サントリー、500万ダウンロードの自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」の顧客対応にAI搭載ツールを活用
社員1名で運営できるカスタマーサポート体制を構築、応対工数半減へ
カスタマーサポート向けAIエージェントを提供するカラクリ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:小田志門、以下カラクリ)は、サントリービバレッジソリューション株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:森祐二、以下サントリー)が展開する自販機キャッシュレス決済アプリ「ジハンピ」における顧客対応において、AI搭載FAQツール「KARAKURI smartFAQ」を導入したことをお知らせします。500万ダウンロードを達成した同アプリでは、アプリ利用者とジハンピ加盟店(自販機オペレーター)という異なる顧客層からの問い合わせに応えるために、AIを活用した統合型のFAQシステムを構築しました。FAQの自動更新の拡充や社内ナレッジの検索精度向上により、新規事業チームのコアメンバー1名でも、ナレッジマネジメントや、カスタマーサポートチームをディレクションができる体制を実現し、自社HP型のFAQサイトの更新費用削減およびヘルプデスクの運営工数の半減を見込んでいます。

■導入背景
全国展開にむけ、社員1名で運営できるカスタマーサポート体制を新構築
サントリーが独自に開発したスマートフォン向け自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」は、2024年12月に北海道での先行展開を皮切りに、2025年3月から全国展開をスタートしました。アプリのダウンロード数は500万を突破し、急成長を遂げている新サービスです。このプロジェクトは、わずか数名の少数精鋭チームによって運営され、顧客対応に専念できる担当者は1名(兼務のため実質0.5名)という限られた体制でした。そのため、200社以上の加盟店や一般ユーザーからの問い合わせには、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に委託して一次対応を行う体制を整えていました。しかし、問い合わせの増加に伴う外部委託のコスト増加の懸念、さらにExcelによるFAQ管理でコアメンバーの時間が割かれることが喫緊の課題となっていました。全国展開に伴い数百万人規模の利用者増加が見込まれる中、従来のExcel依存型の管理体制では限界があると判断し、「KARAKURI smartFAQ」の導入に至りました。
■KARAKURI smartFAQの活用方法
自販機メンテナンス企業、アプリユーザー双方の問い合わせ基盤に活用
「KARAKURI smartFAQ」は、自然言語処理を活用したFAQシステムで、ユーザーが多様な言い回しでも必要な情報を検索・自己解決できることが特長です。今回、『ジハンピ』のBtoB領域(ジハンピの自販機への設置を担う加盟店約200社)と、BtoC領域(アプリのご利用者であるお客様)双方の問い合わせ対応基盤として導入されました。ユーザーの自己解決率向上をはじめ、問い合わせ対応工数(外部BPOコスト)・FAQ管理コストの削減を目的に活用が進められています。

■初期効果について
①FAQ更新を迅速化、3分以内の情報公開と応対工数50%削減見込み
サントリーでは、従来のFAQ更新は社内CMS経由での承認フローが複数必要で、FAQ1件の更新に約1週間を要していました。「KARAKURI smartFAQ」導入後は最短3分で更新・公開が可能となり、緊急メンテナンスや決済障害時などの迅速な情報提供が実現しています。また以前は、FAQ更新時にHTMLコーディングを外注する必要があり、1件あたり数万円のコストが発生していました。本導入によりCMS依存が不要となり、FAQページのコーディングにおける外部委託コストの全額削減に成功しました。
②利用者の検索語句を可視化、地域差や多様な表現に対応
自然言語処理を活用した「KARAKURI smartFAQ」は、利用者の検索語句を可視化できます。たとえば、「マネー連携の方法がわからない」という問い合わせ一つ取っても、お客様ごとに異なるワードで検索を行うケースがあります。例えば、「マネー連携」「マネー接続」「マネー紐付け」「マネー登録」など色々な表現が存在します。本導入により、上位10パターンの質問に対する多様な問い合わせを網羅する“質問パターン”を構築し、どのような聞き方でも該当するFAQにスムーズに誘導できる設計を実現しました。結果、お客様が用いる多様な表現に対応し、自己解決率が大きく向上しました。
③BPOからのエスカレーション件数※ を大幅削減
サントリ-では、BtoB領域(加盟店 約200社)およびBtoC領域(一般ユーザー)双方の問い合わせについては、外部BPOが一次対応を担う運用体制が構築されています。導入前は、Excelでの対応マニュアル管理では、表記のばらつきや検索のしづらさが問題となり、約5件に1件が担当者へのエスカレーションを必要としていました。
『KARAKURI smartFAQ』の導入により、自然言語処理を活用した検索性の向上とナレッジの体系化が実現。重複エスカレーションはほぼゼロに抑えられ、担当者の対応負荷が大幅に軽減されました。これによって、限られたリソースでも高品質なサポート体制を維持できるようになっています。
※エスカレーションとは:BPOなどの担当者が解決できない問い合わせを、委託元企業や専門部署に引継ぐこと

■サントリービバレッジソリューション株式会社 マーケティング本部 担当課長 森 新さま コメント
自販機の価値は、"どこでも""すぐに"商品を購入できることです。この利便性をキャッシュレスアプリ『ジハンピ』でも実現するにあたり、FAQも同様にストレスフリーであるべきと考えました。
一般的にFAQが用意されていても、お客様が求める答えにたどり着けず、結局は問い合わせに頼ってしまうケースが多いのが現状ではないかと思います。私たちは『問い合わせをせずとも、”すぐに”解決できる』仕組みをFAQでも構築したいと考え、BtoB・BtoC両方に対応できる柔軟性と、更新作業の簡便さ、一元管理による運用効率化が期待できるKARAKURIを導入しました。実際に導入してみて、利用者の行動を考慮したUI設計により自動化や効率化できる領域が拡大し、顧客体験の向上が実現できていると感じています。KARAKURIがもし存在しなかったら、25年3月度に行ったジハンピの一斉取り付け機を乗り越えることは不可能だったのではないかと思うほど、大きな効果がありました。今後もこの仕組みを活用し、より良い問い合わせ体験の提供を目指していきます。
■サントリービバレッジソリューション株式会社 会社概要
所在地:〒160-6111 東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー11階
設立:2010年11月
代表者:代表取締役社長 森祐二
事業内容:自動販売機による各種食品飲料製品の販売
URL:https://www.suntory.co.jp/group/sbs/company/
▶ 会社概要
カラクリは「FriendlyTechnology」というビジョンを掲げ、大規模言語モデル(LLM)のカスタマーサポートへの実用化を目指すAIスタートアップです。2018年からはトランスフォーマーモデルであるBERTの研究を開始し、2022年からはGPTを含む大規模言語モデルの研究に取り組んでいます。また当社のSaaS事業で提供するカスタマーサポート向けAIシリーズは、高島屋、SBI証券、セブン-イレブン・ジャパン、星野リゾートなど、各業界のトップ企業に選ばれ続けています。
【主な実績】
・2018年 ICCサミット「スタートアップ・カタパルト」入賞
・2020年 Google for Startups Accelerator2020に採択
・2022年 Google for Startups Growth Academy Tech 2022に採択
・2023年 AWS LLM開発支援プログラムに採択
・2024年 生成AI実用化推進プログラムに認定
・2024年 Meta社 完全招待制の生成AI開発者会議に参加
・2024年 経産省「GENIAC」に採択
住所 : 〒104-0045 東京都中央区築地2-7-3 Camel 築地 II 5F
設立 : 2016年10月3日
代表者 : 代表取締役CEO 小田 志門
事業内容 : AIアルゴリズムの研究開発、カスタマーサポート向けAI SaaS事業など
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