J.D. パワー 2021年クレジットカード顧客満足度調査℠

~高額利用者の年会費の満足度とロイヤルティが低下~

J.D. パワー

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン
(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2021クレジットカード顧客満足度調査℠結果を発表した。

業界全体の顧客満足度は前年から低下または横ばいに止まる
 クレジットカード4部門合計の総合満足度スコアは前年から-3ポイント低下した。ファクター別でも「クレジット機能」「ポイントプログラム」「会員向けサービス/特典」「年会費」「コールセンター」「ウェブサイト/モバイルアプリ」「手続き・サポート」のすべてのファクターで低下または横ばいとなった。中でも「年会費」と「コールセンター」は-10ポイント以上低下しており、総合満足度低下の一因となっている。「コールセンター」に関する質問に回答したのは、直近1年以内にコールセンターの担当者とのやりとりがあった全体の約1割であるのに対し、「年会費」に関する質問に回答したのは年会費無料のクレジットカード主利用者を除く全回答者(全体の約4割)であるため、総合満足度の低下には「年会費」ファクターがより大きく影響している。

高額利用者の顧客満足度とロイヤルティ低下、特に年会費の満足度が大きく低下
 年会費ありのカードの顧客*1で見ると、総合満足度は前年比-7ポイントで、ファクター別でもすべてのファクターで低下している。特に「年会費」ファクターは-10ポイントと最も大きな低下となった。年会費ファクター満足度は支払い月額が多い顧客の方が低下幅が大きく、支払い月額10万円以上の顧客では-26ポイントと大きく低下している。更に継続利用意向も低下する結果となっている。

*1<年会費2万円以上><年会費1万円以上2万円未満><年会費1万円未満>の3部門合計


年会費満足度低下の背景に旅行など非日常場面での利用低下
 年会費ありのカードで支払い月額10万円以上の顧客において、前年からの“2~3ヶ月に1回以上”の利用頻度の割合が大きく低下しているのは、「航空券/新幹線/特急券」「ホテル/旅館」「レジャー施設」であった。昨年、コロナ禍において、スーパーやコンビニなど日常生活でのクレジットカードの“月に1回以上”の利用が増え、今年もほぼ横ばいだった。日常生活でのクレジットカードの利用頻度が増えた一方、旅行やレジャー施設といった非日常場面での利用頻度が低下したことが、年会費の満足度の低下の一因と考えられる。


クレジットカード会社から頻繁に情報収集している顧客の年会費満足度が大きく低下
 年会費ありのカードで支払い月額10万円以上の顧客において、クレジットカード会社から情報収集をしている頻度別に総合満足度、年会費の満足度の前年からの変化を見ると、“週に1回以上”見ている積極的な顧客において、年会費の満足度が大きく低下していることがわかった。


タッチ/コンタクトレス決済年会費万円以上の顧客の約割が期待
 クレジットカードに対する期待(複数回答)として今年新たに加えた2項目のうち「タッチ/コンタクトレス決済」を期待する顧客は全体では14%、「カードおもて面でのカード番号や名義などの非表記」は全体では11%だった。<年会費2万円以上>の顧客では「タッチ/コンタクトレス決済」22%、「カードおもて面でのカード番号や名義などの非表記」17%と他の部門よりも期待が高かった。「タッチ/コンタクトレス決済」を期待する顧客は「サインレス決済」「スマートフォンによる決済」「カードおもて面でのカード番号や名義などの非表記」「セキュリティ対策の強化」も期待する割合が高く、利便性とセキュリティ対策を同時に求めていることがわかった。

J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント
「本年調査ではクレジットカード会社のウェブサイトやモバイルアプリから各種サービスの案内やキャンペーンの紹介などの情報収集に積極的な顧客において、年会費ファクター満足度が大きく低下していることが指摘されているが、こうした背景にはコロナ禍での生活様式の大幅な変化があるものと考えられる。コロナ禍で非日常利用から日常利用にクレジットカードを使う場がシフトする中で、高額利用者のニーズに合致した情報提供が行われておらず、それが満足度の低下につながっている可能性があるものと思われる。また、新型コロナの影響を受けた特典の見直しなどにより、年会費に見合うサービスの情報提供ができているかについても各社とも確認の必要があると考えられる。」

J.D. パワー 2021クレジットカード顧客満足度No.を発表
各部門の総合満足度ランキングは下記の通り。

年会費万円以上 部門】(対象ブランド)
位:エポスカード689ポイント)
「ポイントプログラム」「年会費」の2ファクターで最高評価。
第2位:アメリカン・エキスプレス(678ポイント)
「クレジット機能」「会員向けサービス/特典」の2ファクターで最高評価。
第3位:JCBカード(675ポイント)
「手続き・サポート」ファクターで最高評価。

年会費万円以上万円未満 部門】(対象ブランド
位:楽天カード(682ポイント)
4年連続の受賞(部門細分化前の2018年の「年会費1万円以上部門」での受賞を含む)。
「クレジット機能」「ポイントプログラム」「会員向けサービス/特典」「手続き・サポート」の4ファクターで最高評価。
第2位:dカード(658ポイント)
第3位:au PAY カード(656ポイント)

【年会費万円未満 部門】(対象12ブランド)
位:エポスカード(704ポイント)
4年連続の受賞。「クレジット機能」「年会費」の2ファクターで最高評価。
第2位:楽天カード(660ポイント)
「ポイントプログラム」「会員向けサービス/特典」の2ファクターで最高評価。
第3位:au PAY カード(648ポイント)

【年会費無料 部門】(対象12ブランド
位:楽天カード(680ポイント)
2年連続の受賞。「ポイントプログラム」ファクターで最高評価。
第2位:JCBカード(670ポイント)
「クレジット機能」「会員向けサービス/特典」の2ファクターで最高評価。
第3位:オリコカード(656ポイント)
「手続き・サポート」ファクターで最高評価。

《 J.D. パワー 2021年クレジットカード顧客満足度調査℠概要 》
年に1回、日本国内で発行される個人向けクレジットカードのうち、クレジットカード会社が発行するプロパーカードを保有する本会員(全国の20~69歳)を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を明らかにする調査。今年で4回目の実施となる。
なお、回答者が複数カードを保有している場合、自身にとって主利用カード(メインカード)と自覚しているカード1枚についての評価を聴取している。
■実施期間:2021年5月上旬~中旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:クレジットカード会社が発行するプロパーカードを保有する人
(20~69歳の本会員。※家族カード、法人カード除く)
■調査回答者数:8,236人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り。
◇年会費2万円以上/年会費1万円以上2万円未満:「クレジット機能」(31%)、「ポイントプログラム」(26%)、「会員向けサービス/特典」(21%)、「手続き・サポート」(13%)、「年会費」(9%)
◇年会費1万円未満:「クレジット機能」(30%)、「ポイントプログラム」(29%)、「会員向けサービス/特
典」(19%)、「年会費」(13%)、「手続き・サポート」(9%)
◇年会費無料:「クレジット機能」(38%)、「ポイントプログラム」(34%)、「会員向けサービス/特典」(19%)、「手続き・サポート」(10%)

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業にブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。











 

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

URL
https://japan.jdpower.com/ja
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町8F
電話番号
03-4570-8445
代表者名
山本 浩二
上場
未上場
資本金
-
設立
1990年10月