し、やわらかい調理法と組み合わせる
「イタリアンでは、ローズマリーから香り高いオイルを作るように、スパイスの持つやさしい甘さを引き出す料理が多く、わさびもまたハーブやスパイスに近い感覚で使えます。海外では、わさびは痛い、辛いといった強い刺激のイメージが先行しがちであるため、乳やエスプーマ(泡状)のような口当たりが柔らかい調理法も今後広まるかもしれません。」
■相乗効果!わさびと相性の良いシナジー食材
【わさび×豆乳】イタリアン「La Brianza」奥野 義幸氏 考案
豆乳で辛味を抑えることで、マイルドな口当たり、新しい食感を実現

・わさびをといてエスプーマ(泡状)にすると、よりGOOD
→淡いわさびの味が感じられ、長く余韻が感じられる
→カルパッチョとあわせて食べるのがおすすめ
・調整豆乳より無調整豆乳の方が、より香りが長持ちするためおすすめ
▽味香り戦略研究所 髙橋貴洋氏の見解
「味覚 豆乳の乳糖様のやわらかな甘味・脂肪とタンパク質がAITCの塩味増強と苦味を緩和。舌上で“まろやかな辛塩味”に整え、タンパク質結合で甘味低下が抑制されたと考えられます。」
【わさび×柑橘ジュース】エスニック「CHOMPOO」森枝 幹氏 考案
わさびの香りとフレッシュな柑橘系の香りで相乗効果を作り出す

・わさび少量をライムの原液ジュースに溶かし混ぜ合わせることで、ドレッシングのような味わいに
・ライムジュースやレモンジュースも良いが、オレンジジュースは、わさびにない甘みが加わるため、特におすすめ
▽味香り戦略研究所 髙橋貴洋氏の見解
「嗅覚 D-リモネンなど柑橘系モノテルペンが、わさびの硫黄・グリーンノートに爽快なトップノートを付与し、フレッシュな印象と同調し合いやすいと考えられます。」
【わさび×マッシュルーム】マッシュルーム「MUSHROOM TOKYO」桜井 順一氏 考案
うま味と風味の広がりをマッシュルームで引き出す

・塩麴昆布締めのマッシュルーム、大葉、わさびを合わせる
→大葉と組み合わせることでわさびが際立つ味に。最後にわさびがもつグリーンな香りが残る
・ブラウンマッシュルームの方が原種と近く、よりキノコ臭を感じることができるため、わさび単体とよりマッチ
▽味香り戦略研究所 髙橋貴洋氏の見解
「味覚 きのこのグルタミン酸+グアニル酸の“うま味相乗”で、わさびの辛味・苦味の角が取れつつコクが増大したと考えられます。」
【わさび×桃】和食「馳走 こんどう」近藤 明弘氏 考案
桃の持つ、うま味や甘味が本わさびと相性◎

・わさびの青々しい香りと桃の香りに類似性が感じられる
・缶詰の黄桃は味が凝縮されているため、よりGOOD
→コンポートや糖度の高い食材とわさびの組み合わせがおすすめ
▽味香り戦略研究所 髙橋貴洋氏の見解
「味覚 桃に対し、AITCが甘味を抑え塩味・酸味を引き上げるため“締まった甘辛”に。嗅覚 γ-デカラクトンなどのクリーミーでミルキーな桃香と、フレッシュグリーンなわさび香がコントラストを成し、香気に立体感が生まれると考えられます。」
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味香り戦略研究所 髙橋 貴洋氏の解説
わさびの主成分アリルイソチオシアネート(AITC)は 温度受容体TRPA1(時にTRPV1)を活性化して“ツンと抜ける”痛覚(化学的刺激)をもたらし、同時に青・硫黄系の揮発性香気を放ちます。
またAITCには塩味増強、甘味抑制などの効果が知られています。
各ペアリングでは ①味覚 ②嗅覚(香気分子の香調(ノート)の調和など) ③痛覚(TRPチャネル刺激の質と強さ)が影響し合い、全体のバランスが取れていると「相性のよさ」の要因になります。
■わさびの味覚実験
わさび懇話会では、味香り戦略研究所 髙橋貴洋氏が考案した2つのわさびの味覚実験を実施しました。これらの実験は、家庭でも手軽に実践できるレシピとして紹介され、参加した料理家の方々からは、自身の料理への応用方法などについて活発なディスカッションが行われました。
➀ニンニクやキュウリ、タバスコをわさびで代替⁉最小限の材料で作れる「ガスパチョ」

