公教育の組織行動科学® report
~ 社会の中での正しい目的と科目の関係性 ~
弊社(リクエスト株式会社:本社 新宿)が、企業向けに提供している組織行動科学®の研究によると、大人達が所属する組織・集団で、自ら考え 主体的に判断し 行動できる人材の割合は5%未満という結果も出ているのが現状。この状態も変えていくための対話のたたき台の提供が、本レポートの目的です。
1人1人の先生は、一所懸命に目の前の生徒(子供)に向き合っている。毎日の授業、準備と振り返り、保護者との関係づくり、子供達をより善くする研究など、とてもたいへんで重要な仕事を担って頂いている。感謝しかない。先生方の熱心な取り組みに触れる中で、「そもそも、いま、そしてこれからの公立の小学校の役割は何なのか?」と思いが芽生え、弊社内の公共行動研究室®のメンバーと、今の公教育の事実を確認し、それをもとに対話を重ねた結果を共有いたします。2023年時点で、全小学校の約98.5%を占める公立小学校を卒業した人達は、いずれ社会人になる。昨今、社会人・大人に求められている人材像は「自分で考え行動できる」となっている。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000068315.html)であれば、公立の小学校は、この社会人像の範囲におさまると考えて差支えないと判断。
この前提を踏まえ、弊社の公共行動研究室®が、首都圏の公立小学校の方向性と取り組みを聴いたり、調べた結果をもとに、今、現場で目指そうとしている正しい公教育と各教科の関係性をまとめた。
公立の小学校の社会の中での目的(たたき台):
より善い環境「自分達の実生活」を共に考え創るを学ぶ場
”チームで未知の問題を設定し共に解決する能力開発の場”と言い換えができる
塾は、形式・パターンを反復しより速く正確にこなす訓練を科学的に追究されている。より速く正確にこなす、処理できる能力は、”チームで未知の問題を設定し共に解決する能力と同様に重要。高い処理能力は、事実確認の量、そこからパターンを見い出し、効率的にルーティンをこなすことができる。塾と公立小学校は、明らかに意味のある異なる役割を担う事ができる。
以下3科目が集団・社会で生きていく人間の基本。
道徳:共に活きるルールを知り意味意義を理解する訓練
国語:相手の立場で考える訓練・自分の考えを決め伝える訓練
体育:問題解決を仲間と続ける関わりと体力づくり訓練
以下5科目が、社会・組織で活躍していくための基本。
理科:仮説をつくり事実を観察し原因を特定する訓練
算数・音楽:より効率的で効果的な解決方法を感覚的かつ論理的に思考する訓練
図工・生活:自分達の実生活をより善くする状態イメージ・目的を描く訓練
以下はPTAと家庭。
PTA: 子供と先生が安心できる環境づくり
家庭:一日を立ち止まり、振り返る(考える)訓練
各自、置かれている環境・状況は異なるため、動ける人が動き、社会を少しでも善くしていくことが前提になる。無理を強いてしまえば、やらされ感になり、お互いに善くはならないため。「いかに保護者全員の負担感を減らし、かつ、子供達が先生と共に楽しく伸び伸びクラスで過ごすことができるか?」この課題解決が保護者の役割の1つではないでしょうか。
いずれも、昨今、企業で必要とされるようになった”人的資本経営”の文脈で”社会人・大人に求められている人材像”「自分で考え行動できる」、組織開発・チームビルディングの基礎にあたる「心理的安全」に直結。公立小学校の社会全体の中での目的を【より善い環境”自分達の実生活”を、共に考え創るを学ぶ場】【チームで未知の問題を設定し共に解決する能力開発の場】とすることで、各科目の目的も絞り込むことができる。各科目の目的が絞り込めることで、先生方のムダな負荷を削減できる。先生方が現場で抱える問題解決にもつながる。先生方が本来、時間を投入したい生徒の能力開発に時間を使うことができる。
これからを生きていく小学生が、より善い社会で活きていけるよう、大人たちが対話をするたたき台になれば幸いです。たたき台があるから、対話ができます。たたき台は、対話の結果、まったく異なる内容になってもかまわないもの。
「(そもそも)〇〇は、何のために、やっているんですか?」この問いに取り組む。大人であってもPTAに初めて関わり、打ち合せの場で「(そもそも)〇〇は、何のために、やっているんですか?」と問いを発すことは、躊躇すると思います。【今まで、その集団がやってきた事=形式】通りに事が進められる。その形式が機能しているのであれば、そのまま使い続ければ良い。しかし、機能していないのであれば【形式=過去の正解】を一旦、おいて起き、「何が私たちの実生活において正しい状態なのか?」から始める必要がある。私たちの実生活において正しい状態が、現実から観えてくることではじめて、問題が設定できる。私達、大人の正しい【めあて】=【問題】が見いだせる。その先に、子供達の正しい【めあて】=【問題】の設定がはじまっていく。
正しく【めあて】=【問題】が設定できない原因は、形式・知識で処理し現在の事実確認が不足、事実確認の不足により共に目指していく実生活の正しい状態=目的が具体的なイメージで観えないため。問題解決思考をどれだけ訓練しても、問題が設定できなければ、自分で考え行動することはできない。その結果、
約70%の子供達が、先生・大人の意図を探り、先生・大人が求める正解に合せる
先生・大人から指示された事、与えられた事に対処できるようになり、学校生活に適応する。しかし、自分で目的を描き、問題を設定し試行錯誤しながら解決することはできない。
約30%のそれができない子供達は、学校教育ではドロップアウトする
学校生活には適応でき無くても、社会人になった後、自分で目的を描き、チームを活かし問題を設定し試行錯誤しながら解決できるようになる人が10%程度は存在する。
学校は社会をより善くする人材を育てる場。社会のより善い状態は、時代によって異なる。必要な人材の構成比も異なる。今、そして、これからの社会に必要な人材の構成比から考えていくことが、今の私たちに必要なことだと思います。1人1人の先生・保護者は、それぞれの考え・価値観で、一所懸命に子供に向き合っている。しかし、これから社会で活きていく子供達の問題設定が正しくできない、その前提の「保護者・先生・生徒が、共に創っていく正しい状態」が描けない。知識•形式で効率的に処理し「自分たちの実生活をより善くするには?」と根本の発問からはじめない。その結果、各人の良い取り組みとパワーが、報われず、いつまでたっても「自分で考え行動できる」人間が増えていかない。この状態を共に変えていくための対話のたたき台の提供が、本レポートの目的です。
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・代表取締役 甲畑智康
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実績:
製造業から建設、IT、金融、小売り、サービス業、約890社、日本で最も多く大手企業から地域の優良な中堅企業へ組織行動科学® にもとづき、働く人達の「できることをより善く増やす」を実施。
職種:
1. Behavioral Artists ®
2. Behavior engineer®
3. Behavior designer®
4. Behavior coach
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