インターナルブランディングは何年で定着する?300名調査で見えた「5年の壁」と、成功企業に共通する定着の意外なキーパーソン
300名への調査結果から、インナーブランディングの浸透の壁に関する実態と、浸透に鍵となる施策やキーパーソンが明らかに。

株式会社大伸社コミュニケーションデザイン(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:一色俊慶)は、推進担当者および実行社員300名を対象とした「インターナルブランディングに関する実態調査2026」の結果を公開しました。調査では、企業の約7割(72.4%)が「認知・理解・共感」の浸透段階にとどまり、社員の行動変容・習慣化まで進んでいる企業は3割未満であることが判明しました。また、推進担当者と実行社員の間では、浸透度に対する認識にギャップが見られ、特に「習慣化」では9.4ポイントの差が生じています。本調査から、インターナルブランディングを成果へ結び付けるためには、情報を伝える施策だけでなく、日常業務に結び付けて行動を促す仕組みづくりが重要であることが明らかになりました。
調査の背景
インターナルブランディングに取り組む企業では、「理念や経営方針を発信しても、社員の行動が変わらない」という課題が多く聞かれます。
キックオフイベントの開催や社内報の発信、経営トップによるメッセージ配信など、多くの企業がさまざまな施策を実施しています。しかし、「どれくらい取り組めば行動変容につながるのか」「どのような施策が定着につながるのか」を示す客観的なデータは、これまで十分に存在していませんでした。
そこで株式会社大伸社コミュニケーションデザインでは、過去5年以内に理念や経営方針を新たに掲げた企業に勤める会社員300名を対象に、インターナルブランディングの実態調査を実施しました。
本調査では、インターナルブランディングの浸透状況や取り組み年数との関係、効果実感の高い施策などを分析し、理念浸透を成功へ導く要因を明らかにしています。
調査概要

株式会社大伸社コミュニケーションデザインでは、過去5年以内に理念や経営方針を新たに掲げた企業に勤める会社員300名を対象に、インターナルブランディングの実態調査を実施しました。
調査で見えてきた2つのポイント
本調査では、企業のインターナルブランディングにおいて、大きく2つの示唆が得られました。
1つ目は、社員の行動変容が見え始めるまでには2〜3年程度を要し、習慣として定着するには5年以上の継続が重要であること。
2つ目は、理念浸透を左右するのは経営トップだけではなく、「管理職・直属上司」が理念を現場へ翻訳する役割を担っていることです。
72.4%の企業は「認知〜共感」で止まっている
まず明らかになったのは、多くの企業が理念浸透の初期段階に留まっているという実態です。
本調査では、自社のインターナルブランディングの浸透状況について、
・認知
・理解
・共感
・行動
・習慣
の5段階で回答していただきました。

その結果、
認知〜共感フェーズ:72.4%行動・習慣フェーズ:27.6%
という結果となりました。
つまり、多くの企業では理念や経営方針を
「知っている」
「理解している」
「共感している」
状態までは到達しているものの、それが日々の判断や行動として定着する段階まで進んでいる企業は約3割にとどまっています。
行動変容が見え始めるのは2〜3年目
では、理念はどれくらいで社員の行動へ変わっていくのでしょうか。
取り組み年数ごとに分析した結果、明確な傾向が見られました。

取り組み開始から1年未満では、「認知」「理解」が中心となっています。
一方で、2〜3年目になると「行動フェーズ」へ進む企業が増え始めることが分かりました。
理念を発信したからといって短期間で社員の行動が変わるわけではなく、継続的な取り組みを通じて少しずつ行動変容が促されていくことが読み取れます。
定着企業が増えるのは5年以上
さらに注目すべき結果が、5年以上継続している企業です。

この層では、
・行動フェーズ:28.9%
・習慣フェーズ:26.7%
となり、
行動・習慣フェーズの合計は55.6%に達しました。
つまり、5年以上継続している企業では、半数以上が理念や経営方針を日常の判断・行動へ落とし込めていることになります。
本調査からは、インターナルブランディングは短期間で成果を求める施策ではなく、組織文化を育てる中長期的な取り組みとして推進することの重要性が示されました。
理念が「行動」に変わらない理由
では、なぜ多くの企業が行動フェーズまで進めないのでしょうか。その背景として、活動目的そのものに特徴が見られました。

