JEPLAN、AxensとIFPENの3社でペットボトルや繊維など、様々な使用済PET製品をリサイクル可能なPETケミカルリサイクル技術「Rewind®PET」のデモンストレーションを開始

―デモンストレーションを実施する凖商用レベルの設備を北九州響灘プラントにて稼働―

株式会社JEPLAN

株式会社JEPLAN(代表取締役 執行役員社長:髙尾 正樹、以下「JEPLAN」)は、Axens(以下「Axens」)とIFP Energies nouvelles(以下「IFPEN」)とともに、JEPLANの保有する北九州響灘プラント(福岡県北九州市)を改築・拡張する形で、「Rewind® PET」の凖商用レベルの設備(Semi-industrial unit)を稼働し、様々なPET廃棄物をリサイクル可能なPETケミカルリサイクル技術「Rewind® PET」のデモンストレーションを開始しました。本デモンストレーションは、フランス環境・エネルギー管理庁(ADEME)の支援を受けています。

 「Rewind® PET」は、ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物をリサイクルすることが可能な革新的なケミカルリサイクル技術です。本技術により、特にメカニカルリサイクルでは難しいとされるPET廃棄物のリサイクルが可能になります。3社は2020年にパートナーシップを締結し、この度、凖商用レベルでのデモンストレーションを開始する運びとなりました。


 本デモンストレーション設備は、顧客が自社のPET製造設備やリサイクル設備にこの革新的なPETケミカルリサイクルプロセスの適用可能性を検証することを目的としています。Axensによる商用化(ライセンス供与)を視野に入れた3社のパートナーにとって重要なステップであり、プロセスが完全に検証された後、 2023年末までに商用化を開始する予定です。「Rewind® PET」は、高品質かつ石油由来のPETと同等品質の再生PETを製造するもので、食品包装や繊維製品など様々なPET製品の用途に適しています。2023年10月24日には、北九州響灘プラントの「Rewind® PET」準商用レベル設備にてデモンストレーション開始を記念したイベントを実施しました。


写真:(上)外観、(下)Rewind® PET」準商用レベル設備にてデモンストレーション開始を記念したイベント際の様子 左から: Axens Exective Vice President, Patrick Sarrazin. IFPEN Chemistry for Industry Business Unit Director, Cécile Barrère-Tricca, JEPLAN 代表取締役 執行役員社長 髙尾 正樹


【革新的な「Rewind® PET」のケミカルリサイクルプロセス】

「Rewind® PET」のプロセスは、加グリコール分解によるPETの連続的な解重合を行い、高度に精製されたBHET モノマー(Bis(2-Hydroxyethyl) terephthalate)を製造します。導入を検討する顧客にとっての大きな利点は、すべての添加剤と着色剤を分離して高純度のBHETモノマーを復元できる点にあり、既存の(または新規の)重合プラントで容易に再重合することが可能です。このプロセスを用いることで、これまでリサイクルすることが困難だった色付きのボトルや不透明なボトル、多層トレイ、包装フィルム、ポリエステル繊維など、様々なタイプの廃 PETを対象としたリサイクルが可能になります。この技術革新は10年以上にわたる JEPLAN、Axens、IFPENにおける技術開発の成果であり、3年以上前から3社のパートナーによって確立された技術・プロセス開発の相乗効果(シナジー)の賜物です。この技術革新は、メカニカルリサイクルを補完するかたちで、PET製造業界が掲げる再生材料の統合を達成するうえで大いに役立つことが期待されています。また、この技術革新は、2030年までにPET製包装材のリサイクル率を30%にするというヨーロッパが掲げる目標の達成にも貢献することが期待されています。


【プラスチックの資源循環の推進】

「Rewind® PET」は、プラスチック循環経済の分野におけるAxensとIFPENの世界戦略の一環として位置付けられています。包装や繊維を始めとする多くの産業分野で再生材料を取り入れるという意欲的な目標を達成するべく、メカニカルリサイクルを補完するように設計された複数の化学的・物理的リサイクルプロセスの開発を推進しています。これは、製造事業者やブランドオーナーが環境に配慮した変革を推進する際に、 既存の産業設備に適合させながら、信頼性を担保し長期的な解決策になると期待ができます。


「Rewind® PET」の準商用レベルでの稼働は、JEPLAN、Axens 、IFPENのパートナーシップにおける重要なステップであり、廃棄物処理業者からPET生産者、包装・繊維部門の業界のブランドオーナーに至るまで、プラスチックの循環経済におけるすべての利害関係者に、Rewind® PETの利点と効率性を具体的に示すこと が期待されます。


