IAS、メディアクオリティレポート(MQR)第19版を発表。ブランドリスクの世界平均は横ばいである一方、待ち受ける新たな課題
世界のマーケティング担当者は、生成AIによるディープフェイクや誤報増加の脅威への対策に注力
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今回のレポートでは、マーケティング担当者はAIが生成するディープフェイクや誤報など、増大する脅威からブランドを守ることにより注力していること、一方で、消費者はリスクの高いコンテンツに掲載されている広告を見た場合、広告主の責任を問う傾向が強まり、それがブランドの好感度や信頼の低下に繋がる可能性を示しています。さらに、消費者の行動が動画ファーストにシフトする中で、業界の専門家は、2024年に深刻な課題に直面するトップ2のメディアタイプはソーシャルメディアとデジタル動画であり、同時に最もイノベーションの機会に溢れたメディアタイプでもあると見ています。
IASのCEO、 リサ・アッツシュナイダーは次のように述べています。
「IASは、デジタルメディアの品質における信頼と透明性のベンチマークになるという使命の推進に全力を注いでおり、MQRの提供は、世界中の広告主、パブリッシャー、プラットフォームのために、この使命を追求する数多くの方法の一つに過ぎません。本レポートの調査結果は、今まで以上にブランドを保護し、拡大するための革新的なソリューションの必要性を浮き彫りにしています。」
今年のレポートでは、2023年の世界のブランドリスクは横ばいで、2022年から0.1ポイント低下し、1.7%となりました。しかし、選挙報道と政治広告支出の増加が、年間0.2ポイントの上昇をもたらし、アメリカ大陸のブランドリスク平均を2.1%に押し上げたと推測されます。
動画はデスクトップ、モバイルともに、世界的に見てブランドリスクは低い傾向です。2020年には7.0%あったデスクトップ動画のブランドリスクが2023年は全環境/フォーマットの中で最も低く1.4%、モバイル動画はそれよりも1.7%とやや高い数値となりました。
IASでは大規模なスポーツイベントと高いブランドリスクとの相関関係を発見しており、今年はオリンピックとUEFA欧州選手権が控えています。過去のケースを見るとアメリカでは、2023年2月のスーパーボウルまでの1週間におけるブランドリスクは平均3.5%で、アメリカのベンチマーク2.2%を59%も上回っていました。
スポーツイベントは、インプレッションの激的増加にもかかわらず、ブランド適合性ツールや戦略を活用するマーケティング担当者が増えているため、一般的には安全なコンテンツだと考えられています。しかし、2023年の女子ワールドカップの表彰式で起こった事態に見られるように、予期せぬリスクがライブ放送やストリーミング中に発生し、イベント終了後までその影響が続く事もあります。この種のイベントに対して、ブランド適合性ツールにコンテキスト・ターゲティングを組み合わせて活用すれば、リスクを軽減できるだけでなく、キャンペーンパフォーマンスの効率を高めることもできます。
MQRで提供する、世界の動向は以下の通りです(一部抜粋)。
アドフラウド
世界のアドフラウドは、アドフラウド対策済みキャンペーンで0.6%まで減少し、2020年以降で最も低い数値となりました。ほぼすべてのフォーマットで減少が見られ、特にデスクトップディスプレイと動画で顕著な減少が見られました。しかし、アドフラウド対策を取り入れていないキャンペーンではアドフラウドが増加しており、アドフラウド対策済みキャンペーンの14倍の不正行為が発生しました。
タイムインビュー
タイムインビューは2023年下半期に過去最低を記録し、すべての地域と環境での平均タイムインビューは15.78秒となりました。この減少は理想的ではないかもしれませんが、IASの調査では、売上増加を促進するための最も効率的なタイムインビューの範囲は3~10秒ということが分かっています。タイムインビューが減少する一方で、ビューアビリティは上昇傾向にあり、2023年下半期は記録的な高さに達し、世界平均で76.1%となりました
メディアクオリティレポート 第19版には、IASのリサーチチームが1日2,800億回以上計測するデジタル・インタラクションをインプレッションレベルで分析した洞察が含まれています。本レポートは、広告主とパブリッシャーの双方に、革新的でより安全なデジタルの未来を築くために役立つ、正確かつ信頼できるデータと実用的なインサイトを提供することを目的としています。
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