最も多かった目的は、「方針・戦略の認知・理解促進」(24%)でした。
一方で、「社員の行動変容の促進」は8%にとどまっています。
つまり、多くの企業では
「知ってもらう」
「理解してもらう」
ことを目的としている一方、
「実際の行動を変える」
ところまで活動設計できていない可能性があります。
この結果は、72.4%の企業が「認知〜共感」に留まっている実態とも一致しています。
理念浸透を支えるのは「経営トップ」と「直属上司」の両輪
理念を浸透させるうえで、「誰からの発信が効果的か」についても調査しました。

社員側で最も多かった回答は、
経営トップ(45.0%)
でした。
経営トップが理念や方向性を語ることは、組織全体へメッセージを届けるうえで大きな役割を果たしています。
一方で、調査では「管理職・直属上司」も高い評価を得ています。
理念を浸透させるためには、経営トップが「なぜ必要なのか」を語り、
管理職・直属上司が「現場では何を変えればよいのか」を具体的な仕事へ翻訳することが重要です。
理念を伝えるだけではなく、日々の業務や判断基準へ結び付ける役割を担うことが、行動変容につながるポイントであると考えられます。
また、効果実感の高い施策として
・全社会議での定期発表
・人事制度との連動
・経営層との対話
が上位に挙がりました。
情報発信だけではなく、制度やマネジメントを通じて日常業務へ接続する仕組みづくりが重要であることが分かります。
成功企業は「伝える」ではなく「行動を設計している」
今回の調査から見えてきたのは、インターナルブランディングの課題は「理念が伝わらない」ことではなく、「理念が行動につながらない」ことへ移っているという事実です。
理念を発信する。
理解してもらう。
共感してもらう。
ここまでは、多くの企業が実践しています。
その先で成果を分けているのは、
・社員がどう行動すればよいかを明確にすること
・管理職が理念を現場へ翻訳すること
・制度や仕組みによって日常業務へ落とし込むこと
でした。
理念は、伝えるだけでは組織文化にはなりません。
行動へ翻訳し、日常業務に結び付けて初めて、企業文化として定着していくことが本調査から示唆されています。
調査結果に対するコメント
「ブランディング入門(かんき出版)」著者であり、株式会社大伸社コミュニケーションデザイン ブランドコンサルタントの金子大貴は、本調査結果について次のようにコメントしています。
「今回の調査では、多くの企業が理念を『認知』『理解』『共感』させることには成功している一方、『行動』『習慣』まで定着させることの難しさが明らかになりました。また、行動変容には2〜3年、習慣化には5年以上を要する傾向も見られ、インターナルブランディングは短期間で成果を求める施策ではなく、中長期で組織文化を育てる活動であることが示されています。理念を伝えるだけでなく、管理職が日々の業務へ落とし込み、社員一人ひとりの行動につなげる仕組みづくりが重要だと考えています。」
今後の取り組み
株式会社大伸社コミュニケーションデザインでは、本調査結果を踏まえ、理念やパーパスを社員一人ひとりの行動へ結び付けるインターナルブランディング支援を強化してまいります。
また、自社の理念浸透度や組織の現在地を把握したい企業に向けて、浸透フェーズの診断や課題整理、施策設計などの支援も行っています。
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今回ご紹介した内容は、調査結果の一部です。
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なぜ72.4%の企業は「認知〜共感」で止まるのか 推進担当者と社員の認識ギャップ 行動変容に成功している企業の特徴 効果実感の高い施策ランキング KPI・効果測定で企業が直面している課題 インターナルブランディングを前進させる3つのポイント
理念浸透や組織文化づくりを推進する経営者・人事・広報・経営企画部門の皆さまにご活用いただける内容となっています。
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