「極端紫外線露光世代の半導体測長SEMの開発と高精度化」で「第69回大河内記念生産賞」を受賞
大河内賞は、生産工学、生産技術、生産システムの研究ならびに実施などで、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な個人、グループまたは事業体を表彰する権威ある賞です。大河内記念生産賞は、特に、会社、工場などの事業体に対して送られる賞となります。
近年、半導体デバイスの微細化が進む中、ウェーハ上に形成された微細パターンの寸法計測に特化した測長SEMは0.1nmレベルの精度と安定性が要求されています。今回の受賞は、極端紫外線(EUV)露光世代の半導体パターン計測用に開発した測長SEM(製品名:CG7300)を対象として、高精度化、安定性、デジタル技術装置の3点に着目した技術開発に対して、その成果が評価されたものです。
日立と日立ハイテクは、今後もお客さまの開発期間短縮、コスト低減、生産性向上などの半導体製造プロセスにおける多様なニーズに応えるべく、本半導体パターン測長SEMのさらなる高精度化、高安定化をめざします。これからも最先端のモノづくり、およびデジタル社会を支える産業の持続的発展に貢献していきます。
■開発した技術
スマートフォンなどで用いる最先端の半導体デバイスでは、ナノメートルレベルの極めて小さな素子が用いられています。このような半導体デバイスでは、回路パターンを小さくすることによる高性能化とデバイスの製造コストの低減を両立しなければならず、今後もさらに小さな回路パターンを製造することが求められています。
日立と日立ハイテクは、この小さな回路パターンの寸法を計測するため、高精度なフォーカス合わせを実現する対物レンズ、電子ビーム揺れ抑制技術および電子ビーム形状補正デジタル処理技術を開発しました。これにより、個別装置間のパターン寸法計測値差(機差)を従来機種比で約10%精度向上(機差:0.10nm以下レベル)に成功し、世界最高水準の半導体パターン検査技術を確立しました。
■効果
開発した技術により半導体パターンの検査精度が向上し、半導体製造の歩留まり向上に貢献します。これにより、日立ハイテクのCG7300はEUV対応半導体パターンの測長SEMとして高く評価され、世界中の半導体メーカーに多数導入されています。
■開発技術を搭載した製品について
■大河内賞について
http://www.okochi.or.jp/hp/f02.html
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。
■日立ハイテクについて
日立ハイテクは、2001 年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。2020 年、日立製作所の完全子会社となり連携を強化していくことで、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現をめざしています。
医用分析装置、バイオ関連製品、分析機器、半導体製造装置、解析装置の製造・販売に加え、社会・産業インフラ、モビリティなどの分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、グローバルな事業展開を行っています(2022 年 3 月期日立ハイテクグループ連結売上収益は 5,768 億円)。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/ )をご覧ください。
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