▽材料
A:
・粗越しトマト(瓶詰)…125g
・食パン(耳をとる)…12.5g
・水…25g
・わさび…3.5g
=
・EXオリーブオイル…大さじ1
・黒コショウ…適量
▽調理工程
・粗越しトマトは冷やしておく
・Aをミキサーにかける
・最後に好みでEXオリーブオイルを回し、あれば黒コショウをかけて完成
●ポイント●
➀ガスパチョに使うニンニクや玉ねぎをわさびの揮発性硫化物で置き換え
➁キュウリなどの青物の香りをわさびのグリーン香で置き換え
➂タバスコやペッパー類の刺激をわさびで表現
<料理家から出た感想>
・トマトとわさびがマッチする
・生ニンニクとの互換が面白い
➁バナナチップスからの生バナナを取り戻す⁉「豆乳バナナスムージー」

▽材料
・無調整豆乳…100g
・バナナチップス…20g
・水…20g
・はちみつ…8g
・白みそ…5g
・わさび…1g
=
・EXオリーブオイル…5g
▽調理工程
・食材をミキサーにかけた後、EXオリーブオイルを回し、完成
●ポイント●
➀バナナは加熱するとフレッシュなグリーン香や揮発硫化物が消えてなくなるため、わさびで補うことで生バナナの風味に近づく
➁わさびを乳化しているものにいれると、香りが落ちてしまうため、オリーブオイルで補う
➂白みそは塩みとうま味を補い、厚みを出して嗜好性を高める。また、同時にわさびの苦みを抑える
④ナナの変色は酵素によるため、酵素が失活しているバナナチップスであれば変色しない
<料理家から出た感想>
・わさびが脇役として上手く機能している美味しい料理
・若干のだらつきが良いため、料理で組み合わせる場合は細目の麺やにゅうめんがマッチしそう
・ビーガン向けの料理としても幅が広がりそう
■今後の展望 ~深刻なわさび離れや生産者課題に向けて~
現在わさび業界は、若年層をはじめとしたわさび離れに加え、地球温暖化による栽培環境の変化、わさび生産者の後継者不足など複数の深刻な課題に直面しています。
岐阜大学の山根准教授によると、わさびは寒冷な環境で進化した植物であるため、地球温暖化の影響で腐敗が進みやすくなり、栽培が困難な状況が年々深刻化しているとのこと。さらに、海外での需要は拡大し、取引価格は上昇傾向にあるものの、そもそもわさびを生産できないという根本的な問題は依然として解決されていません。
このような状況に対しBSPはわさびのソートリーダとして、これらの課題解決に積極的に貢献していきます。自社栽培わさびの拡大や、わさび懇話会を起点とした情報発信の強化など、わさび業界全体の発展を目指してまいります。
■わさび懇話会
▽わさび懇話会とは
わさびの文化、歴史、栽培、科学、料理などについて文化人、料理人、学術研究者など懇話形式で語る会。2022年に第1回を開催して以来、わさびの新たな可能性の追求、わさび業界が直面する後継者不足やわさび離れなどの課題について議論してきました。
▽わさび懇話会の沿革
➀江戸時代×わさびの食文化 ~江戸時代におけるわさび文化発展の軌跡~(2022/11/17)
「聴く」「語る」「食す」の3部構成で実施。1、2部では江戸時代のわさび事情の講演・フリーセッションを行い、3部では料理人3者によるわさび料理の実食を行いました。
➁わさびの解体新書 わさびの茎~葉~根を丸ごと食べつくす(2023/3/13)
わさびの食べ方・調理方法に焦点を当てた講演・トークセッションの他、料理人4者によるわさびを丸ごと使用した料理の実食を行いました。
➂わさびの美味しさ、本当のわさびとは(2023/10/27)
わさびの消費者課題、加工わさびと本わさびの美味しさ、それぞれについて講演、実食を行い、取り組むべきことについて懇話形式で議論しました。
④わさびで「ととのう」とは(2024/11/18)
様々な分野のスペシャリストによる講演・トークセッション、わさび×お茶のシナジー体験を実施しました。わさびの新たな可能性や気づきが生まれる場となりました。
■万城シーズニングパートナーズについて
株式会社万城シーズニングパートナーズは、わさび製品を中心に香辛料・調味料を開発・製造する株式会社万城食品の一部事業を分割し、新たに設立された生鮮、CVS販路を管掌する万城食品のグループ企業です。“調味、薬味がもつ無限の可能性を拓く。生鮮食材をもっとおいしく、食卓を楽しく豊かに。”を企業理念に掲げ、加工わさび、調味料、食品の仕入れ・販売を行います。

■万城食品グループについて
万城食品は1952年に創業した、わさび製品が主力の香辛料・調味料のメーカーです。わさび産出額、日本一の静岡県の三島市に本社を構え、産地から全国の食卓へわさびを届けています。“もっとおいしく、もっとたのしく”を企業理念に掲げ、現在ではわさび製品に加え、蒲焼のたれ、からし酢みそ、ドレッシング、調理用調味料など多様な商品を製造・販売しています。
ホームページ:https://www.banjo.co.jp/
万城食品楽天市場店:https://www.rakuten.co.jp/banjo-shop

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