この「Rewind® PET」のデモンストレーション実施により、ライセンス導入を検討する顧客は、最も厳しい品質基準や既存プロセスとの統合可能性、そして経済性成立の要件を満たす信頼性の高いプロセスを評価することができます。Axens は、「Rewind® PET」プロセスのマーケティングとライセンス供与を担当し、顧客のPETリサイクルプロジェクト開発を支援するため、基本設計、性能保証、特許機器の供給、これらの顧客独自の工業装置の立ち上げと運転のための技術支援を含む包括的なパッケージを提供します。


【各社代表コメント】

JEPLAN 代表取締役 執行役員社長 髙尾 正樹

「KHPの既存プラントは2017年に竣工し、2019年から再生ポリエステルの安定的な生産をしています。 この"ボトルからボトル"や"服から服をつくる"独自のPETケミカルリサイクル技術を社会に役立てるには更なる事業規模の拡大が必要であり、自社のみではなくパートナーとの連携を必要と感じていました。 Axens、IFPENという心強いパートナーに出会い、各社が責任をもって推進したことで、「Rewind®PET」のデモンストレーションが開始できたことを大変嬉しく思います。」


IFPEN President Pierre-Franck Chevet

「本デモンストレーションの開始にあたり、私たちパートナーの相乗効果によって、PETをケミカルリサイクルする革新的な技術である「Rewind®PET」の開発に取り組むことができ大変喜ばしく思っています。今回のデモンストレーションの成功は、IFPENにおける10年にわたる研究開発の集大成です。このパートナーシップに対する我々のコミットメントは、循環型経済の推進とプラスチック廃棄物の削減という観点から、産業と社会のニーズに応えようとする我々の意欲を反映したものです。」


Axens CEO Jean Sentenac

 「この「Rewind® PET」準商用レベル設備は、包装や繊維分野のPET産業業者にとって、プロセスの可能性を十分に示すものです。Axensのチームは、プロジェクト検討段階から最適化された収益性の高い装置稼働に至るまで、循環型経済への移行を支援するため、あらゆるエネルギーと専門知識を投入します。このようなプロジェクトに参加し、マーケティングを担当できることを誇りに思います。」


【各社概要】

JEPLAN について

 株式会社JEPLAN(https://www.jeplan.co.jp/)は 2007年に設立。廃棄物ではなく資源として、あらゆるものが循環する世界の実現を目指しています。2017年に、北九州響灘実証プラント(1kTA)でPETケミカルリサイクルの操業を開始(服から服を作る)。2018年に川崎市にて商用プラント・ペットリファインテクノロジー(22kTA、PRT - https://www.prt.jp/index.html)を買収後、2021年に操業を再開させ、ケミカルリサイクル技術を用いたrPET樹脂(ボトルtoボトル)を製造しています。なお、PRTではプラント操業に関して10年以上の実績があります。


IFPEN について

 IFP Energies nouvelles (IFPEN - https://www.ifpenergiesnouvelles.fr/)は、エネルギー、輸送および環境の分野における主要な研 究・研修機関です。持続可能なモビリティ(移動手段)、新エネルギー、石油・ガスという3つの戦略的優先分野に基づいて、研究から産業まで、技術革新がすべての活動の中心となっています。IFPENは、持続可能なエネルギーミックスを支える技術革新に取り組み、エネルギー部門の根本的な変革を支援しています。 IFPENは、先進的バイオ燃料、バイオベース製品、プラスチックリサイクルの生産プロセスを開発すること で、この変革に貢献しています。また、CO2回収・貯蔵、海洋エネルギー、エネルギー貯蔵のソリューションにも取り組んでいます。


Axens について

Axensグループ(https://www.axens.net/)は、石油やバイオマスからよりクリーンな燃料への転換、主要石油化学中間体の製造と精製、プラスチックのケミカルリサイクル、天然ガス処理と転換、水処理、CO2回収など、 幅広いソリューションを提供しており、それは、技術、装置、加熱炉、モジュール装置、触媒、吸着剤およびそれらの関連サービスを含みます。Axensは、フィージビリティ・スタディから装置の立ち上げ、装置ラ イフサイクルを通した運転フォローアップまで、バリューチェーン全体を網羅する理想的な立場にあります。このユニークな立場により、高度な性能と環境フットプリントの削減が保証されます。Axensの国際的なサービスは、高度に有能な人材、近代的な製造装置、産業・技術支援・販売サービスのための広範なグロ ーバルネットワークに基づいています。なお、AxensはIFPグループ企業です。

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会社概要

株式会社JEPLAN

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URL
http://www.jeplan.co.jp/ja/
業種
製造業
本社所在地
神奈川県川崎市川崎区扇町12-2
電話番号
044-223-7898
代表者名
髙尾正樹
上場
未上場
資本金
-
設立
2007年01月