J.D. パワー 2021年米国自動車保険契約顧客満足度調査℠
~自動車保険契約動向は新型コロナウイルスの影響により急増したが、ブランド間の違いはほぼ見られず~
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州トロイ)は、現地時間4月29日に、J.D. Power 2021 U.S. Insurance Shopping Study℠ (J.D. パワー 2021年米国自動車保険契約顧客満足度調査℠) の結果を発表した。
本調査は、年に1回、過去9ヶ月間に1社以上の競合保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した米国の保険会社の顧客を対象に契約プロセスにおける保険会社に対する満足度を測定している。
2020年のコロナ禍で自動車の平均走行距離が55%減少し、失業率が15%を記録したことから、多くの自動車保険加入者は新しい自動車保険の契約に追い込まれた。その中で顧客が目の当たりにしたのは主に保険料でしか違いが見られない均質化された市場であった。
本調査によると、保険会社による競合他社との差別化を試みる努力は、ますますより革新的なカスタマーソリューションを市場に導入することに依存していくことになると考えられる。
2021年の調査の主なポイントは以下の通り:
自動車保険契約者の二極化
自動車保険契約者の半数以上(54%)がコロナ禍で保険料抑制のための自動車保険契約の見直しを行わなかった。 残りの46%の契約者は自動車保険契約の見直しを行っており、その変更内容は最も頻度が高かったものから順に、 保険適用範囲の縮小(17%)、競合他社への移行検討(15%)、免責金額の引き上げ(12%)、競合他社への切替り(12%)となった。コロナ禍で経済的影響を受けた顧客は受けていない顧客と比べ、自動車保険の契約や見積りの取得等を行った割合は6ポイント高くなった。
保険会社の保険料の払い戻し、顧客による認知に課題
自動車保険業界は新型コロナウイルスの感染拡大以降に走行距離が大幅に減少した顧客に対して前例のない180億ドルの自動車保険料(保険料総額の約7%に相当)の払い戻しを行った。この保険料払い戻しの対象範囲の広さと規模の大きさにも関わらず、契約者の43%は自動車保険会社がこのような取り組みを行っていたことを認識していない。
大手保険会社への顧客の集約化が継続
現在、5大保険会社(保険料総額ベース)が受け取る自動車保険料は業界全体の6割を占めており、20年前と比較して44%も増加した。5大保険会社への集約化は前年と比較しても3%増加している。業界全体で推定100億ドルの広告費を投じているにも関わらず、このトレンドが続く主な理由には5大保険会社には消費者が純粋想起できるほど高いブランド認知度があることが挙げられる。
顧客生涯価値は保険会社にとって非常に重大な指標
自動車保険契約者の25%は、クレジットスコア*1が高く、保険商品の追加契約をする可能性が高いことから、顧客生涯価値が高くなると予測される。今年の調査によると、MetLife(33%)、Travelers(32%)、Erie Insurance(31%)は生涯価値の高い顧客の割合が大きい。
*1 保険契約者のクレジットカードの利用状況を中心とし、その人の財政面の信用度を数値化したもの。新規契約の引受け・更改の判断および料率算定の際の重要な要素として用いられて いる。
J.D. パワー 損害保険部門長トム・スーパーのコメント
「コロナ禍で保険の契約行動について多くのことが顕わになった。経済的影響を受けた顧客は契約の見直しに積極的になり、その多くが有名ブランドや保険料率の低い商品に引き寄せられた。コロナ禍の経験は、より洗練された新規顧客の獲得や既存顧客のつなぎ止めのための手段の必要性を明らかにした。皮肉なことに、業界の推定年間広告費は現在100億ドル近くになっているにもかかわらず、顧客はトップブランド間の違いが見えにくくなったと言っている。
長期化する大混乱からの回復を経て、保険料、柔軟性、保険適用範囲などの要因に対する期待値は高まっている。現在の段階的な変更は顧客ニーズに必ずしも合致しておらず、保険会社は顧客サービスやその提供方法についてより一層工夫をしなければならない。」
顧客満足度ランキング
<大規模保険会社部門>
第1位:Liberty Mutual(リバティ・ミューチュアル), State Farm(ステート・ファーム)(同点、872ポイント)
第1位:American Family(アメリカンファミリー)(899ポイント)
第2位:Amica Mutual (アミカ)(891ポイント)
第3位:Erie Insurance (エリー)(882ポイント)
年に1回、過去9ヶ月間に1社以上の競合保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した保険会社の顧客を対象に 契約プロセスにおける保険会社に対する満足度を明らかにする調査。今年で15回目の実施となる。
■実施期間:2020年3月~2021年1月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:過去9ヶ月間に1社以上の競合保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した保険会社の顧客
■調査回答者数:12,971 人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価 を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「保険料」「販売チャネル」「契約内容」「見積り」となっている(カッコ内は影響度)。
*本報道資料は、現地時間 2021年4月29日に米国で発表されたリリースを翻訳したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2021-us-insurance-shopping-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。
J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
本調査は、年に1回、過去9ヶ月間に1社以上の競合保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した米国の保険会社の顧客を対象に契約プロセスにおける保険会社に対する満足度を測定している。
2020年のコロナ禍で自動車の平均走行距離が55%減少し、失業率が15%を記録したことから、多くの自動車保険加入者は新しい自動車保険の契約に追い込まれた。その中で顧客が目の当たりにしたのは主に保険料でしか違いが見られない均質化された市場であった。
本調査によると、保険会社による競合他社との差別化を試みる努力は、ますますより革新的なカスタマーソリューションを市場に導入することに依存していくことになると考えられる。
2021年の調査の主なポイントは以下の通り:
自動車保険契約者の二極化
自動車保険契約者の半数以上(54%)がコロナ禍で保険料抑制のための自動車保険契約の見直しを行わなかった。 残りの46%の契約者は自動車保険契約の見直しを行っており、その変更内容は最も頻度が高かったものから順に、 保険適用範囲の縮小(17%)、競合他社への移行検討(15%)、免責金額の引き上げ(12%)、競合他社への切替り(12%)となった。コロナ禍で経済的影響を受けた顧客は受けていない顧客と比べ、自動車保険の契約や見積りの取得等を行った割合は6ポイント高くなった。
保険会社の保険料の払い戻し、顧客による認知に課題
自動車保険業界は新型コロナウイルスの感染拡大以降に走行距離が大幅に減少した顧客に対して前例のない180億ドルの自動車保険料(保険料総額の約7%に相当)の払い戻しを行った。この保険料払い戻しの対象範囲の広さと規模の大きさにも関わらず、契約者の43%は自動車保険会社がこのような取り組みを行っていたことを認識していない。
大手保険会社への顧客の集約化が継続
現在、5大保険会社(保険料総額ベース)が受け取る自動車保険料は業界全体の6割を占めており、20年前と比較して44%も増加した。5大保険会社への集約化は前年と比較しても3%増加している。業界全体で推定100億ドルの広告費を投じているにも関わらず、このトレンドが続く主な理由には5大保険会社には消費者が純粋想起できるほど高いブランド認知度があることが挙げられる。
顧客生涯価値は保険会社にとって非常に重大な指標
自動車保険契約者の25%は、クレジットスコア*1が高く、保険商品の追加契約をする可能性が高いことから、顧客生涯価値が高くなると予測される。今年の調査によると、MetLife(33%)、Travelers(32%)、Erie Insurance(31%)は生涯価値の高い顧客の割合が大きい。
*1 保険契約者のクレジットカードの利用状況を中心とし、その人の財政面の信用度を数値化したもの。新規契約の引受け・更改の判断および料率算定の際の重要な要素として用いられて いる。
J.D. パワー 損害保険部門長トム・スーパーのコメント
「コロナ禍で保険の契約行動について多くのことが顕わになった。経済的影響を受けた顧客は契約の見直しに積極的になり、その多くが有名ブランドや保険料率の低い商品に引き寄せられた。コロナ禍の経験は、より洗練された新規顧客の獲得や既存顧客のつなぎ止めのための手段の必要性を明らかにした。皮肉なことに、業界の推定年間広告費は現在100億ドル近くになっているにもかかわらず、顧客はトップブランド間の違いが見えにくくなったと言っている。
長期化する大混乱からの回復を経て、保険料、柔軟性、保険適用範囲などの要因に対する期待値は高まっている。現在の段階的な変更は顧客ニーズに必ずしも合致しておらず、保険会社は顧客サービスやその提供方法についてより一層工夫をしなければならない。」
顧客満足度ランキング
<大規模保険会社部門>
第1位:Liberty Mutual(リバティ・ミューチュアル), State Farm(ステート・ファーム)(同点、872ポイント)
<中規模保険会社部門>
第1位:American Family(アメリカンファミリー)(899ポイント)
第2位:Amica Mutual (アミカ)(891ポイント)
第3位:Erie Insurance (エリー)(882ポイント)
《J.D. パワー 2021年米国自動車保険契約顧客満足度調査℠概要》
年に1回、過去9ヶ月間に1社以上の競合保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した保険会社の顧客を対象に 契約プロセスにおける保険会社に対する満足度を明らかにする調査。今年で15回目の実施となる。
■実施期間:2020年3月~2021年1月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:過去9ヶ月間に1社以上の競合保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した保険会社の顧客
■調査回答者数:12,971 人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価 を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「保険料」「販売チャネル」「契約内容」「見積り」となっている(カッコ内は影響度)。
*本報道資料は、現地時間 2021年4月29日に米国で発表されたリリースを翻訳したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2021-us-insurance-shopping-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
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